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2015年11月8日

打診棒(ビルメン七つ道具の話)

久しぶりに真面目なビルメン業務の話をします。

平成18年6月の東京都港区の公共賃貸住宅のエレベーターにおける死亡事故、平成19年5月の大阪府吹田市の遊園地のコースターにおける死亡事故等、エレベーターや遊戯施設の事故が相次いだことを背景に、平成20年4月の建築基準法令の改正により、特殊建築物定期調査の定期報告制度が改定され、建築物の外壁全面診断が必要となりました。

要するに浮いたタイルが高度から落下することの通行者等の危険を防ぐためのもので、要求するレベルの診断として、「診断レベルⅡ」が規定されました。

すなわち、外観目視法により壁面全体について、タイルまたはモルタルの剥落、欠損、白華現象、ひび割れ等を調査するとともに、①全面打診法、もしくは②全面的な赤外線装置法もしくは全面的な反発法と赤外線装置法、反発法では明確な判断ができない部分についての部分打診法の併用のいずれかの方法により、浮きの測定を行うというもので、診断レベルⅠが部分的な壁面に留めているところを、外壁全面についてこれを適用せんとしたものです。

ここに謳っている全面打診法で用いるのが「打診棒」という専用調査器具でして、仕組みは中が空洞のコロコロ回る金属球が先端についた棒で、金属球をタイル壁面に沿って左右上下に転がします。

すると、しっかりくっついている部分は低い音がなるのですが、浮いている部分は明らかに高い音になるというわけです。

打診棒といってもタイル壁面を叩くわけではありません。

なでるような感じです。

実際に浮いた部分は職人により、該当のタイルを剥ぎ取り、新しいタイルをモルタルで付け直すことになります。

浮き足立たないよう気を付けたいところの筆者からは以上です。

(平成27年11月8日 日曜日)

打診棒の例