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2017年6月26日

人口減少社会について回る我が国の深刻な空き家問題について書きます




おはようございます。

2017年6月時点の記事です。

本稿を将来読み返してそのとおりだったなあと思いたくないのでこの時点で書いておきます。

今の日本は人口減少サイクルに入っていますが、これと同じくして問題なのは空き家の急増です。

2030年には、実に3戸に1戸は空き家になってしまうという統計上の計算予測がなされています。

これは、戸建てもマンションも全て含んだ数字で、このような空き家ばかりのインフラ投資を間違えた国は世界でもあまりないでしょう。

人口が減少するのに住宅供給は減らないという状況はどうしてなのでしょうか。

日本の都市計画は1968年にできた都市計画法に沿って行われています。

しかも全国一律です。

そして、これは住宅を適切に供給することを前提とした高度経済成長期の状況に即した法律なのです。


都市計画法の理念



確かに、それでも、都市計画法は市街化を促進する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」を分けるという線引き制度と開発許可制度を導入したので、当初はある程度無秩序な開発をコントロールすることができました。

しかしながら、時代の変遷とともに、政治的な圧力や規制緩和の雰囲気から、そのタガも緩んで当初の理念もうやむやになり、そのうち市街化調整区域が大規模宅地開発の種地となるということになっていったわけです。

本来、住宅がまばらな地域に上下水道などの都市インフラを整備することは自治体財政にとってものすごく大きな負担なのです。

そして21世紀に入って本格的な人口減少社会の到来です。

例えば地方都市には、例えば石炭産業の衰退などにより人口が急減しているのもかかわらず、人の呼び込みの起爆剤になればとの「善意」から市営の集合住宅の建設を進めたというような事例があるのです。

そもそも今の数倍の人口が住んでいた土地に、容積率の緩和制度を利用してその当時の人口の数倍をも許容できる住宅供給を行ってしまっているのです。

それが自らの土地だけが他県からの人口流入が起こるというバラ色の経済予測の元にされていればよいのですが、残念ながら日本全国同じような法制度のもとで運営されていますので、日本全国で家が余って行くのは当然の現象なのです。

たとえば、元の市街地の4~5倍の規模で郊外開発をしてしまうと、郊外の調整区域を市街化区域に編入する区画整理を行った結果、もとのJR駅を中心とする街なかの再開発は打ち捨てられ、駐車場とビジネスホテルと空き家だけ、駅前商店街はシャッター商店街となってしまうという典型的な例がそこかしこに見られるのです。

残念ながら税金をも投入して都市インフラを整備してきた中心市街地が流動化してしまい、郊外の宅地化が進み、居住地は薄く広がりさらに行政コストを増すという悪循環になっています。

各経済主体が合理的な経済行動をとった結果、全体としてこの結末ではなかなか残念なところです。

みんなが合理的に行動すると、全体としては不合理になる、そんなお話としてとらえていただければと思います。

別荘、というよりデュアルライフ(都会と田舎の2つの家を持つ)しか解決の方策はないのではと考えております根無し草営業の筆者からは以上です。

(平成29年6月26日 月曜日)