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2017年6月13日

ミスターGEのイメルトCEOが在位16年でついに退任するという話

トーマス・エジソン(GE創業者)



おはようございます。

2017年6月の昔語りをいたします。

昭和生まれですので昔話が大好きな筆者です。

筆者が会社員になった頃の世界最強企業といえば、間違いなく米国ゼネラル・エレクトリック社(通称GE)でした。

時価総額も桁違いで、さらに同社の伝説的CEO「モーレツおじさん」ジャック・ウェルチに率いられた優秀な同社の幹部社員は、世界中の市場に目を光らせ、ナンバー1ナンバー2、選択と集中といった事業ポートフォフォリオ戦略を持って、収益性の高い事業に集中投資を繰り返し、その市場でナンバー1かナンバー2に数年間でなれそうにない事業については容赦無く売却してその事業ごとキャッシュに変え、そしてまたその現金を競争力のある事業買収に充てるといったアグレッシブかつ合理的な投資行動を取っておりました。

そして、大学も驚くほどの研究施設、幹部養成研修施設を擁し、その教育プログラムたるや実践的かつ評価や査定に直結するということで、世界中の企業がGEのそうしたやり方を参考にし、また模倣したり取り入れたりしたものでした。

同社の凄いのは、他社の幹部として引き抜かれる割合も非常に高いということにあります。

現に、GEのCEOとしてジャック・ウェルチが選んだ後継者はジェフリー・イメルト、当時は傍流のヘルスケア部門の部門長であり最終候補として残った三人のなかでは最年少だったわけですが、残りの2人の進路もものすごいものでした。

詳しくは、GEの前CEOであるジャック・ウェルチ氏が次期CEOとして候補者を3人まで絞り込み、ジェフリー・イメルト氏を後継者に指名したのですが、残りの2人は米スリーエム(3M)と米ホーム・デポのCEOとしてヘッドハントされたのです。

3Mといえばポストイットで有名な、何でも生活用品なら開発してしまうまさに変幻自在企業、おそらくGEよりも今後100年スパンで見た時には生存可能性が高そうな優良企業、そしてホーム・デポといえばアメリカ合衆国ジョージア州に本社を置く住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーンで革命的な店舗展開で日本でも有名になっています。

こんな有名な上場企業の会長兼CEO職ならば、内部にもなり手がたくさんいそうなものなのに、それでもこれらの会社の株主や取締役会のメンバーは、GEの「最終予選まで勝ち残ったけどCEOには選出されなかった」候補者を選んだのです。

まさに、GEの最大の製品はGE幹部であるという話を彷彿とさせる話です。


そのイメルトCEOもついに引退



そんな20世紀最高の経営者とも評されるジャック・ウェルチが選んだ後継者、イメルトCEOの在位も16年、ついに引退の時がやって来ました。

筆者などは、ものすごく感慨深いです。

イメルト氏がGEのCEOに就いたのは2001年、筆者も花の20代でした。

それが年月はあっという間に過ぎ、2017年、筆者も渋い40代になりました。

イメルト氏も白髪が増え、心なしか痩せて疲れたように見えます。

株価を就任時から20年で30倍にしたウェルチの業績の影に隠れてしまう面もありますが、イメルト氏もそれに負けないマネジメントと成果を見せています。

それにしても、イメルト氏は不運な面がありました。

2001年9月7日にCEOに就任した直後に米同時多発テロが起こり、その処理に忙殺されました。

結果的に「当時の20日間で10年分ぐらいの経験を積んだ思いです」と述べています。

また、2008年には世界中の金融市場を揺るがせたリーマン・ショックに直面し、株価は4分の1以下に急落、当時収益部門の柱であった金融部門、GEキャピタルの売却に近い事業縮小を決断し、そこから業績を回復させました。

業績の変動が大きい金融部門やサービス部門への偏重を修正し、業績の変動が比較的小さく、また数字が見込める製造業への回帰を強め、筋肉質な同社の企業文化に沿った骨太の経営を続けて来ました。

偉大なCEOウェルチからGEを引き継ぎ、そして度重なる不運や世界的不況にも折れずに、巨艦GEを16年も率いたその精神力には頭が下がるばかりです。

イメルト氏は、大企業のCEOでありながら、まったく気さくでフォーラムや公開の経済界のパーティーの場でも、颯爽とぶらぶらしていろいろな人たちと話を気さくにしている、そんな現場主義が似合う経営者でした。

日本にも、オーナーではない、このような本当のプロの経営者が出て来てほしいと思っています。

雇われ従業員で社長の目は遠そうな筆者からの見解は以上です。

(平成29年6月13日 火曜日)