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2017年8月28日

有事の円買いという仕組みというかお約束について考えてみる





おはようございます。

2017年8月後半の記事です。

北朝鮮がミサイルを発射し、北海道の上空をかすめて太平洋に着弾しました。

さて、このような日本近海での「有事」に際し、投資市場にそれなりの期間身を置いている筆者などは、すわ日本も危ない円安だ、ドル高だと思ったのですが、「有事のドル買い」というのはどうも現在(2017年現在)の世界では通用しない論理のようです。

逆に、この北朝鮮の行為による地政学的リスクが認識された結果、円相場は対米ドルで110円から108円と2円もの円高となったのです。

何故、日本近海での有事であるのに日本の通貨が買われて上昇するということになったのでしょうか。



有事の円買いのメカニズム(仮説)



日本国は、戦後70年超国土の復興を進め、そうして幾度かの不況や社会不安を経験しながらも、実は一貫して富を蓄え、そして日本国内の低金利状態も相まって、対外投資を非常に伸ばしてきています。

確かに、日本政府の長期債務残高は1,000兆円を超えており、これはGDP500兆円レベルからすれば、実に年間売上高の2倍の借金を抱えている企業体、ということになりまして、普通の民間企業ならば存続できないほどの多額の負債に苛まれているということになるのですが、実はその国債の引き受け手のほとんどは同じ日本人ということであり、日本国の政府が発行する債券を日本国民(銀行や生命保険会社といった日系の機関投資家も含む)が購入しているということなので、

日本国民は意外と金持ち

ということにもなるのです。

その日本国政府に多額を貸し付けられるほどの日本国民ですが、さすがに日本の低金利はやってられないので、新興国とかそういった金利や投資のリターンが高い国や通貨にも通常は多くを投資しているわけです。

ただ、日本人ですから平時はそうして海外に向かっている投資資金が、日本国近くで危機が起こったことにより、一旦円資産に戻しておこうかという巻き戻しの動きが起こることになります。

巻き戻しが起こることが合理的に予想されるのであれば、プログラム売買といいまして、ある一定の条件(この場合は日本周辺での有事)となった場合に自動的に円を買うような行動をインプットしておくことは十分に考えられます。

かくして、予想通り有事となった場合、こうした準備中のプログラム売買が発動して、一気に円高が進んだことは十分に考えられます。

一方、この動きは急激でしたので、翌日にはまた110円近辺の元の水準に戻ってきつつあるというのも面白いところです。

しかしながら、こうした「お約束」があまりにも周知されてしまうと、それを出し抜く動きがまた起こって結局またいたちごっこになるというのが相場の怖いところです。

一瞬先は闇で台所は火の車の筆者からは以上です。

(平成29年8月28日 月曜日)