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2017年9月6日

北朝鮮に対する国連の経済制裁決議について(2017年8月5日時点)




おはようございます。

2017年9月の記事です。

既報の通り、北朝鮮が通算6回目の地下核実験を行なったと日本政府が断定した2017年9月3日(日)以降、国連安全保障理事会において新たな北朝鮮に対する制裁内容が激しく協議されています。

この状況に到るまでの、すでになされている経済制裁として最も厳しいものは、2017年8月5日に採択された第2371号と呼ばれる決議で、石炭、鉄鉱石、鉄、方鉛鉱、鉛、海産物などの北朝鮮への各国からの輸出を止め、合わせて北朝鮮の労働者が国外で働くことや合弁会社の設立を禁止したものです。

北朝鮮の輸入に関する制裁の合計金額は、10億ドルと試算され、2016年の北朝鮮の輸出総額の3分の1に当たる規模です。

また、労働者の国外派遣の禁止については、これは非常に効果的であると見積もられておりまして、北朝鮮がミサイルや核開発を行う上での外貨獲得のため、海外での北朝鮮労働者の派遣が非常に重要な役割を占めているのです。

ざっと、国外派遣者合計23万人・年間5億ドルの給与所得の本国還流とも言われています。

つまり、北朝鮮人に外国に働きに行かせて、その給料のほとんどを本国に送らせるという仕組みで、実質的な外貨獲得手段として、全くの法律の抜け穴状態となっていると思われます。



それでも6回目の核実験を強行した北朝鮮



しかし、この決議のわずか1ヵ月後、北朝鮮はこれまでで最も大規模で威力の高い地下核実験を強行したのです。

上記の制裁を持ってすら、北朝鮮の暴走を止められない、その理由の一つが「石油の禁輸」というカードを切っていない、ということが挙げられます。

あの昭和16年時、我が国の大東亜共栄圏構想に対するアメリカイギリス中国オランダの、いわゆる石油禁輸を軸にしたABCD包囲網に対し、しびれを切らした形でわが国はアメリカイギリスに対して開戦、真珠湾攻撃を行うということになりましたが、これほど石油の禁輸は自国経済に与えるダメージが大きいのです。



それでも、中国次第



結局、石油の禁輸までは踏み切れなかった理由は、対北朝鮮貿易で9割以上を占める、陸続きの大国中国の意向だからです。

中国が、この経済制裁を厳格に履行せず、例えば石油のついでに禁輸品もこっそりと国境付近で流してしまえば基本的に他の国連加盟国ではわからないということになってしまうのです。

中国に、現在ある経済制裁を厳格に履行させ、かつ石油の全面禁輸を行なったところで、北朝鮮は真に自国の置かれている状況がわかるのかもしれません。

ちなみに、2017年8月5日の国連決議を受け、早速翌日の8月6日に、国の王外相は北朝鮮の李外相と会談をして、安保理決議について通告し(石油の禁輸は見逃したと恩を売り)、ミサイル発射や核実験を自制するように求めたようですが、その中国の面子も潰れた形になりました。

中国としても、2017年秋の一党独裁の中国共産党大会を控え、北朝鮮すら従わせられないという外交上の失点をこれ以上広げたくないかもしれませんが、依然北朝鮮問題に対しては原則不介入としたいという「希望」を隠しません。

しかしながら、中国の強烈な反対によって2017年8月の国連安保理決議に入れることはできなかった、原油の輸出禁止などミサイル開発に直接関わる事項について決定し、その運用も厳格に、禁輸の運営も厳しく監視する必要があります。

もちろん北朝鮮労働者の海外(特に中国東北部)での労働についてもです。

残念ながら、これだけの状況に至った北朝鮮に対して対話を求めても、過去のように時間稼ぎをされた挙句、ミサイルや核開発のための資金を流すだけの結果に終わるのは目に見えています。

そもそも、ミサイルは韓国やロシア、中国の領空領海ではなく、わが国日本に向けて放たれております。

韓国なら米軍がついているので怖い、でも日本なら何もしない、と大いに舐められて高をくくっているわけです。

緊張感をます北朝鮮情勢、次は日本列島を超えるミサイル発射、もしくは核実験を断行してもおかしくないフェーズにあります。

このことについては引き続き論じていこうと思います。

とりあえず、今回は以上です。

(平成29年9月6日 水曜日)