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2017年10月12日

弁護士懲戒請求と懲戒決定に見るサラ・クレ過払い業務という一つの時代の終わり




おはようございます。

2017年10月の記事です。

旧司法試験に落ちたので弁護士になれなかったですが、実はいつかは弁護士開業の夢を捨てていない筆者から記事をお送りします。

利息制限法を超える金利を徴収した場合、その全額の返還義務を認めるという画期的な判例をもとに、とにかく過払いの金利を返還します、その代行を行いますという派手な宣伝を続けて業界でも有名でありましたアディーレ法律事務所が、消費者庁の指摘により東京弁護士会から業務停止処分を下されたという事案です。

東京弁護士会長による談話として、

「同弁護士法人の広告表示は、債務整理・過払金返還請求に係る役務を一般消費者に提供するにあたり、実際の取引条件よりも有利であると一般消費者を誤認させ、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある極めて悪質な行為であり、しかも、長期間にわたって多数回反復継続されている組織的な非行と言わざるを得ません。」

とまで断罪し、弁護士法人としてのアディーレ法律事務所に対し業務停止2ヶ月、アディーレ元代表の石丸幸人弁護士を業務停止3カ月にしたと発表したのです。

もともと、消費者庁は、2016年2月に、アディーレ法律事務所に対して、相談顧客の勧誘や募集を目的として5年以上にわたってホームページ上で行っていた「着手金全額返還キャンペーン」について、1ヶ月間限定と謳いながら実質5年にも渡って「継続」していたということで、景品表示法違反(有利誤認)で再発防止を求める措置命令を出されても仕方ない事案であったと言えます。

1ヶ月限定が実質5年続くというのは、まさに弁護士三百代言と言え、アディーレはこれを不服として審査請求を求める構えですが、処分が覆るのは難しいでしょう。

アディーレ法律事務所は消費者金融への過払い金請求を主に手掛ける業界では大手であり、全国に85の「支店」を構え、約180人の弁護士が所属しているとのことです。

さて、これらの弁護士会における懲戒制度は弁護士の自治を担保する極めて重要な機能であり、強力な強制力を持ちます。

いったん弁護士法人が業務停止の懲戒処分を受けると、弁護士法人名で受任しているすべての法律顧問契約、請け負って裁判をしている事件なども、一切できなくなるので解除していかなければなりません。

また、弁護士法人で顧客からの預かっている仮払金や預り金なども即時返金しなければならない義務が生じるため、単純に数ヶ月待てば良いのではなく(新規営業を停止してじっと待つのでははく)、今持っている契約も全て解除してすっからかん、裸一貫になるということなのです。


弁護士業界自体が社会問題を起こしてしまうという構図



この社会問題については、本来払う必要のない過大な金利負担に耐えてきた消費者金融等の利用者のために戦ってきた弁護士たちだったはずなのに、一つの時代を築いて以降は、なんとまともな広告も打つことができない大手弁護士法人の草刈場に堕してしまったというのは弁護士という職務の光と影を表しているようで非常に感慨深いものがあります。

弁護士も仕事をもらって食っていかなければならないのは他の業界と全く変わりがなく、一見派手な広告をバンバン打つということは、実際に報酬が発生するまでにかかる費用負担が高いということであるとも言え、怪しい不動産業者や金融業者並みに今回の弁護士事務所が論じられるようになったというのは弁護士業界としても大変嘆かわしいとおっしゃる向きもありました。

狭き門を潜り社会的有用性の高い独占資格を持つ弁護士業界に一石を投じた事案と言えそうです。

繰り返しますと司法試験には落ちておりますがいつかこの業界に参入したいと思っております、1ヶ月限定のはずの毎日ブログを4年続けております筆者からは以上です。

(平成29年10月12日 木曜日)