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2017年10月4日

事実上の円安誘導で見かけのGDPは増えているように見えるという話です

地球儀




おはようございます。

2017年10月の朝の記事です。

感覚的ですが大事な観点ですので文章で説明します。

日本のGDPですが、米ドル建てだとあまり伸びていませんが、円建てだとかなり伸びています。

日本経済の構造を見ると、これまでの成功体験によるいわば既得権益が強すぎ、そうした業界への忖度が過ぎているように見受けます。

すなわち、実質債務である年金、医療福祉、そして生活保護、それから国家機構である間接経費である公務員給与や大企業本社の間接部門の人件費といった費用項目を円建てで減らして行くことは物凄い抵抗を受けるということになっています。

選挙でも勝てません。

そこで、日本の政策当局と金融当局は、それぞれの思惑を一致させ、日銀は量的緩和とマイナス金利を実施し、政府は年金基金の外債および外国株への投資を活発化し、実質的に円が円安になるように「誘導」していくことになります。

それは、輸出企業を多く抱える(とみられている)日本経済にも良いことであるということになり、現に輸出産業の売上の増加(為替差益)で、円建てでのGDPは増えて税収も増えるということになります。

もちろん、円安により輸入物が高くなりますが、そこは域外資産の変動による仕方ない部分と割り切って国内には説明します(というか積極的には説明しません)。

そうすると、実質的に生活水準はあまり向上していない(というか悪化しているかもしれません)ながら、円安によるGDP押し上げ効果をもって、これを原資にして、実質的な構造改革(公務員給与の削減や間接部門の域外転換など)を進めることができます。

すなわち、円安の誘導により、円建てである年金、医療福祉、生活保護、そして公務員給与や日本の大企業本社の間接部門の人件費を「実質的」に切り下げているということなのです。



日本円のみでの投資はこれからは厳しいかもしれない



したがって、日本のそうした既得権益部門に「これから」潜り込んでいこうと考えるのはあまり得策な投資戦略ではなく、自分の資産の一部は継続的に続くであろう円安に棹差すべく、外国、特に米国の株や債権に米ドル建てで振り向けておくべきであろうという結論になるのです。

日本国内で相対的に高い所得や、高いと思われる資産を保有していても、実質的に長期的に円建資産の価値としてドル建てに比して例えば半分になってしまうといった危険がありますので、複眼的な視点を持っておくべきではないかという問題提起でした。

日本のGDPの潜在成長率より、世界のGDPの潜在成長率の方が高いということを考えてみれば、資産を円のみで投資していくことのリスクに気づかれるのではないでしょうか。

激しく円高の時代に長期の為替予約契約を締結した日本マクドナルドがその後10数年にわたって原材料を世界中から安く調達した、という業界では有名な話があります。

ドル建の資産を持つことで世界が近くなるのではと感じる筆者からは以上です。

(平成29年10月4日 水曜日)