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2017年10月31日

ICO(Initial Coin Offering/新規仮想通貨公開)について簡単に解説しておきます





おはようございます。

2017年10月の記事です。

国家のみが独自発行権を長らく持っていた「通貨」というものが、電子技術の発達により、廉価で安心して流通させることができる「ブロックチェーン」という仕組みを用いて誰でも(極端に言えば個人でも)発行することができる時代、それが今生きている我々の世界ということになります。

そして、アーリーステージにおいて資金調達が必要なスタートアップ企業が、こぞってビットコインなどの「仮想通貨」を使った資金調達を行なっています。

改めて、ICOとは Initial Coin Offering の頭文字を取ったもので、日本語では「新規仮想通貨公開」とでも訳されます。

資金調達をしたい企業やスタートアップが、「独自の仮想通貨」を発行して販売します。

その代わり金は別の(有名な)仮想通貨である場合も、現金である場合もありますが、とにかく独自の仮想通貨を販売した会社は、投資家にその仮想通貨を発行・販売する代わりに資金調達を行うことができるということになります。

投資家側には、「コイン」といったり「トークン」と呼ばれるブロックチェーン技術を利用したデジタル情報でしか認識されない「通貨」を資産として認めて購入してもらいます。

それだけです。

株式を発行するという従来の方法(IPOなど)とは違った新しい資金調達手段として、最近世界中で注目されています。

さて、ここで少しおさらいですが、今までの資金調達方法としては、大きく二つ、銀行などから借り入れるデットファイナンス、それから新しく会社の持分である株式を新規発行して出資してもらうというエクイティファイナンスのいずれかの方法のみでした。

確かに資本性ローンとか、メザニンローンとか、その二つの中間形態的な資金調達方法はありますが、それはこの二つの要素がどの割合で入っているのかというもので、この二つとは全く異なる形で資金調達ができるようになったのは画期的なことになります。

例えば、企業としてスタートしてまもない会社で、まだ信用できる実績がない会社である新興企業が、いきなり多額のデットファイナンス/エクイティファイナンスで資金調達するのはハードルが高いです。

ハードルが高い以上に、借入利率が必要以上に高くなったり、エクイティファイナンスでは十分な資金が調達できなかったりするということにもなりかねません。

これに対して、ICOでは、やり方や投資家のニーズによっては比較的簡単に資金調達を行うことができます。

なぜなら、企業価値である株式を発行するのではなく、流通する「通貨」を発行するわけですから、当然に投資対象となる事業の価値を投資家に提示する必要がないですし、取引所によるルールもありませんので、うまく行けばネットを利用していきなり世界中の投資家相手に一瞬で資金調達できます。

支払いは仮想通貨を利用することが多いため、この場合はネット上で払い込みが即完了します。

新通貨の発行も一瞬なら、払いこまれる仮想通貨も一瞬で集まるということです。

そして、新通貨をどのように利用するかについては、発行体とは別の取引所での価格に任せるということになりますが、発行体はその通貨で取引できるいろいろな「場」を整備していくということになります。

具体的にはその会社が提供するゲームプラットフォームや掲示板、情報交換サイトや寄付サイト、応援サイトにおいてこうした新通貨の投げ込みによるゆるい経済圏が成立するというようなことを考えることになります。

当然、その通貨に通貨としての価値を認めるか、それはその通貨が利用されるという通貨価値の信頼に依拠するところが全てでありまして、投資家側にはリスクがたくさんあるところですが、その後の通貨価値自体の向上含めてリターンの期待も大きいということになります。

もちろん、ICOは手続きが簡便でありますが、それは反面投資家側を保護するルールが未整備だということです。

実際には、以下のような段取りを経て、ICOは完了します。


アナウンス


ICOをする企業は、仮想通貨市場の投資家に対して、トークンの発行を周知します。

一般的には「ホワイトペーパー」と呼ばれる新株発行の際の目論見書(のようなもの)を発行し、新通貨の魅力を宣伝喧伝します。

これにより投資家は、新通貨を発行する企業の目的やそのプロジェクト内容に対し、正当性や価値を判断して投資判断を行うということになります。


オファー


ICOをする企業は、特定の人物や投資家を対象に、契約条件を規定した「オファー」と呼ばれる内容書を提示します。

このオファーにより投資家は、発行される仮想通貨に対する、投資額や投資期間などを指定します。

ICOはトークン発行に証券市場のような基準が設けられていないため、トークン発行者(ICOをする企業)が詳細な条件を定めて開示します。


PR


一般的にICOをする企業のほとんどは、小規模で知名度がありません。

そのため、ICOを成功させるには「企業のPR活動」が重要になります。

「実績が少ない」=「潜在的可能性がある」、「社歴が浅い」=「先進的な事業に意欲的」といったポジティブなことばを駆使し連発し、「投資に値すべきバリューの高い企業」というイメージを確立させるように振る舞います。

投資家側は、こうしたスタートアップの「夢」に張るわけです。


販売開始


いよいよトークン(仮想通貨)の販売です。

オファーで開示した最低金額を獲得した段階でトークンをリリースし、当該投資家に分配したり、最初から仮想通貨取引所でトークンを個別に販売してリリースする方法など、いくつかのやり方があります。


ICOは「投資」という側面にだけでなく、通貨発行者の新規事業を応援するという性格も色濃く持っていると思われます。

もちろん投資なのでリターンを求めたいですが、理念に共感して募金するという性格や投資を通じた社会貢献という観点から、既存通貨を用いた投資以上に、ICOは可能性を秘めている、筆者はそのように感じています。

興味のある方は個別にお問い合わせください。

こちらからは以上です。

(平成29年10月31日 火曜日)