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2018年11月17日

日本の医療行為の具体性について刺青が医師法違反か否かで争われた裁判事例についてご報告です






おはようございます。

2018年11月の、日本の医療行為の具体性について争われた刑事裁判結果が出ましたのでそれを共有したいという配信記事です。

刺青(彫り物)を顧客に施したとして、医師免許がないので医師法違反罪に問われた現職の彫り物師(増田太輝氏(30))の控訴審判決で、大阪高等裁判所は2018年11月14日の判決で、罰金15万円とした1審の大阪地方裁判所判決を破棄して、逆転無罪を言い渡しました。

大阪高等裁判所の西田真基裁判長は、判決の中で、「刺青(入れ墨)は歴史的背景のある風俗」と指摘し、医療行為には当たらないと判断しました。

この点、日本の医師法は医師以外による医療行為を禁じておりますが、医療行為がどのようなものであるかは具体的に示しておらず、刺青(タトゥー)が医療行為かそれ以外の例えば芸術行為なのかを巡って解釈の争いがありました。

この高裁判決に先立つ2017年の1審の大阪地方裁判所では「医師が行わなければ保健衛生上、危害が生ずる恐れのある行為だ」として『タトゥーを彫ることは医療行為』だと認定されていましたので、これに伴いますと、全国の80数カ所ある日本の医学部や医科大学において、刺青科を設置しなければならない事態になっておりました。

かような、不当な拡大解釈では、誰も幸せになりません。

医者としても、迷惑千万な話だと思います。

この大阪地方裁判所の論理でいきますと、

毎朝のお化粧も、爪切りも、ネイルファッションも、化粧品会社も、健康食品製造販売会社も、あのキューサイのまずい(と宣伝している)青汁も、トクホのお茶まで、それから学校の保健室の先生も、床屋や理容師も美容師も、マッサージも鍼灸も、カイロプラクティックも、もしかしたらライザップのトレーニングジムの先生もヨガの先生も岩盤浴設置のお風呂場も、もしかしたら銭湯そのものすら、

医師法違反で違法になってしまうと思いますので、流石に今回の地裁判決は刺青のみを叩くための屁理屈であり、社会的な法律解釈の支持も得られないと高等裁判所の裁判長も判断したのでしょう。

日本の検察や捜査機関も裁判所も、こうした重箱の隅をつつくような態度ではなく、その有能な能力を活かしてより国民生活に資する、例えば議員定数の不均衡問題とか知的財産権の素直な解釈や、なぜか鉄玉と交換する景品を非常な高価で引き取ってくれる交換所がすぐそばに設置されている遊技場が一体として賭博罪に該当するのではないかとか、そういう子供にも容易に説明ができる、率直な法令解釈に基づく国民同士の権利義務の適切な交通整理や国民生活の向上になるような働きをしてもらいたいなと思います。

かつて司法試験に落ちましたので、検察官になれなかった筆者からの報告は以上です。

(2018年11月17日 土曜日)