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2019年8月23日

(2019/08/23)中国深圳市が人材獲得のために個人所得税を一気に15%に優遇すると発表したという話です

深圳市の夜景(無料の著作権フリー素材です)





おはようございます。

2019年8月の世界の最新の人材獲得競争に関する配信記事です。

中国の香港特別市が一国二制度を揺るがす体制側の圧政に対してデモや抗議行動を継続して、大きな国際的注目を浴びている中、中国本土政府は、お隣の深圳市において、高度人材獲得を目指して、個人の所得税を一律15%に優遇するという発表を行いました。

中国中央政府としては、香港特別市という「言うことを聞かない」巨大都市よりも、自国の本来の領土であり、自分の言うことを速やかに採用し実行することに長けた、この深圳市をこれからも重視していこうというところです。

そもそも深圳市は、東京都ほどの広さに人口30万人が住むさびれた漁村だった場所だったのですが、わずか30年ほどで人口1400万人を突破するという、中国、いや人類史上最速で1,000万人都市となった中国の、いやシリコンバレーよりシリコンバレー的な世界都市です。

1400万都市となった現在でも、人口は増え続けており、20〜30代が人口の65%を占め、65歳以上の高齢者は全人口の2%しかいないという、夢の世界都市なのです。

まさに、人類史上最速で成長する都市「深圳市」です。

中国において1978年に始まった「改革開放政策」において、深圳市は1980年に最初の経済特区に指定され、結果莫大な外国投資を誘致し工場が建設され、まず多くの出稼ぎ労働者が深圳市に集まり製造業が急速に発展し、その後IT産業、金融業などありとあらゆる高度経済成長に必要な企業媒体が集積し、あっという間に世界最大のスタートアップ、金融資本、製造業の集積都市となりおおせたわけです。

近年は政府主導で新興事業発展に力を入れており、ハイテク産業、金融業、物流業なども成長しており、世界中からスマートフォンやPC関連商品などが集まり、深圳市の中心部には1万店舗以上の電気店・パーツ問屋が集中する、まさに秋葉原の十倍以上とも言える電気街が存在するに至りました。

まさに、世界でも類を見ないほどの爆速で発展した電脳都市「深圳市」です。

いまだに、既存のマスコミでは、深圳市、の圳の字が常用漢字ではないので、深セン市(センは土へんに「川」)などという涙ぐましい努力で無理やり表記しておりますが、これは却って深圳市に失礼なばかりか、思い切りミスリードな報道だと思いますので、このブログ記事では、すっきりと深圳市に統一しています。

そんな中国の世界都市、深圳市が海外から優秀な人材を招き入れるためと称して、個人所得税を一律15%に優遇する政策を発表したわけです。

中央政府が優遇策を考えるべきだという通知や、民間巨大企業(中国共産党との結びつきも殊の外強い)ファーウェイの創業者、任正非からの「優遇策が必要」といった側面支援発言もあり、わずかな期間で検討して発表した、その「国家資本主義的」手法に世界の大都市も驚き、そしてこれを機会に他都市でも所得税優遇政策が取られて本格的な国際都市間競争の幕開けになると見るマスコミの評論も喧しく(かまびすしく)なってきています。

現在、中国の個人所得税は7段階に分かれていて、最高税率は45%となっています。

そして、「所得の全額」に税率がかかるのではなく、段階的に決められた税率を乗じて、納税額が決められます。

すなわち、月給8万元以上になると、その「超えた分」に対して45%の所得税がかかり、月給10万元(1元=15円で計算して月収150万円)の(高額所得者)場合、手取り金額はだいたい7万元程度という計算になります。

日本の最高所得税率は40%、米国は35%であり、英国は基本所得税率が20%、ロシアは13%ということを考えると、中国の所得税率は高く、特にIT企業などで高給をもらって働く人にとっては負担が大きくなっています。

これは、ある意味「衡平な」面もありまして、所得が低い人には低率だが、収入が上がれば上がるほど税負担が大きくなっていく仕組みでもあります。

しかしながら、こうした個人所得税(金持ちから負担を求める)ことにより、国際的な人材を中国に引き寄せることでは不利になっていた、という別の面もあるのです。

今回の深圳市の試みは、これを一気に15%まで引き下げ、海外から優秀な人材を呼ぼうというものです。

税率を下げても、こうした高度人材の給与や報酬が激しく上昇するならば、「税率」の低さをものともしない「税額」の多さが実現し、この深圳市の「戦略」が功を奏するかもしれません。

これぞ、まさに高度人材を獲得したい各都市の国際都市間競争のゴングが鳴ったといえるのではないでしょうか。

個人で一旗揚げたい方、ぜひ世界都市深圳にご注目ください。

所得税率より、まずは売れないブログを見直すなりして「所得額」の方を上げることを気にした方が良いと思われます筆者からの配信記事は以上です。

(2019年8月23日 金曜日)

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(2019/08/15)我々の知っている多様なアジア諸国家の自由と権利と経済を守りたいので香港には頑張って欲しいと思って書きました