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2019年7月18日

大阪発の訪日外国人旅行会社のフリープラスが全ての会社の意思決定を社員自身に委ねる体制に進化したという話です






おはようございます。

大阪発の訪日外国人旅行会社のフリープラスが全ての会社の意思決定を社員自身に委ねる体制に進化したという話です。

会社法に定められた最低限の制約を除く全ての決裁権限を、その業務に従事している社員自体が100%持つという体制に移行したのです。

一般に、組織における意思決定については、意思決定したいことの軽重に応じて、部長や支配人といった管理職権限者の決裁が必要になったり、さらに大きい意思決定の場合には、複数部門の長を集めた合議体で決定したり、さらには会社における重要な意思決定であれば取締役会や各種の委員会が必要になるというのが普通です。

しかしながら、こうした決定の「重み」を持たせるために行う組織体になんらかの意味が本当にあるのでしょうか?

もちろん、より正しい会社としての意思決定をするための、仕組みは必要だと思います。

でも、その仕組みは、決める機関を決めるのではなく、決めるための「プロセス」を決めるべきだと思うのです。

そうして、このフリープラスという会社は、簡単かつ強力なルールを作りました。

0:何か「意思決定」したいことができた

1:その「意思決定」に関わる専門部門と、その「意思決定」によって影響を受けるメンバーに助言を求める(助言プロセス)

2:助言を求められたメンバーは、自己責任100%として躊躇なく率直な助言を行う

3:助言を受けとめ、たとえ全ての助言が反対意見であっても、その上で100%自分で決めることができる

これは、例えば「助言プロセス」において、意見を求めた3人のうちの3人全員が、「あなた、それはマジでやめてください」と言って完全に反対したとしても、それでも、なんら影響なく決めることができる、というか会社の存在意義に合致することであれば、躊躇なくそう決めることが求められる、ということです。

全てを社員自身が自分で意思決定ができますが、メンバーは、自分のエゴを超えたことを目的として意思決定をする必要があります。

それこそが、会社の、個人の、要するに己の「存在目的」 と呼んでいるそうです。

つまり、これからやろうとしている意思決定は、我々の存在目的に資するものなのか、そうだと確信できる意思決定ならば(いくら反対されても)どんどんやっていかなければならないのです。

そう突き詰めた結果、同社は、階級を廃止し、給与含めたほぼ全ての決定権限を社員自身に委ねる「ティール(進化型)組織」と呼ぶ体制に移行したというわけです。

フリープラスは訪日外国人観光客を対象に旅行手配事業やホテル業を手がける大阪本社の会社です。

博多にもホテルを開業しました。

今回の組織移行により、会社法に定められた「取締役」などの役職を除く原則全ての階級を廃止し、社員給与や事業計画の策定、出張や採用といったあらゆる決定を社員自身で下しています。

そして、給与も会社の業績や他社の基準額などの指標をもとに、四半期ごとに自主決定します。

そして、給与の予定額は社内でスマホアプリで公表され、他者から意見を受けた上で最終決定します。

同社の、須田代表取締役自身は助言を受けた社員からの意見を入れ、月給をこれまでより大幅に低い44万円に設定したそうです。

これで、意思決定権者が明確になりましたから、責任逃れ、という組織の悪弊もなくなりました。

責任の所在が曖昧になることは、意思決定が曖昧だからであることが原因です。

こうやってしまえば、責任の所在は明確です。

そして、責任を追求することはありません。

会社の、個人の存在目的に沿って行なった意思決定であるからです。

責任が問われるのは、この存在目的に反した時に限られるはずで、そうして存在目的に反する意思決定が行われるようになるのであれば、その組織は意思決定の方法論ではなく、存在意義そのものが曇っていてそこからやり直さなければならない、という意味だと筆者は拝察しています。

当然、実際の運用に課題も多いかもしれませんが、あきらかに組織の風通しはよくなります。

会社の経営側の、社員に権限を丸ごと移譲するという覚悟と、社員への信頼があれば、必ずどこでも実行できると思っています。

この会社の社員になるためには、この会社の意思決定の仕組みを説明して理解してもらうことが非常に重要なプロセスになります。

指示待ちに慣れてしまった人には、残念ながらこの会社は向かないでしょう。

筆者も独立して創業する時には、このような会社を作ってみたいと思います。

いついかなる時であっても、己に恥じぬ戦いをなされませ。

須田代表取締役の月給44万円と同じ、当年44歳のこちらからは以上です。

【フリープラス会社概要】

資本金=7億1502万円
売上高=42億円(2018年12月期)
従業員=351人(アルバイト236人を含む
設立=2007(平19)年6月
代表取締役=須田健太郎

(2019年7月18日 木曜日)

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