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2014年3月29日

2014年3月時点で木造高層建築はここまで来たという話をしました


スイスにある木造6階建て住宅



おはようございます。

2014年3月の木造高層建築に関する配信記事です。

現在の日本では、木造で原則何階建てまでの建物が建てられるでしょうか。

答えは3階建てまでです。

建築基準法施行令第129条の2の3に、「主要構造部を木造とすることができる大規模の建築物の技術的基準等」という一節があり、まずイの一番に「地階を除く階数が3以下であること」と定められているのです。

これをクリアするには、個別に原則を覆していくしかなく、木造であろうが1時間耐火、2時間耐火の性能要求が出てくるのでこれまでは難しいと言われてきました。

しかし、新技術の発達により、この制約をクリアできる目処が立ちつつあります。




木造高層建築における最終兵器その名はCLT




木造高層建築への最終兵器とも言える技術革新が起こっており、具体的にはCLTといいます。

Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、欧州で開発された工法ですが、板の層を各層で互いの筋を直交するように積層接着した厚型パネルで、軽くコンクリート並の強力な剛性を誇ります。

発想は知ってしまえば簡単なもので、一般的な集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向に張り合わせるのに対し、CLTは、繊維方向が直交するように交互に張り合わされるものです。

これだけで驚きの性能を発揮します。

さらに耐火性能を付与することも技術的に可能になっています。

そもそも木は、ある一定上の温度に達すると全体が曲がって(溶けて)しまう鉄骨に比べ、表面が燃えた場合「炭化」するので、炭化した部分が覆いとなって中の芯部分を守るのです。

燃えしろ層の木材は確かに燃えますが、燃えながら炭化し、炭となった覆いは中の木材を二重に守るというわけです。

まさに肉を切らせて骨を断つ発想です。

そして、CLT集成材に石膏ボードを貼り付け、その部分を燃え止まり層として中の核(コア)となる木材を守るとともに、その上にわざと燃える「燃えしろ層」として集成材を貼り付けるという合わせ技で、2時間以上の耐火性能を発揮するという技術革新も進んでいるのです。

しかも軽くて加工しやすいと来ています。

まさにスーパー素材です。

この、「耐火性能を備えた強靭なCLT集成材」という素材を使えば、古来から地震による火災被害に悩まされてきたわが国(江戸の大火や関東大震災など)における木造建築の復権が期待されるのです。

ビルメンを生業とする筆者の管理するビルも、鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造のものばかりですが、今後はイケてる木造建築の本社ビルやテナントビルなども管理してみたいと思っています。

たまにはブログ説明のビルメンに関係する記事を書かないといけませんよね。

高校時代は山岳部だったという意外な経歴の筆者からは以上です。

(平成26年3月29日 最終更新:平成28年3月29日 火曜日)