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2015年5月17日

2015年の地方政治の大きな節目であった「大阪都構想」概要顛末

政令指定都市




おはようございます。

2015年5月の地方政治状況をお伝えする記事です。

2015(平成27)年5月17日(日)に大阪市を廃止して特別区に移行するという是非を問う住民投票が行われます。

その結果が出る前に本件を書いておりますが、ここでは、そもそも都構想とは何かをできるだけ中立的に歴史を踏まえて書いておこうというものです。

大阪都構想は、政令指定都市としての大阪市を廃止し、その領域に東京23区と基本的に同権限の特別区を設置するという構想で当然現在の東京都を参考にしています。

そして、東京都の始まりは1943(昭和18)年、第二次世界大戦下において戦時総動員体制を強めるために、首都と皇居がある道府県であった東京府と首都である東京市を同時に廃止し、東京都として一本化したのが始まりです。

実は都庁の所在地は新宿区の新宿なのですが、地図では便宜上東京と表されていまして、鎮西九州の出身である筆者などは最初かなり混乱しました。

東京都庁は新宿にあり、東京駅は千代田区丸の内にあるのです。そして東京駅と新宿駅は中央線で約15分もかかるという距離感です。

つまり東京で東京などと呼んでいるのは田舎の人だということです。




本論の大阪都構想の話に戻します





という脱線はこのくらいにしまして、いわゆる「特別区」は東京23区のみ、そして、まぎらわしいところですが全国に20ある政令指定都市の「区」というのもありますので違いを説明します。

東京都の特別区(いわゆる東京23区)は、「市町村と同様に独立した地方自治体」として扱われているので、その長である区長は公職選挙法に基づいた選挙によって選出されます。

そして、区長の地位職務は、基本的に市長のそれが適用されます(地方自治法第283条)。

続いて、政令指定都市の「区」ですが、これは政令指定都市のあくまで内部的な行政区割にすぎません(地方自治法施行令174条の43)。

はっきりいいますと、行政区である「区」は東京23区の特別区とは異なり「独立した地方自治体ではな」く、区長という名はありますがその政令指定都市の市長の補助機関たる職員の中から市長が選出した地方公務員の中の一般職員であり、選挙により選出されることはないということになります。

大阪市は、日本最大の政令指定都市のうちの一つでありますが、今般この政令指定都市制度の枠を飛び越え、一気に首都東京と同様の行政機構を目指したというわけです。

現在の有力な案として、大阪市を5つの「特別区」に再編し、それぞれに中央区、北区、東区、南区、湾岸区(時計回り)といった簡素な名前をつけるといったことが取り沙汰されていますが、今回の住民投票は具体的な案の前に、まずは特別区への移行を認めるかという点に絞られています。

ちなみに、域外素人の感覚であれば、大阪市の人口270万人に一人の市長、という構図はどうしても「過大」であろうと思われます。

一方、そもそも大きな権限のある日本最大規模の政令指定都市の市長が、わざわざ自らの権限を手放し、5つの人口50万弱の特別区に権限移譲するという構想であり、そうそうこのようなことを為そうとする人が当の市長に出るというのは稀有なことだとも思います。

現市長の大阪維新の会代表である橋下氏は、市長の権限を捨てるために大阪市長になったと公言しており、自身の政治進退をかけているというわけです。

大きく数百万人を巻き込む運動になった今回の結果を、注目して見守りたいと思います。

全国20ある政令指定都市のうち、実に3市に住んだことがあり、残りも全て行ったことのあります地域マニア兼渡り鳥の筆者からは以上です。

*大阪都構想はその後の住民投票で否決されました。

(平成27年5月17日 日曜日 最終更新:平成28年5月27日 火曜日)