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2015年5月31日

「会社再建は人の意志」米国同時多発テロで本社と従業員を根こそぎ奪われた会社再建の話

Howard W. Lutnick
Chairman and Chief Executive Officer of Cantor Fitzgerald
(同社ホームページより)



おはようございます。

2015年5月最後のビルメン王(@shinya_ueda)提供のブログ配信記事です。

困難は分割せよ、を過酷な場で実践した偉人の話です。

「ライフワーク」をやっている自称ビルメン王の筆者としても、いつか絶対書きたかった話ですので今日書きます。

航空機等を用いた4つのテロ事件の総称である2001年9月11日の米国同時多発テロで、最初のテロ攻撃を喰らった世界貿易センタービル北棟の101階から105階にオフィスを構えていた、米国証券会社、債券売買の有力仲介会社でその分野では5割を超えるシェアを持つと言われた証券会社のことです。

「9・11で従業員658人を失った米証券会社キャンター・フィッツジェラルド」として世界に知られることになります。

同社のハワード・ラトニック会長兼CEO(Chairman and Chief Executive Officer、会長兼最高経営責任者)は、幼稚園に入園初日の息子を送るため、園の建物に入ろうとしたところで旅客機が本社のある貿易センターのビルに突っ込んだことを電話で知らされました。

即座に現場に駆けつけ、現場の前で手当たり次第に人を捕まえて何階から降りてきたかを聞いたそうです。

しかし、92階が最上階の人だったとのことで、同社従業員960人のうち、その際にオフィスに居合わせた658人全員を失うという壊滅的な打撃を受けたのです。




会社閉鎖か再建か





ラトニックCEOは、即日「残った」全社員に向け会社閉鎖か再建かを問い、全員一致で再建を、死に勝る困難を選んだのです。

本社オフィスは全壊し消滅、居合わせた全員が亡くなり、コンピュータシステムも全て失いました。

一日最大30回の葬儀に1ヶ月連続で出席するという想像を絶する困難の中、支社の社員の奮闘で9月19日には会社再建の計画をつけたということです。

会社再建の当初の最大の目的は遺族の支援、会社を再建しその利益で救済資金を創設し、遺族を支援しその悲しみを少しでも慰めることでした。

再建当初より何とわずかながらもその期に利益を計上、その後10年で従業員数1,500人と同時テロ前の規模を遥かに超える成長を遂げ、遺族支援のための再建を見事に果たしました。

遺族の社員、すなわち22歳から24歳の若者が、かつて父母や近しい人が働き犠牲となったこの会社で働きたいと多数入社してくれたのは何ものにも代えがたい恩恵であったとラトニックCEOは語っています。

歴史は前を向いたものによって作られる、改めて人の意志の力を感じます。

犠牲になった方々の冥福を祈り、残って前を向いた方々の行動に尊敬を込めて終わりとします。

そんな偉人たちのお話は以上です。

(平成27年5月31日 日曜日 最終更新:平成28年2月23日 火曜日)

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死んだじいちゃんが生前言っていたことを簡単に一文にまとめましたので披瀝します