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2015年5月6日

不動産賃貸取引において定期借家制度はこれからのトレンドになる模様

借家




おはようございます。

2015年5月の借家に関する配信記事です。

定期借家制度が創設されて、はや15年が経過しました。

かつて、民間の強い要望により「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」と題しまして、借地借家法の一部改正がなされ、更新がなく期間満了によって絶対的確定的に終了する定期建物賃貸借契約制度が創設されたのは、平成12年3月1日のことです。

制度開始から15年、これまでの景気低迷等の環境変化から、いわゆる従来型の「普通借家契約」が主流を占めてきましたが、ようやく、大手の不動産ビル会社等が先導する形で、定期建物賃貸借も普及しつつあります。

もともと、期間満了により確定的に契約を終了することで、取引契約態様としての将来の再開発などの予測可能性を高めることが期待された制度であり、これからますますその普及により古いビルの建替えなどのストックの更新が進むことが期待されます。

もっとも、定期建物賃貸借契約は、厳格な要式行為とされ、普通賃貸借とは異なる準備が必要となります。

具体的には、「公正証書による等書面によって契約する」ときに限って、定めることができます(借地借家法第38条第1項)。

そして、この場合、貸主は借主に対して、契約の更新はなく、期間の満了とともに契約が終了することを、契約書とは別にあらかじめ書面を交付したうえで説明しなければなりません(法第38条第2項)。

貸主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家としての効力は否定され、従来型の、契約の更新のある借家契約となりますので注意が必要です。




期限が満了すると契約が当然に終了となります




これで、従来型の賃貸借契約で認められていた「正当事由」(これがある場合でなければ、賃貸人(貸主)から契約の更新拒絶や解約の申し入れができない)は必要とならず、単に契約で定めた期間が満了することにより、更新されることなく、確定的に賃貸借が終了する建物賃貸借を実現することができるのです。

そして、定期建物賃貸借契約では、賃料の改訂に関し特約をすれば、家賃増減請求権の適用はないものとされています(法第38条第7項)。

なお、契約期間が1年以上の場合、貸主は期間満了の1年前から6か月前までの間(「通知期間」といわれています。)に、借り主に契約が終了することを通知する必要があります。

ちなみに、期間満了前に、引き続きその建物を使用することについて当事者双方が合意すれば、いったん終了したその定期借家契約とは別契約として再契約したうえで、引き続きその建物を使用することは可能です。

継続的に不動産(建物)を利用させ、継続的に賃料を受け取るという賃貸借契約の形を、できるだけ事前に明確にしておくための定期借家制度、賢く利用してよりオープンな不動産取引が広がることを期待したいものです。

いちおう不動産業者の筆者からは以上です。

(平成27年5月6日 水曜日 最終更新:平成28年5月6日 金曜日)

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