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2016年5月18日

日本プロ野球に本格的に導入されたいわゆるコリジョンルールについて

捕手受難の時代か




おはようございます。

2016年5月の記事です。

久しぶりにプロ野球の話を致します(長くなります)。

2016年シーズンから導入されたコリジョンルールについて、微妙な判定が早速生まれました。

コリジョンとは衝突という意味で海外で使われたもので、日本プロ野球規則において、本塁での捕手(捕手に限らず三塁手や投手の場合もあるがとにかく守備側)ブロックについてのルールについて下記のように制限が設けられました。

(1)走者の捕手への体当たり禁止。

(2)捕手の走者へのブロックやその走路を塞ぐことの禁止。

(3)送球が逸れた場合にやむを得ず捕手が走路内に進入する場合は許されるが、走者と激しい接触を避ける努力をする。

(4)悪質で危険な衝突と判断した場合は、該当選手に警告を与えるか、退場処分とする。

そもそも、これまでの野球では、本塁でブロックして待ち構える捕手に対し、三塁走者が激しく当たったりかいくぐったりしながら本塁を狙うクロスプレーはむしろ野球の醍醐味といった風潮もあり、捕手は激しいタックルを食らってもボールを落とさないのが美徳、といった感覚もありました。

しかしながら、本塁上の激しいクロスプレーの結果、走者捕手双方に選手生命を脅かすような大きな怪我が出てくることに鑑み、危険なプレーを避け選手を守るべきという議論が巻き起こり、その結果、本塁上のタックル禁止、及びボールを持っていない捕手が走者の走路を確保することを義務付ける形で、メジャーリーグでは2014年シーズンから導入されたものです。




そもそもの制度趣旨は選手(捕手)のけがの防止




というわけで、このルールの制度趣旨は、選手(特に捕手、そして走者)の怪我の予防だったわけです。

意図的で、悪質かつ怪我に直結する体当たりや接触を防ぐのが目的です。

しかしながら、2016年5月11日に行われた阪神巨人戦において、素晴らしい本塁捕殺が覆されてしまうという恐れていた事象が起こってしまったのです。

巨人1点リードで迎えた三回2死二塁の場面です。

巨人打者脇谷選手が阪神投手メッセンジャー選手の変化球をとらえた打球が中堅左へ飛ぶと、これにダッシュで好捕した阪神センターの大和選手が、ドンピシャの本塁好返球をします。

阪神の捕手原口選手(ちなみにこの選手は育成から這い上がった今注目の選手です)も負けずにワンバウンドの返球をうまく処理し、しかも巨人の三塁走者小林選手のスライディングの走路をきちんと空けて捕球し、間一髪のタイミングでタッチアウトにしたのです。

年に数度見られるか見られないかのスーパープレイです。

因みに滑り込んだ小林選手も見事でした。

捕手に接触することなく最短距離で本塁を突いています。

お客さんはプロのこのようなプレーを見に来ているのではないでしょうか。

審判は、もちろん「アウト」のジャッジを下したのですが、巨人側の抗議により審判団のビデオ判定と協議となり、一転原口捕手のルール抵触と走者の生還に覆ったのです。

筆者も何度もビデオを見ましたが、どうしても原口捕手のプレーが走者の小林選手に危険を及ぼしたとは見えないのです。

むしろ双方物凄くレベルの高いクロスプレーを体現しています。

ほんのちょっと送球がそれたらセーフだったでしょう、それだけ微妙ですが確実にアウトの判定だったと思っています。

少なくとも、走者のホームベースへの走路をきちんと空けている場合には、コリジョンルールの適用はないようにしてもらいたいものだと個人的には思います。

気持ちのよいプレーの判定に5分以上試合が中断し、しかも判定が覆るという状況を、ファンや観客はどのような気持ちで見ているのかということです。

スポーツ技術向上に水を差すようなルールであるならば、あまりルールとしての定めの意味がなく、見直すのは当然であるように思います。

スポーツに限らずルールの細部は制度趣旨に立ち戻って定めるように、とかつて大学の偉い法律の先生に教わった(と思う)筆者からは以上です。

(平成28年5月18日 水曜日)