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2017年5月19日

返礼品競争になりつつあるふるさと納税から降りる自治体が登場した話






おはようございます。

2017年5月の納税意識が高まる記事を配信します。

ふるさと納税制度が広まり、各地の返礼品競争も過熱しておりますが、中には、この流れに反して返礼品を送ることをやめ、そしてふるさと納税の実績がゼロになることを選択した自治体も現れました。

埼玉県所沢市がそんな決断をした自治体の一つです。

同市は、2017年4月の新年度から、これまで2年間続けてきた「ふるさと納税」に対するお礼(返礼品)を取りやめました。

そうして、2016年度までは集めていた寄付によるふるさと納税増額分を潔く手放したわけです。



返礼品競争になっている




所沢市の決断は、ともすればとにかくどこの返礼品が得かということに流れる納税者のあさましさを突いたものと言えそうです。

もともと、ふるさと納税の理念は、自分を育ててくれた、またお世話になった場所をふるさととして心に持ち、そんな感謝や応援を税金を納めるという形で示すという趣旨であったはずです。

しかしながら、お金欲しさにモノで釣って、そうして税金の総額は変わらないところを自治体間で奪い合い、余計な経費として返礼品やふるさと納税課という意味の薄い自治体の過剰行政サービスに消えるというありさまだという批判ももっともなのです。

納税者側も、ふるさとへの応援というより、とりあえずいいモノもらいたいということに夢中なだけで、本来ふるさとを応援したければ追加で寄付をすべきところ、納税する総額はほとんど変わらない(厳密にも2,000円増えるだけ)ことにかこつけて、好き放題やっているようにも見えるわけです。

そもそも限界的な地方自治体に金をすこしでも回そうとしたわけなので、大都市である東京や大阪といった自治体がよその自治体に納められるはずだった税金を奪う必要もなく、自然に救われるべき弱小自治体にふるさと納税が自然に回ればそれでよいとの判断だというのもうなずけます。

所沢市に名産がないというわけでは決してなく、こうした際限なきゼロサムの獲得競争からは一旦降りて、そうして全体の税収なり国民全体の生産性の向上にシフトした方が確かに賢いのかもしれません。

ちなみに、返戻金の目安はだいたい納税額の3割から4割といわれます。

これでは、実質の実入りが6割となり、確かに単なる所得移転にしては高すぎるメリットではないかと言えそうです。

ふるさと納税をやっている納税者のひとりでありますが、これから長い少子化時代を迎えるにあたって、ふるさと作りとは本来難しい議論だということを改めて感じた筆者からは以上です。

(平成29年5月19日 金曜日)