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2018年1月17日

給与所得者の解雇規制の緩和がなかなか進まない理由について論じてみます








おはようございます。

2018年1月の記事です。

今日は日本における働き方改革における事実上の岩盤規制になっているところの「解雇規制の緩和」について考えてみたいと思います。

解雇規制とは、労働者(被雇用者)の働き続ける権利を守るために、企業側(雇用主)から解雇を行うには非常に厳格な要件が必要とされ、事実上強制解雇は不可能となっているという事情において、例えば1年分くらいの給与と引き換えに、企業側からの解雇も認めて行った方が労働市場の流動化が進むのではないかという議論です。

現状では、たとえ企業の事業が非常に厳しくなって解雇をする必要がどうしてもある場合であっても、「解雇の必要性」「解雇回避義務を尽くしたこと」「人選の公正さ」「説明・協力義務を果たしたこと」の4つの要件をクリアしないと解雇できないというのが前例であり判例です。

個別に事業遂行能力が乏しい社員を解雇することは、事業遂行の必要にも合致しますし、解雇をされる社員側としても、自分の能力や適性に向かない企業にいつまでもこだわるよりも、別の就業機会を求めた方が社会公益的にも良いと思うのが筆者の立場となります。

しかしながら、この4要件を証明する手続は非常に煩雑で、時間がかかるだけでなく、原告の労働法令の下では、「合理的な理由かどうか」という曖昧な基準が最終的には司法判断に委ねられます。

そして、さらに悪いことに、裁判となった場合には最終的に金銭解決ができない、つまり雇用側が裁判で負けて解雇無効になると現職復帰しか方法がないという、双方にとって最も望みたくない結果に戻ってしまうのです。

喧嘩した会社に居座り続けて働き続けるということが、果たして労働者側にとっても最も良い解決手段なのか甚だ疑問です。

こうしたところで、硬直した議論をやめて、例えば1年分の給与をいわば手切れ金として労働者側に支払う(雇用側にとってもこれは痛い)ことにより、かなり自由に企業側の解雇権を認めようというのが、筆者のような労働市場流動化論者の言い分です。

こうすることにより、会社側にとって、雇用し続けるより打切補償的に1年分の給与相当を割増退職金として支払い解雇した社員がいたとした場合、そのような会社員が労働市場に出ることになり、再度その労働者によって適当な雇用主との再マッチングの機会が得られるということになります。

そして、その機会は少なくとも1年間は(以前の給与により)保証されるのです。

これが、解雇における金銭解雇というルールでありまして、これだと雇用者側も労働者側も、あらかじめ手切れ金を想定して雇用関係に入ることができるので良いと思うのです。

ちなみに、先日旭化成の小堀秀毅社長が朝日新聞のインタビュー(2017年12月7日掲載)に答える形で、「30代後半から40代前半の層が薄くなっている」と話したことが大きな反響を呼びまして、特にネット上では、就職氷河世代を採用しなかった企業側が何をいまさら、といった話題になっておりましたのは記憶に新しいところです。

今の労働関係法令は、1つの会社で働く終身雇用を大前提にしていると考えていますが、時代の変化にそぐわないものになっていると思います。

転職回数は数知れず、流木サラリーマンとして漂流を続けております筆者からは以上です。

(平成30年1月17日 水曜日)