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2018年3月22日

憲法学徒の端くれとして現代中国の終身国家主席に謹んで意見しておきます






おはようございます。

2018年3月の独裁政治に関する考察記事です。

日本の主要メディアも報じておりましたが(遅まきながら当零細報道機関でも言及しますが)、中国(中華人民共和国、以下特に断らない限り同国を指し、1911年建国の中華民国政権が事実上統治している台湾については除きます)が憲法で現在2期10年までと定めている国家主席の任期に関する規定を削除しました。

ということで、これは、2018年現在の習近平政権がずっと続いていく、ということになります。

ロシアの最高権力者、プーチン氏も、大統領に関するロシア憲法の規定に一応従い、一旦首相に「降りて」、再度大統領に再任されたという経歴を持っていますが、それを上回るレベルの、憲法から変えて自身の終身独裁制を完成させたという、憲法学徒の端くれとしてはまことに末恐ろしい事態となりました。

一体、世界は進歩したのかどうか、甚だ疑問です。

中国で、何と言っても一番の権力基盤は中国共産党です。

中国の最高権力者、習近平氏の代表的な役職は3つあります。

共産党中央委員会総書記(日本においては最大与党自民党の総裁のパワーアップ版のようなもの)
国家主席(超強力な内閣総理大臣のようなもの)
共産党中央軍事委員会主席(超絶強力な防衛大臣のようなもの)

今回、対外的にも国の顔である国家主席の任期が無期限となったということは、その権力の源泉である共産党を抑えている習近平にとっては、そのまま習近平独裁の完成ということになります。

ちなみに、共産党総書記の任期は1期5年ですが、再任が可能であるため、これも要するに自動更新契約のように、習近平が生きている限りほぼオートマチックに再任されるということになるのでしょう。

次は、始皇帝に習って(倣うという漢字をあえて使わない)不老不死でもやりますか?というレベルに達しました。

いや、この世も進歩してきていると思っていたのですが、こんなわかりやすい、第二次世界大戦前夜のヒトラーの総統就任からのワイマール憲法停止のコンボを超える歴史事象を生きたこの目で見ることができるとは思えませんでした。

国家主席ポストは1954年に設置され初代に毛沢東氏が就任しました。

要するに毛沢東独裁の色の濃い、毛沢東主義そのままの制度だったので、彼の、彼による、彼のための文化大革命(共産党内の権力闘争)の中国人民大量虐殺の反省を受けて1975年にいったん廃止されました。

しかし1982年、より時代に即した「まともな」指導者と目される鄧小平時代に復活しました。

ただし独裁者に極度に権力を集中させないために憲法上の制約として任期とその制限が設けられたのです。

以来、国家主席につく人間は、この権力への縛りを守ってきました。

しかし、毛沢東時代の再来を夢見る習近平にはただのうるさい制度にしか過ぎないのでしょう。

絶対権力は絶対に腐敗します。

このような制度を許す人民の民度にこそ真の問題があると思います。

現代の独裁政治を現出させた全人代(全国人民代表大会)の「賛成2,958票」のみなさん、よほど後の世の歴史家や国民に厳しく指弾される覚悟がおありと見えます。

「反対2票、棄権3票」を投じた方々、名前は存じませんがわが零細メディアは全力であなたたちを支持支援したいと思います。

大学でもたいして勉強してきませんでしたが、絶対権力は絶対に腐敗するという英国アクトン卿の言葉だけはきちんと教わった筆者から以上です。

(2018年3月22日 木曜日)