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2018年3月12日

他人との適切な距離の取り方についての社会的合意がなかなかできないのがしんどいと思う話

ツイッターより「おじさんLINE」講座




おはようございます。

2018年3月の他人との適切な距離の取り方に関する配信記事です。

少し前より、主に若い学生、または働く女性の間で、いわゆるしつこいおじさんから読むのがしんどい、胃もたれするようなLINEメッセージをよく受け取ることがあって困る、といった記事がありました。

いつの時代にも他人の距離感がずれていて、このようにやたら一方的に距離を詰めてくる人は、別におじさんに限らずおばさんだろうがおじいちゃんだろうが、なんなら若い人でも子供でもあるわけですが、このような少数の人たちがいて少々困っている人がいるということが広く社会に認知されてしまうと、もっとよくない影響、すなわち本来距離を近づけてほしい人たちがやたら遠巻きにしか接してこないという問題が起こってしまいます。

つまり、セクハラやパワハラといった社会問題の「認知」が、これ以上ないくらいに職場や世間に浸透した結果、多くの「健全な」「普通の」おじさんが、若い女性(男性も含む)とうまく話し合う機会がなくなりつつあるという逆の社会問題を生むというパラドックスです。

「セクハラ」「パワハラ」という言葉は、すでに社会的一般名詞として人口に膾炙しています。

そして、男性の、特におじさんと自己認識している層のほとんどは、「自身の行動は全てセクハラだと指弾され批判される可能性がある」と認識せざるを得ない状況になっています。

何しろ毎週のように新潮や文春といった週刊誌にその手の話は載っていますし、#Metoo運動による大物著名人への告発といったネット社会を味方につけた運動も急速に高まり、これまで不当な待遇を我慢してきた(多くは女性の)芸能人の言葉を見ない日はないという状況です。

言葉や行動は、匿名性や時間の経過による忘却といった逃げ道を失ってしまいました。

「私や妻が関係していたということになればこれはまさに私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」

と約1年前に述べた言葉が繰り返し動画でアップされ、テキスト文字として駆け巡る世の中なのです。

そういうわけで、立派な中年おじさんであります筆者などの自己防衛手段としては、若い人たち、特に若い女性に対しては、「連絡の回数や接触は必要最低限にとどめ、かつオープンな場所で行い、セクハラパワハラなどと微塵も誤解をされないようにいわば木で鼻をくくった言動に終始しよう、なんなら直接話すのもやめてチャットで要件を伝えるだけにしよう」とするのが自然な行動になるわけです。

これは、おじさんおばさんと若い人たちとの間に横たわる、徹底的な「溝」になっています。

今の時代に、嫌がっているのに二人で飲みに行こうとしつこく誘うそんな典型的な昭和サラリーマンが多数派を占めるとは思いません。

しかし、社会にセクハラパワハラの「極端な」事例が蔓延してしまったことにより、普通の善良なおじさんが若い人に普通に連絡を取ることが非常に難しくなってきた、これは間違いないと思います。

どうも逆に生きにくい世の中になったのかもしれません。

こうなれば少子化高齢化まっしぐらじゃないでしょうか。

人の接触が減れば子供が少なくなるのは道理です。

みんなが目指したセクハラパワハラのない社会、どうも抑止効果が効き過ぎて、これではもっと前の高度経済成長期の終わりに言われた、

ビルの谷間の 川は流れない 
  人の波だけが 黒く流れて行く♪

あなたがいれば 
  ああ うつむかないで 
  歩いて行ける この東京砂漠♪

(唄:内山田洋とクール=ファイブ)

みたいな情景に戻ってきてしまったのかもしれません。

結局、セクハラとかパワハラとかに限らず、こうした社会問題の本当の解決策は、互いに誤解をされない程度の距離をたもつというコミュニケーションスキルの問題に過ぎないのではないかと思っています。

したがって、本稿の結論としては、

「こちらの心情を理解しようともせず、ひたすら距離を詰めてしつこく絡んで連絡をしてくるしんどい人」が、「適切な距離」を取ることができるようなスキルやノウハウが巷に広がることを期待したい、というところになります。

何事も、あまりにも神経質で、過剰とも思える対応をしてしまうと、却ってそのこと自体が人を傷つけてしまうことがあります。

これも、距離の置き方が適切でないことから起こっているのだと思います。

人間同士の心地よい距離感をつかむのは大変難しいところですが、適度なトライ&エラーで男性だろうが女性だろうが、とにかく「自然な人付き合い」ができるようになっていくのが理想です。

自分が忖度されたくないから上司には絶対忖度しないことをポリシーとしていきたい、「健全な」「普通の」おじさんではない距離感ゼロの筆者からの意見は以上です。

(平成30年3月12日 月曜日)