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2018年6月21日

GE(ゼネラル・エレクトリック)がダウ平均株価構成銘柄から外れる日がやって来ました






おはようございます。

世の儚さ、および栄枯盛衰というものを感じる2018年6月の配信記事です。

ついに、落日です。

米国最強幹部企業、強烈研修企業の名を欲しいままにしていた、あの発明王エジソンが創業した米国ゼネラル・エレクトリック(GE)がダウ工業株30種平均の構成銘柄から外れることになりました。

代わりに構成銘柄に採用されるのは、フェイスブックという噂もありましたが、GEがヘルスクケアに注力していることも影響しているのでしょうか、ドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが昇格します。

GEは昨年2017年7月末、2001年9月から約16年間、最高経営責任者(CEO)を務めてきたジェフ・イメルト(当時61歳)が退任し、後任のCEOとして、医療部門のトップを長く務めるジョン・フラナリー(当時55歳)を充てる人事を発表しました。

その後の同社株価の下落ぶりは激しく、これはどうしてもヘルスケアという世界的、特に先進国に顕著な人口増加に次第に鈍化が見えている市場にしか活路が見出せない同社に対する容赦ない不支持の結果なのかもしれません。

皮肉なことに、イメルト氏のCEO末期においても、この成長鈍化の懸念から株価が低下していましたが、新CEOになってからその傾向に拍車がかかったようです。

就任1年弱、現在のCEOフラナリー氏にとってはまさに正念場の経営が続きます。

筆者が社会人になった頃は、GEはイメルト氏の前任のCEOである、ジャック・ウェルチという「強烈おじさん」が幅を利かせていまして、当時はナンバーワン・ナンバーツー経営で時価総額トップの名を欲しいままにしていました。

相当のビジネスマンや幹部が、ジャック・ウェルチの著書を読みましたし、さらに、後任のCEOをどのように選定したか、そしてジェフ・イメルトに地位を譲った際に同じくCEO候補に見立てていた他の2人(この2人の方がGEにおけるキャリアもあり年長であった)を社外に出すためにクビの宣告を与えた、そして2人ともGEに並ぶくらいの名門企業のCEOとして転じていった、といった評伝を見るたびに、素直に凄いと感じていたものです。

そんな筆者のような昭和生まれの中年ビジネスマンの感慨をよそに、世界は凄い勢いで動いています。

GEを世界最強企業にしたジャック・ウェルチのあとを受けたジェフ・イメルトは、米国の2001年同時・多発テロや2008年のリーマン・ショックなど度重なる経済危機に見舞われたものの、事業の選択と集中を進め、GEの革新を常に進めてきた名CEOでした。

そして、2015年にはGEは金融事業から実質撤退を決断し、一方で、「インダストリアル・インターネット」と呼ぶデジタル技術を活用した製造業の革新に取り組んでいました。

しかしながら、結果から言えばアマゾンやグーグル、フェイスブックといった巨大なプラットフォーマーの台頭による収益と存在感の低下には抗することができませんでした。

代わりに株価が低迷し、いわゆる物言う株主であるアクティビストたちからの圧力を受ける、事業の大幅なリストラを要求される状況です。

こうした混乱による、株価低迷による時価総額の減少が直接の引き金となりまして(ダウ平均には最低価格銘柄であろうとも最高価格銘柄の時価総額のおよそ10分の1以上あるべきとされるルールがある模様)長く構成銘柄として採用され続けたGE株についても、ついに一旦区切りがつけられることになりました。

栄枯盛衰、盛者必衰の理りです。

これでダウ平均が作られた1896年当時のオリジナル銘柄(12銘柄)は全て消滅したことになります。

変わり続けることの難しさを感じます。

GEは過去一度構成銘柄から除外されましたが、1907年に再び採用されてからは110年以上構成銘柄の座を守ってきた、と経済史の教科書に記しておきたいと思います。

ジェフ・イメルトがCEOに就任した45歳に近づいているものの、成果としてはイメルトに直接会ったことがあるという友人を持っているくらいのネットワークにとどまる筆者からのコメントは以上です。

(平成30年6月21日 木曜日)