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2018年6月12日

仮想通貨の仕組みに根本的な脅威であった51%攻撃問題が現実に起こってきたという話です






おはようございます。

2018年6月の仮想通貨界隈に関する配信記事です。

仮想通貨に新たな、というか前から言われていたところの問題の一つ、いわゆる51%問題が現実に起こってきたという話をします。

この51%攻撃により、実際に被害も出ていることから、このところの仮想通貨市場は非常に軟調に推移しています。

特に、まだまだ市場流通量の少ない、アルトコインと言われるマイナーな仮想通貨においては、その「通貨全体」の取引履歴をブロックチェーンという仕組みを用いて「システム運営主体でもある市場参加者全体」で正確に担保していこうという思想を逆手にとって逆用する、いわゆる「51%攻撃」の危険性が言われてきました。

すなわち、過半数のシステム運用のパワーを、単一の採掘者(マイニングする人、すなわちマイナー)が一時的にでも得ることができれば、他の全ての取引を優越する自分だけの取引履歴を、「事後」正しいものとして上書きすることができるというわけです。

すなわち、一気に所有する仮想通貨を売りまくっておいて、そうして代わり金を受け取っておきながら、事後、51%攻撃で生成した「売っていない」取引履歴を正式の取引履歴に上書きします。

こうすると、売った代金を手に入れておきながら、売ったはずの仮想通貨も攻撃者の手元に突然復活するというわけです(取引履歴が書き換えられたので)。

ブロックチェーンの仕組み上、架空だろうが正式だろうが、連続したブロックの長さが長い方が「正しい」ブロックチェーンだと認識するようになっているのです。

そのため、悪意の攻撃者は、その攻撃の最中に、他の採掘者を圧倒する演算処理パワーをその仮想通貨の採掘に一挙に投入し、一時的に、その世界の過半数(51%)の処理能力を握ったものと思われます。

そうすると、市場の過半数の採掘者「たち」(本当は単一)で生成された、より長くブロックが繋がるこちらの取引履歴のほうが正しいと見なされ、これまでの取引履歴(本当の取引履歴)は採用されない=上書きされてしまう、ということなのです。

ブロックチェーンの仕組みは、中央演算センターといった集中処理の仕組みを持たず、いわば市場参加者が広く世界中に散らばり、取引記録を扱います。

そうして、その中の多数で生成されたブロックの方が長くなるから、その正確性が担保されるというものなのですが、その市場のうち、一時的にでも嘘つきである攻撃者が過半数、すなわち51%のパワーを持って参加してしまうと、その世界はその嘘つきの自由に、その支配下に入ってしまうということなのです。

こうして、仮想通貨の交換所に法定通貨を二重払いさせるという手口での被害が続出しました。

現時点での最も被害額が大きいのは「ビットコイン」から分裂した仮想通貨「ビットコインゴールド(BTG)」のようです。

2018年5月16〜19日に51%攻撃を仕掛けられ、海外の仮想通貨交換所が約20億円の被害に遭ったとのことです。

桁が違います。

BTG以外にも、日本で生まれた「モナコイン」、匿名性の高さをうたう「Verge」といった仮想通貨が5月までに51%攻撃を受け、それぞれ推定で約1000万円、約2億9000万円の被害が出たと報じられています。

同じく、6月3日には「ZenCash」と呼ぶ仮想通貨が新たに被害に遭うなど、同攻撃は今も断続的に続いている。

今もどこかで、かようは動きがあることでしょう。

さらに、この手の攻撃の悪いところは、未遂という概念がないことです。

すなわち、殺人にせよ窃盗にせよ、犯罪行為を行ったものの未遂に終わったという場合も処罰の対象とできますが、この仮想通貨のマイニングという行為に参加することそれ自体は、なんら処罰の対象とはされず、攻撃者は51%攻撃が成功するまでやりたい放題、未遂は全く処罰されない、むしろ意図してやっているかやっていないかすらわからない、ということの方が問題です。

ビットコインの市場拡大とともに、仮想通貨の「採掘」に特化した高速処理コンピュータ群を運用するという巨大な採掘ビジネス(マイニング)というものが勃興しました。

その、強力なコンピュータの力を使えば、流通規模が小さいアルトコインであれば、いとも簡単に51%以上の力を一時的にでも保有し、かような操作ができるという世の中になり、それが実際に被害という形で現れることになってきました。

ブロックチェーンという仕組みそのものに内包するこの問題を、どのように解決するのか、これもこれからの人知のなせる技なのかもしれません。

自分の持っている仮想通貨も下がったことを今更ながら気づいた、けれど記事が書けたからいいやと思う筆者からのコメントは以上です。

(平成30年6月12日 火曜日)