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2018年7月30日

テクノロジーの進化は素晴らしいですが策士策に溺れることにならないように注意したいという話です







おはようございます。

2018年7月のテクノロジーの進化とそれに関する人間の反応に関する配信記事です。

筆者の職場の近く、というか同じ施設の中には、長らくマクドナルドのお店がございます(最近改装オープンしました)が、そのお店は、カウンターごとに人が並ぶ、いわゆる原始的なパラレル並びに終始しており、公平性に勝ると思われるフォーク並びを頑なに拒んでおります。

ファストフード店、という業界の草分けという存在なのに、どうしてこうなるのでしょうか。

もちろんフォーク並びをやっている他のマックのお店もあると思いますが、例えばもっと都心の繁華街のマックでは、明らかにフォーク並びは忌避されているようなのです。

他の、日本発祥のサービスであるコンビニエンスストアチェーンにおいては、セブンもローソンもファミマも、みなフォーク並びを行っていますが、この違いはどうして起こるのでしょうか。

結論を先に述べますと、都心で繁盛していてお客の来客頻度が非常に高い店、しかも店内は賃料の関係から利用する人に比べて非常に狭い店であればあるほど、実はフォーク並びが効率的ではない、というのが応用数学の世界での待ち行列理論では確立されているらしいのです。

すなわち、フォーク並びとは、時間当たりの総処理量(一人一人の効用ではない)であるスループットと呼ばれる効率性尺度を若干犠牲にしたうえで、先に並んでいる人が、後から並び始めた人が先に窓口に到達するというストレスを無くすことを徹底するというシステムであるということなのです。

時間当たりの総処理量を、総体で短縮することを素直に考えれば、フォーク並びなどという「手間」をかけずに、ひたすらパラレル並びを行えばよいのです。

複数の窓口がありますが、窓口からフォークの根元の人に向かって「こちらの窓口にお越しくださいー」と呼び掛けてきてもらうという「手間」がなく、各窓口はその最大効率で持って業務を処理します。

もちろん、処理速度の速い窓口と相対的に遅い窓口はあり、また並ぶ客の方も、注文が速い顧客と比較すれば遅いお客がいるでしょうから、その組み合わせで個々の顧客が窓口にありつける時間には差異(ボラティリティ)が生じるのは仕方のないことです。

しかし、全体の処理速度としては最も早くなるのです。

反対に、フォーク並びの場合、窓口が空いてから次の人がくるまでの時間、窓口は仕事をしていないという、待ち時間が生じてしまうのです。

これは致命的です。

例えば、注文1件あたりの処理時間がわりに短い単純作業の場合であれば、これは無視できない暇時間ということになり、例えば、窓口処理に60秒かかる業務の場合、歩いて窓口にたどり着くまでの時間平均が仮に10秒とすると、これだけで業務時間が1/6、すなわち16.7%も増えてしまうということになってしまうのです。

しかも、フォーク並びは、フォークの根元から各窓口へ個々人が向かう「スペース」を必要とします。

フォークなんだから当たり前なのですが、ここも人が並ぶことに使えてしまうパラレル並びの方が、実は店内に人が整然と並ぶことになり、非常にすっきりするという効果もあるのです。

もちろん、筆者のような、焦りのない、ぬぼーっとしていて待ち行列の横の人の方が先に行ったとしてもそれはそれで自分のこととは直接関係ないと達観している者ですら、場合によってはフォーク並びの公平性、すなわち先に並んだ人から順番に窓口に到達できる、というシステムは日本人的で好むものではあります。

しかし、全体の処理速度を上げたい、と考えた場合、フォーク並びにするためのコストや時間がどうしてもかかってしまう、ということは知っておいて良いことだろうと思います。

フォークでパスタを食べるのが苦手で、やっぱりお箸で食べてしまう日本人的な筆者からの記事は以上です。

(平成30年7月30日 月曜日)