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2018年7月22日

何事も始めるより終わらせる方が大変で体力を使うという一般的な話をいたします






おはようございます。

2018年7月の何事も始めるより終わらせる方が体力を使うという配信記事をいたします。

進学とか就職とか結婚とか、家の購入とか、人生においては非常にその後を左右する大きな決断をすることに迫られることがあります。

そうした時に、「そうしない」という決断をすることは割と容易なのですが、一旦、そうした決断をした後、しばらくやってみてやっぱりこれってちょっと合わないよな…、と思ったところで「辞めること」については非常なエネルギーが必要になってまいります。

例えば、退職です。

会社辞めるだけなのですが、これは結構大変です。

筆者が最初に辞めたのは、2003年6月当時のみずほコーポレート銀行(2018年7月現在のみずほ銀行)という名前の銀行業をやっている会社でしたが、正直退職が組織的に決まるまでにかなりの自分の内心の葛藤があったのは事実です。

そして、直属の上司の課長代理に退職の意思を伝えて、課長、次長、部長、そして人事にも同じことを伝え、同じこと、といっても「退職します」の一言ではなんとなくダメで、どうしてそのような決断に至ったのかをそれぞれが聞きたがり、どこへ行くのか転職するのか、ということを面談する上司以外の周りの同僚先輩後輩にも非公式に聞かれ、個別に飲みに行き、内々に後任者が決まり業務の引き継ぎをして、そして退職日には終礼時に一緒にやっていたみなさんに対して惜別の挨拶をするという、そのようにかなりのエネルギーが必要でした。

別に距離的物理的業界的にごく近くの会社に転職するだけで、地球の反対側や宇宙の果てに出向くわけではないのにです。

そして、残った有給を1日も消化せずに、次の職場に翌日出社して行く、というような状況だったのです。

本来ならば、職場が変わるという人生の割と節目であることから、有給も消化したいし新しい会社での出社日から逆算して心身整える準備期間なり少しは欲しかったのですが、当時は平成15年とまだまだ時代は昭和の労働慣習が色濃く残っておりまして、そんなことは叶いませんでした。

辞められただけで、ラッキーといえる、そんな時代だったのです。

正直、辞めるだけなのでもっと簡単にできるはずです。

しかしながら、特に昭和生まれの筆者世代(2回目の成人式を迎えている程度以上)については、なんだか会社は辞められないという妙な勘違いをしている人が意外と多く、そこまで思い込んでいなくても、忙しいので辞められない、とか辞めるのは裏切りかといった罪悪感が先に来て、どうも重苦しい感じがするのです。

では、退職を決めたらあとは弁護士に任せて、そして会社との交渉を全て弁護士を通じて行う、という方法もありますが、費用面等を考えるとそこまでやることは気乗りしない、ということになってしまうし、いきなり弁護士を立てて「交渉」するなどそれこそ会社に与えるインパクトが大きすぎる、こちらは淡々と退職して次に行きたいだけなのに…、という退職潜在ニーズに対して、最近では「退職代行サービス」なる、交渉を全くしなくて単に会社の窓口になってもらうというサービスが始まり注目されています。

初回の退職については基本料金5万円(正社員の場合)。

そして、2回目以降の同サービスを利用した退職については、1万円の割引がきくそうです。

退職の代行、にすぎませんので、代行業者は依頼者が退職したい会社に対して、依頼者の退職したいという意思を淡々と通知するだけです。

そして、代行ですので、会社からの連絡も代行業者に入れてもらって、そっくりそのまま依頼者に伝えます。

間に入った代行業者は、会社との交渉はもちろん、本人との交渉も一切しない、という淡々さが逆に受けています。

ミッションは、退職の完了です。

それまでの連絡の仲介については回数無制限です。

依頼者の意思として、会社側に対して、「依頼者本人には連絡しないで欲しい」ということも、これも依頼者の言葉としてそのまま会社に伝えることももちろんできます。

退職届や、保険証の返却といった書面のやりとりは、郵送で全く問題なく、この代行業者に依頼した以上、依頼者は出社する必要はありません。

これは、どうしても本人が退職の意思を言い出せないケースにまず有用です。

また、退職の意思を伝えているのになんやかんやと辞めさせてくれない会社に対しての強力な援軍となります。

第三者が間に入れば、職場での同調圧力といったものがかなり減殺されて、対等な会社と従業員との淡々とした冷静なやりとりになり、退職というドラマは通常の「手続き」になってスムーズに進んで行くのかもしれません。

従業員本人に対しては、辞めるなという強い態度が取れたとしても、本来心が離れている組織に対して忠誠を誓わせてもそれはなかなか本人のモチベーションやパフォーマンスの向上に繋がらず、会社側としても期待する働きをしてもらえず結局お互い不幸になってしまうのではないかと思うわけです。

もちろん、突然今日辞めます、などと引き継ぎもなく会社の取引先に迷惑をかけるなどの損害が生じることがないとは言えず、そのような場合、会社から損害賠償の請求を受けるというようなことが絶対にないとは言い切れませんが、こうしたサービスによって、労働力の流動性が高まるのは、この人手不足の日本の状況に鑑みると、経済社会全体によって有用であると思います。

一旦始めたら辞められない、これでは気楽に始めることができなくなるという点で、始めやすく辞めやすい社会を目指すのも良いかと思いました。

昭和生まれでありますが、最初の退職以降、わりと頻繁に退職(3回以上?)を繰り返している筆者からは以上です。

(平成30年7月22日 日曜日)