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2018年9月8日

日本の地方銀行の再編淘汰に対する筆者の2018年時点の認識を発信しておきます







おはようございます。

2018年8月の日本の金融業界に関する配信記事です。

日本の地方銀行の経営悪化による再編淘汰のニュースが激しくなってきました。

同時に、単体でそれなりの「収益」をあげていたとされる、スルガ銀行が、実は「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウス企業といった問題企業に明らかに偏重過剰融資を行い、ついに同社が2018年4月9日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けるに至るなど、地方銀行の生き残りをかけた競争環境から不正不当な利益獲得に走った挙句のよろしくない終焉を迎えつつある銀行も出てきました。

同様の事例としまして、最近では東証1部上場を果たした新興アパートデベロッパー兼ネット系不動産会社TATERUが、アパートに投資する顧客から受け取った預金残高など融資に必要な資料を改竄していたことが判明しました。

なんと、23万円しかない預金残高が623万円に水増しされていたとのことです。

そして、この不正をTATERU側は認めたのですが、その、TATERUの顧客の融資の申し込みを一手に引き受けていたのが西京銀行であったという情報があります。

もちろん、TATERUが申請した融資が西京銀行によってすべて実行されたわけではないでしょうが、西京銀行はTATERUの主要取引銀行であることは事実です。

このように、主要法人顧客と「結託」して、投資用不動産向け融資審査を通りやすくするための「改竄」「偽造」を行うというのは、かつて平成初期のバブル経済末期によく流行った手法であり、この時にも日本は大きな不良債権を抱え、当時の都市銀行・信託銀行・長期信用銀行といった大型銀行が20から3に集約されたという厳とした歴史があります。

この平成最後の年になって、日本全国の地方銀行から同様の問題が発生しているということは、地方銀行それぞれの経営状態は、そのようなことをしなければ表面上取り繕えないほど実態は痛んでおり、再編は不可避である何よりの証左とも言えると思います。

実際、地方創生といいますが、残念ながら長期人口減少トレンドに入ってしまった世界の限界集落国家日本においては、唯一東京圏にヒトモノカネが集中しまして、その首都圏に地盤を持つ横浜銀行や千葉銀行といった「地方」銀行ではなく「首都圏」特化型銀行と言ってよい銀行以外は、主要地方都市を地盤にしながら、メガバンクの影響を避けた過疎地域限定でなんとか業務を回しているというようなところが現実的なところだと思います。

もちろん、IOTの飛躍的発達により、リモートワークや在宅ワークが急速に進み、首都圏への人口流入集中が止まるといった劇的な変化がない限り、人が集まるところにモノやおカネは流れていきますので、地方銀行に限らずどうしても地方地盤の企業というのがジリ貧になっていくのは致し方ないところです。

特に、西京銀行やスルガ銀行といった地方のさらに2番手以下の銀行にとってみれば、名門の地場銀行の向こうを張っていくには、特種特別なことをやっていかなければならないわけで、今回の「事例」はそんな危機意識が違法なところまで漏れ出してしまった、と見えないわけではありません。

スルガ銀行はそばに静岡銀行、西京銀行は広島銀行といった地場大手銀行がどっかりと腰を据えています。

しかし、危機意識があるから犯罪行為に走って良いというわけではありません。

経営はトータルで行うものであり、もし本当に打つ手がないのであればきっぱりと独自路線は返上して、大手メガの傘下に入るなり手頃な地方銀行同士の合併で規模の経済を取りに行くなり、やり方はそれでもいろいろあるのです。

もちろん、銀行だけの問題ではなくて、優良な借り手が少なくなっている産業界経済界側の問題もあります。

貸してばかりになった市場で(最も低金利で貸すのが国家という笑えない状況)は、借り手は勘違いして偉そうにしてしまい、それでも低金利で借りてもらうしかなく、また本当の優良企業や有望なベンチャー企業については、直接資本市場や個人エンジェル投資家が出資の形でおカネをつけてしまいます。

なかなか先行き厳しいと見られる日本の銀行業のお話でした。

昔銀行員だった経験も生かして、なんとか優良な借り手に変身したいと願っております筆者からは以上です。

(平成30年9月8日 土曜日)