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2018年10月27日

Amazonの前払いチャージ還元制度はクレジットカード外しが本質的な狙いであるという記事です






おはようございます。

2018年10月のネットショッピングのチャージ還元制度についての追伸記事です。

先日の記事で、Amazonチャージというサービスを紹介しました。

事前に現金をチャージしておけば最大で2.5%分のAmazonポイントが還元されるという特典を説明したわけですが、この背景をより深く追加して説明しておきたいと思います。

これは、事前に現金を差し入れて先方事業者の預かり金にしておけば、例えば運転資金を調達して金利を支払ったりする必要がなくなるのでその利息分の一部を提供者である顧客に戻す、いわゆる「資産運用」の一環として説明できる場合もあるのですが、Amazonは世界最大級のオンライン小売業者でありその信用力という意味では一国最大の銀行をはるかに凌駕する存在となっておりまして、資金繰りの一手段として顧客から現金をかき集める、というとらえ方は正しくありません。

ここは、むしろクレジットカード外し、すなわち、資金運用ではなく、クレジットカードを利用した決済の場合に小売業者であるAmazon側で負担しているクレジットカードシステム利用手数料(3%程度)を、前払いの顧客に対して特典として一部返却して共に栄えようとしている、という構造なのです。

先日の記事での筆者の説明もこの点適切ではなかったわけですので、ここに謹んで補足訂正しておきたいと思います。

つまり、店舗や卸業者といったサプライチェーン上の存在を、どんどんすっ飛ばして倉庫から顧客の軒先までダイレクトにつないできたAmazonにとっては、今回のこのAmazonチャージの措置も、全く彼らのやってきたことの延長上にあるのです。

いわゆる中抜き、店舗や卸業者を外してきた彼らが、決済システムを構築してきたクレジット決済というシステム自体の中抜きを大胆にも図ってきた、という捉え方をするべきなのです。

過去数十年にわたり、クレジットカードが一括して請け負ってきた、顧客の信用と支払い代行というサービス自体を、顧客個々人に現金を拠出させ先払いさせることで「代替」させ、その手間賃の一部として、クレジットカードを利用しないで済んだ浮いたコストを充てることで賄う、まさにかつての近世ヨーロッパで起こった、同君連合ブランデンブルクープロイセン(ブランデンブルク辺境伯(神聖ローマ皇帝選帝侯)領とプロシア王国領)、オーストリア(ハプスブルク帝国)、ロシア帝国(ロマノフ王朝)によるポーランド分割のような、そのような食い合いの構図なのです。

こうして考えますと、ビジネスの仕組みというのは案外簡単なものです。

しかし、かなりの長期間、決済という分野で確固たる地位を築いてきたクレジットカードという仕組み自体への重大な挑戦ともいえるこの分野への挑戦すら、Amazonは忖度することなく顧客ファーストを掲げて果敢に迫って来ています。

自分で先にお金を振り込めば、クレジットカード決済手数料がタダになるわけですから、その一部を「報酬」としてAmazonポイントで受け取るというのは理にかなっています。

今後のAmazonの動きに注目です。

今日も結局ビジネスの話になりました。

世界のビジネスは、かように、日々激しく動いているのです。

激しく飲み会懇親会に顔を出しているのですが、どうも空回りが激しい筆者からは以上です。

(2018年10月27日 土曜日)