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2018年11月12日

いちおう証券アナリストの筆者が企業分析を語ってみようと思います






おはようございます。

金融機関で勤め始めてシステム会社、そして上場不動産投資信託というファンドの立ち上げと上場、それから不動産運用の世界のもっとも現場に近い設備管理やら警備やら清掃といった現業にも従事し、2018年11月時点では新規事業として派生したシェアオフィス・コワーキングスペース事業に従事している筆者です。

そんな筆者が今回は企業分析について語ってみようと思います。

いちおう、金融機関勤務時に日本証券アナリスト(CMA®)および国際公認投資アナリスト(CIIA®)という(手前味噌ですがけっこう難しい)資格も取っていますので、完全素人というわけではありません。

企業分析といって真っ先に浮かぶのが、財務情報というやつです。

大きくは、損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)です。

PLとは、期間(だいたい一年間)の売上高とか、利益のことで、BSとはバランスシートと呼ばれる期末時点での瞬間の会社の財務状況です。

総資産が何億円で、期間売上高が何億円、といった使われ方がなされます。

上場企業であれば、この財務情報というものを無償で公開するという義務がありますので、どの上場企業でも、ネットで一発で財務状況を参照することはできます。

しかしながら、これはこれで確かに重要なのですが、本当に重要なのは、「未来の収益」や「非財務情報」の方になります。

そうでないと、公開情報である「過去の」財務情報だけを用いて企業分析が完璧にできるのであれば、人間は人工知能に絶対勝てません。

そうではないから世の中面白いのです。

未来の収益や売上高を予想するのは本当に難しいです。

例えば、1994年にアメリカの片隅で創業した変なAmazonとかいう会社に、早期に投資していれば、今や株価は数万倍数十万倍になっていたはずなのですが、そうした候補の会社はごまんとありまして、その全てに張っていたのでは資金は持ちません。

また、非財務情報とは、財務諸表では認識されていない財務情報のことですが、これにはどのようなものがあるか一例を申し上げますと、最も典型的なのは、「会社が自社内部で創設した無形資産やブランド」ということになります。

無形資産やブランドでも、外部から購入した場合は、バランスシート上に「記載」することはできるのですが、自分で育てた無形資産やブランドを勝手に記載することはできないのです。

それでいて、内部創設の無形資産というのは、企業によっては実に強力な顧客吸引上の武器であり、アップルやコカコーラ、任天堂などのブランドを少し想起するだけで、その企業の利益や競争優位の持続性はかなり担保されていると言えます。

また、金融機関やメーカーが保有する人的資本や研究開発能力、顧客の支持や良好な関係、それからヤマト運輸やAmazonなどのロジスティック(物流)チャネルもそれ自体財務情報として記載されるものではありませんが、非財務情報として非常に重要な情報になりうるわけです。

企業が自社の中で資産になりうるものをどのように育てているか、ブランドでも顧客ネットワークでも広告アルゴリズムでも人工知能でも優秀な従業員でも幹部でも何でも構わないのですが、それらを正確に理解し、公開されている財務情報と合わせて考えないと、企業の未来を予想するのは難しいということです。

さらに、非財務情報より広い概念として、「定性情報」というものも考えられます。

これは、トップの資質や健康状態、企業戦略や企業理念、競争優位を確保するための様々な取り組みや顧客や従業員からの評判など、ありとあらゆる情報が含まれます。

しかしながら、こうした「ストーリー」で企業を語ることは、いつも時代も重要なことだと思うのです。

CoCo壱番屋、といえば、トップが毎朝6時から1時間半、本当に毎日、名古屋・栄の広小路通りを掃除している会社、イエローハットといえばトップが自社のトイレをピカピカにして営業マンの帰りを待っている会社、ヤマト運輸といえば大雪でスキー板をゲレンデに届けられなかった時に、無償でレンタルスキーを貸し出すので到着までしのいでください、といった会社、日本ビクターと言えばビデオデッキのVHSであのソニーのベータマックスに勝った会社、という風に、企業も人も同じように、その描いたストーリーで語ることも、数字をきちんと見て分析することと同じくらい重要だということです。

これからも、いろいろな企業が持つストーリーをときどきご紹介できればと思います。

企業分析の話でありながら、数字をひとつも見せないまま終わるそんな適当な記事でした。

本ブログのブランド価値については、なかなか向上が見られないですが、むしろ伸びしろが多くて楽しみだと考える筆者からは以上です。

(2018年11月12日 月曜日)