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2018年12月21日

株式の配当利回りについて質問がありましたので考察してみました薄口経済評論記事です






おはようございます。

2018年12月の好評の薄口経済評論記事です。

筆者は一応、

・日本証券アナリスト協会検定会員/Chartered Member of the Securities Analysts Association of Japan, CMA®
・国際公認投資アナリスト/Certified International Investment Analyst, CIIA®

という金融証券の業界資格も保有しておりますので、投資についての知識技能はそれなりに持っております。

ですが、振り返ってみた投資結果についてはお寒い限りです。

そんな筆者ですが、昨今の世界株式市場の変調(というより有り体に申し上げまして急落)に対する処方箋として、

・債券投資
・高配当株

を検討することについていくつかのご質問をいただいたので、今回はこれらについて少し述べてみようと思います。

まず、高配当株とは、株価の水準に比較して、今後予想される配当が高く、その配当利回りが魅力的な株式銘柄を指します。

しかしながら、高配当といくら会社が謳っても、その原資はやはりその会社の期初から期末までの計算期間で得られた損益計算上の税引後利益であることは間違いありませんから、無理な配当は会社自体の再投資などの選択肢を狭めますし、悪くすれば会社の株価自体を急落させる要因にもなりかねません。

さらに、株価的には、配当の権利が確定した日の次の営業日では、理論的に配当分だけ株価が下落するはずです(配当権利落ち、といいます)。

これは、配当をしようがしまいが、企業価値には変化がないということから理論的に導かれず当然の結論です(MM理論といいます)。

さて、このような、単なる出資の払い戻しという性格を持つ配当ですが、やはり何かしらの現金を定期的に(半期に一回か通期に一回か)いただくのは精神安定上良いので、そのような高配当銘柄というのはよく知られています。

例えば米国市場では、

・AT&T(ティッカーシンボル「T」)という通信インフラ会社や、
・フィリップモリス(ティッカーシンボル「PM」)という世界のタバコ会社

といった銘柄が、単純な配当利回りで見れば、2018年12月時点の株価水準で見ますと、6%や5%といった値を出しており、非常に魅力的となっております。

しかしながら、ではなぜこんなに配当しても株価がその程度の水準なのか、といいますと、例えば通信インフラ会社については、今後通信速度が従来無線の100倍以上に速くなる5Gが世界中に普及したあと、既存の有線通信インフラを敷き詰めているレガシーな会社が生き残れるのか疑問な点があることや、世界中での禁煙分煙、受動喫煙への対策からこれまで以上に売りにくくなっているタバコという嗜好品の販売懸念といった、個別の会社に特有の事情があるからです。

それでも、目先しばらくの業績と配当性向に変化がなければ、利回り5%で考えれば、20年で元本が回収できるわけであり、そのリスクを取って投資する(株を買う)こともありでしょう。

続いて、こうした観点で目を日本に向けてみます。

アメリカの長期金利と違って、日本の長期金利は現在ほぼゼロ(0)という中、非常な大型株で配当利回り5%を出しますよと宣言して昨今上場した株式会社があります。

ソフトバンクグループの通信携帯中核子会社の株式会社ソフトバンク(証券コード9434)が、2018年12月19日(水)に上場しましたが、これは公開価格の1株1,500円で計算した場合、5%の配当を予定しているということですので、アメリカのAT&Tといった通信会社と同じようなリスクだと考えれば、アメリカの国債金利と日本の国債金利との差分を考えると一見非常に有利な投資のように見えるわけです。

しかしながら、アメリカの高配当株式会社というのは、数十年高配当を続けてきた(その中には50年以上連続増配といった会社もあります)という確固とした歴史を持っているものばかりであり、上場したばかりの会社がはい、配当しますよと宣言しても、そんな口約束、いつでも撤回できますからなかなか世界の機関投資家や個人投資家の信頼がすぐ得られるわけではない、ということになります。

配当しますよ、という口約束より、長年きっちり配当してきた、という実績が信頼を作るというわけです。

なにごとも、やるやる宣言よりやった実績である、というのは洋の東西、投資の世界でも同じということです。

今日は配当というものについて少し考えてみました。

この記事も、読者のみなさんの知識の少しの配当になれば幸いです。

筆者も、今後こそは儲けたい宣言をしておきます。

実績はありません

こちらからは以上です。

(2018年12月21日 金曜日)