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2018年12月8日

世界最強のタンパク糸を吐くミノムシから直接糸を取り出す技術の実用化に成功したという世紀のニュースです






おはようございます。

2018年12月の漫画のような技術の実用化の話です。

テラフォーマーズという漫画がありまして、これは火星に入植するために、もともと下慣らしをするために、酸素を作るための藻と、動物性タンパク質としてのG(隠語です。ゴキブリの略です)を大量に投入してしばらく(数十年)寝かせたら、なんとゴキブリ(Gを隠語として用います)の方が突然変異して人型になっており、頃合いを見計らって入植しようとのこのこやってきた人間たちを殺戮するというストーリーで第一部が終わるシリーズものであります。

その後、地球上のあらゆる動物(昆虫が多い)とG強化型との戦いに発展していくのでありますが、その中で、この強大な敵であるGに対し、日本原産でその特異かつ強烈な能力を発揮する昆虫の能力を持つ主人公が2人出てきます。

一人目は、

・日本原産、大雀蜂(オオスズメバチ)

であり、茶褐色のものを獰猛に、その毒針で攻撃し続けるという習性を持つ、大変危険な生物です。

二人目は、

・日本原産、大蓑蛾(オオミノガ)

であり、蓑虫(ミノムシ)と別名呼ばれるようにその身を細い糸に委ねて揺れる様は、まさに生命の芸術と言って過言ではありません。

漫画テラフォーマーズでは、この糸をピアノ線のように駆使する2代目主人公が、北斗の拳の南斗水鳥拳の使い手レイの如く(古い…)、高速で飛翔し敵のゴキブリ(G)たちを糸で切り刻み捕捉するさまが描かれています。

さてそんな、Gではなくミノムシが吐き出す世界最強の糸を、直接ミノムシから取る技術を、日本の興和(名古屋市)と農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)が開発したとのことです。

ミノムシの糸はこれまでは他の力では真っすぐに取り出せない難点があり、繊維材料として使うには難がありました。

しかし、ここで特殊な装置を使い、直接長さ数百メートルの直線の糸を取ることに成功したとのことです。

さらに、ミノムシは、蚕(カイコ)や蜘蛛(クモ)と違って、餌を与えれば長く繰り返して糸が取れる上、密集させても共食いをせず大量飼育が可能だということです。

つまり、量産体制の確立はいつでもできるということです。

このような、漫画の世界でしか紹介されていなかった夢の材質を実際に取り出し製品化することができるとは夢のようです。

この新開発技術、どのくらいの夢の糸なのか、わかっているだけで列挙しますと、このたんぱく質でできたミノムシの糸は、強度や丈夫さが同様に優れていると言われる蜘蛛(クモ)の糸に比べ、丈夫さでは約2倍強、強度で約2倍弱など、すべての項目で上回っているとのことです。

また、自動車や船、航空機の外装にも使われる繊維強化プラスチック(FRP)にミノムシの糸を組み込んだところ、従来のFRPの数倍の強度になったともいいます。

他にも340度までの耐熱性があり、代表的なナイロン糸の5分の1の細さであるなど、利点だらけの、まさに夢の素材なのです。

燃えにくく、細く、丈夫な糸で、生産はミノムシ本体から行うのでまがい物であるリスクもありません(本物のミノムシが吐く本物のミノムシの糸ですから)。

これに対し、ミノムシに劣るクモの糸を、バイオリアクターで生合成して大量生産する技術を確立した巨大ベンチャー企業が、日本の経済産業省などの当局と組んで、需要の見通しもないのにもう引き返せないとばかりに大量生産するプラント(専用生産工場)を数十億円かけて海外に建設するというニュースも同時にあるようです。

しかしながら、はるかに優れた「糸」としての製品を、人工的に生成させるのではなく、自然本来の生産方法で行う、要するにミノムシに餌を与えて糸を吐いてもらうだけなものと比べれば、生産コストで数千分の一の違いが出るし、品質管理も自然由来なのでほぼ不要、ということで勝負は見えているのではないかと思うのです。

やはり人工物が自然本来の力に対抗できると信じる者には、ラピュタやナウシカのような崩壊の未来しか待っていないのではないか、などとスパイバーの巨大プラント建設のニュースを見ながら感じたことでありました。

漫画のことは、あまり詳しくなく、実はテラフォーマーズも第一部しかしっかり読んでおりません筆者からのコメントは以上です。

(2018年12月8日