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2018年12月20日

親子上場の新規上場の子会社の通信専門会社ソフトバンク株式会社が公募価格割れで初日を終えた件について






おはようございます。

2018年12月の日本の株式市場における大変エポックメイキングな出来事を配信する記事です。

これまでの日本の株式市場の歴史を塗り替える大型上場となりました、株式会社ソフトバンクの上場初日(2018年12月19日)、初値から公募価格である1株1500円を大きく下回る水準でしか値がつかず、前場後場にかけてずるずると値を崩し、終値は1282円と、実に公募価格より▲15%低い価格で終わりました。

先に上場しているソフトバンクグループは携帯通信専門子会社であるソフトバンクの上場で約2兆6000億円を調達するという、日本の証券市場最大の大型上場でした。

今回の上場を簡単に整理してみますと、親会社であるソフトバンクグループが保有するソフトバンクの株式全体の1/3を一気に売り出し、世界中の機関投資家、個人投資家に販売するという今回の資金調達は、約2兆6000億円の現金を、主に日本の証券市場から調達するということですから、それは大きなイベントでした。

したがって、日系証券会社はこぞって幹事団に名を連ね、テレビCM等のなりふり構わぬキャンペーンを打って、公開価格1500円の株を、株式配当利回り5%ですよ、と盛んに喧伝して売却に回りました。

確かに、長期金利がほぼ0%の日本の証券市場にありまして、配当利回り5%という水準は絶対値としてはとても高いものです。

しかしながら、配当とは当然その期間に上げた期間利益の中から再投資分を会社に留保した上で株主に還元するのが筋のものでありまして、仮に当期に上げた利益以上に配当するならばそれは事実上タコ足配当(タコ配)となり、その配当した分だけ株価自体が下がるのは自明の理です。

株価を保ちながら、高配当を維持するというのは、とても大変なことなのです。

それから、保有株式の約1/3を一気に売り出し約2兆6000億円を証券市場から吸い上げたというのは、非常に大きなインパクトです。

資金を準備するために、他の保有株式を売った投資家もいたはずですし、そこまでして資金を用立ててソフトバンク株の公開に応募して、そして「当選」したあげくに、初値から公募価格割れというのは、わざわざ大事なお金を捨てたようなもので、売った証券会社も顧客に顔向けできないことになります。

ただ1社、1株1500円で売り抜けて、まんまと2兆6000億円をゲットした親会社のソフトバンクグループは利益を得たということで、この日の同社株価はわずかながら前場上昇した場面もございました。

皮肉なものです。

この1株1500円という株価から計算しますと、ソフトバンクは、約7兆5000億円の時価総額ということになります。

そして、親会社のソフトバンクグループの時価総額が約10兆円であることを考えますと、そのソフトバンクグループの時価総額を75%を通信携帯子会社のソフトバンクが占める、ということになるわけです。

ちなみに、日本の通信携帯三兄弟といえる、長兄のNTTドコモの時価総額は約10兆円、次兄のKDDIの時価総額は約8兆円というところです。

三男のソフトバンクは7.5兆円であれば、なんとなくバランスは取れます。

また、株価が適正な価格であるかどうかを判断するのに、時価総額を純利益で割ったPER(株価収益率)という指標がありますが、ソフトバンクの利益は約6820億円であるというセグメント情報からすると(有価証券報告書より)、仮に時価総額を7兆5000億円だとすると、PERは約11倍となります。

この点、NTTドコモのPERが約15倍、KDDIのPERが約12倍であることを考えると、同じような1株1500円のレンジに結局は収斂していく可能性もあるわけです。

このように、あくまで数字の計算上では、この相当の大型上場については、一応の理屈はつくわけです。

加えて、配当利回り5%という高配当予想を見せられては、なんとなくお買い得、という感じもしないではありません。

しかしながら、この子会社のソフトバンク、会社の社長が誰か知らない方がほとんどではないでしょうか。

当然に、ソフトバンクグループの総帥であり代表の孫正義氏は取締役にはついていますが、いわゆるキャッシュカウ(金のなる木)である、大量の契約者からの上がりを利益の原資とする通信携帯子会社の社長職、この方は上場時の東証の鐘も鳴らしていましたが、こうやって記事を書いている筆者ですら知らないまま記事を書き終えてしまいそうです(あとで確認した結果、宮内社長というソフトバンクグループ黎明期からの古参の社員から昇格した方のようです)。

そのくらい、個別の会社としての存在感の薄い、ソフトバンクグループの一部門であることは間違いない子会社ソフトバンクの上場について、思うところを率直に述べてみました。

ここまで書きながら、明日以降、ソフトバンク株安くなったら配当狙いで少し買ってみようとかと考えております、携帯電話とスマホについてはずっとソフトバンク契約者であります筆者からの配信記事は以上です。

(2018年12月20日 木曜日)