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2019年1月9日

(2019/01/09)日本プロ野球のストーブリーグはFAの2選手を獲得した読売が西武と広島に生え抜きスターを流出する結末となったという話です







おはようございます。

2019年1月の日本プロ野球ストーブリーグの話です。

リーグ優勝と日本一奪還を期すセントラル・リーグの読売ジャイアンツ(球団保有者である読売新聞社からは、同チーム名については「巨人」と呼称されているところも散見されますが、リーグ統一呼称である正式名称は「(地域名を冠した企業名である)和名」+「カタカナで表記する洋名」であることのようですので、同リーグに所属する広島東洋カープや対になるパシフィック・リーグに所属する埼玉西武ライオンズと同じように、読売ジャイアンツと表記します)が、2018年末に、FA宣言した2選手を獲得しました。

この発表を受けて、FA制度に則って、埼玉西武ライオンズでは、FA宣言して読売に移籍した炭谷銀次郎捕手の人的補償として読売の内海哲也(うつみ・てつや)投手(読売一筋の通算133勝投手)および炭谷選手の昨年年俸の40%(4,000万円)の金銭補償が、広島東洋カープでは、同じくFA宣言して読売に移籍した丸佳浩外野手の人的補償として長野久義(ちょうの・ひさよし)外野手(昨季までの通算成績は1,209試合の出場で、1,271安打、137本塁打、500打点、打率2割8分6厘の俊足強打の外野手)および丸選手の昨年年俸の50%(1億500万円)の金銭補償が支払われるという図式になりました。

内海選手の移籍についての読売球団発表コメントは以下の通りです。

「日本一のファンに支えられたジャイアンツでの15年間は最高の思い出です。チームメートには感謝の思いしかありません。そんな最高のチームで最多勝のタイトルを獲得したり選手会長を務めたりしてきたことは野球人として大きな誇りです。ジャイアンツで培ったすべてを生かし、新しいチームでも気持ちを新たに頑張ります。ジャイアンツの皆さん、日本シリーズで対戦しましょう。ファンの皆さん、これからも変わらぬ応援よろしくお願いします」

同じく、長野選手の移籍についての同球団発表コメントは以下の通りです。

「3連覇している強い広島カープに選んでいただけたことは選手冥利に尽きます。自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精一杯頑張ります。巨人では最高のチームメイトに恵まれ、球団スタッフ、フロントのみなさんの支えのおかげでここまで頑張ることができました。また、9年間応援してくださったジャイアンツファンの皆様のおかげで苦しいことも乗り越えることが出来ました。ありがとうございました。ジャイアンツと対戦することを楽しみにしています」

国内FA制度に関する人的補償とは、選手を放出することになった球団が、獲得した球団から28人のプロテクト枠外の日本人選手を1人獲得できるという権利です。

球団支配下登録選手は70人ですから、大半の所属選手が、このプロテクト枠から漏れてしまうということになっておりまして、特に将来の球団を背負って立つ(かつ年俸が安い)若手を過去取られて悔しい思いをした読売ジャイアンツとしては、苦渋のベテランのプロテクト漏れだったのでしょう。

そして、人的補償を行うか否かは、選択することができて、人的補償がない場合は、金銭補償一本となります。

要するに、金銭補償とは、選手を獲得した球団が、元いた球団に年俸の一定割合を支払うもので、人的補償のありなしでその割合は異なるということです。

人的補償あり
ランクA(外国人選手を除く年俸3位まで)…旧年俸の50%
ランクB(同年俸4位から10位まで)…旧年俸の40%
人的補償なし
ランクA(同上)…旧年俸の80%
ランクB(同上)…旧年俸の60%

今回は、この国内FA制度により、戦力の近郊という日本プロ野球の目的がある一定以上果たされた良い例となると思います。

特に、オンシーズンのペナントレースを圧勝した広島東洋カープのフロントの戦略は、見事と言えます。

読売ジャイアンツにこだわって入団し、読売一筋でやってきた長野選手をあえて選択するという戦略は、読売の戦力ダウンに加え、同球団のFA選手補強に偏っているのではないかという球団体質に対して大きな問題提起をするという意味で非常に大きかったと思います。

このようなことが続くのであれば、いずれ同球団はFA選手と外国人選手とメジャー帰りのピークを過ぎた選手だけで固められたチームとなってしまい、ドラフトで入団してきた若手はやる気と出場機会を奪われ続け、失い続け、そうして限りなく狭い道からレギュラーを張るに至ったベテランは人的補償でプロテクトされずに、いわば放り出されるというチームに見えてしまうことになります。

これでは、もはやプロ野球選手の黄昏の最後の思い出作りの球団となってしまうかもしれません。

また、球団全体の体質が変化する、という影響の他にも直接的な「効果」としては、広島東洋カープにとっては、高年俸選手である長野外野手の年俸が2億3千万円といっても、それでも丸選手の金銭補償で1億500万円がキャッシュバックで手に入るのです。

実質、来季に関しては1億2,500万円で長野外野手を獲得した、ということと同値です。

そして、ここからさらに「予想」しますと、長野外野手はすでにFA権を保有していることから、最短1年で権利行使することができます。

さすれば、出跡の読売ジャイアンツとしては、功労者であり生え抜き選手である長野選手を自球団に戻そうと獲得に動くことになると思います。

しかしながら、長野選手は1年在籍した広島東洋カープにおける日本人選手年俸ではAランクであることが濃厚であり、また読売ジャイアンツに対して人的補償+金銭補償(キャッシュバック)を狙うことができるのです。

内海選手を獲得した西武ライオンズに関しても同じことが言えます。

このように、野球などのプロスポーツにおいては、ストーブリーグにおけるチームの「編成」というものの妙についても、注目いただければと思います。

読売ジャイアンツ含め、各球団がどういうチームを作ろうとしているのかの今後が非常に楽しみです。

ここで言及しなかったパシフィック・リーグ所属の福岡ソフトバンクホークスのファンであります福岡出身の筆者からの記事は以上です。

(2019年1月9日 水曜日)