このブログを検索

2019年3月3日

2019年2月米朝会談決裂に見る人間同士の交渉の興味深さについて経緯と共に見解を述べておきます





おはようございます。

2019年3月の国際政治に関するビルメン王の観測記事です。

インド・パキスタン紛争が大きく広がり世界中が注目するようになっている最中、さらにベトナムのハノイで開かれていた、アメリカと(いわゆる)北朝鮮(日本は国家承認していないため)との2回目の首脳会談(米国トランプ大統領、北朝鮮金正恩国家第一書記にして朝鮮労働党委員長)は、日程を切り上げ、2019年2月28日に、「合意に至らない」旨が発表されて事実上決裂しました。

玉虫色の共同宣言もなく、これでは、両国はなんのために随行員を引き連れて、世界中に注目されるような首脳会談を演出したのか、ということになりますが、米国としては、ここで下手な合意=宥和政策を取るのは得策ではないと土壇場で判断したのではないでしょうか。

記者会見を行い自説を披瀝したトランプ大統領の公式見解によれば、正恩氏は非核化に向けた十分な措置を示さなかった一方、経済制裁の完全な解除を要求し、これをトランプ氏が拒否した、ということです。

非核化へのプロセスが不明確なのに、経済制裁の完全解除を北朝鮮側が要求した、ということ、また北朝鮮の国内向けにも、今回の米朝会談は大々的に「放映」「発表」されていたということを考えると、金正恩体制側としては、是が非ともトランプ大統領から、果実を引き出しておく必要があったわけですが、完全に失敗しました。

今後、国内に巣食うクーデター絡みの不満分子の粛清がさらに広がりを見せるのではないか、と筆者などは考えます。

そもそも、このハノイ会談は、前回行われたシンガポール会談のあと、北朝鮮が米国批判とも取れる態度を強めたのを見たアメリカ側が、一旦決まった会談をキャンセルして、そして北朝鮮からお詫びを込めた再設定のお願いを受け容れた形で、応じた会談です。

わざわざ、トランプ大統領自ら、ベトナムのハノイまで出かけて行き(ベトナムも一応社会主義国家です)、そして融和姿勢を外面にまといながら、いきなりちゃぶ台をひっくり返し、太っちょの孺子(こぞう)とばかりに張り倒す、これはトランプ外交の(評価は差し置いて)真骨頂でしょう。

金正恩氏は、経済制裁の完全解除を要求するという、「読み違えた」過大な要求を行ってしまったばかりに、得べかりし利益を丸ごと失い、彼らが最も嫌う国内向けの面子(メンツ)も丸潰れとなりました。

要するに、国内の指導力にも疑問符がつくということです。

しかし、正恩氏側としても、もはやこれ以上の経済制裁には国内が耐えられない、持たない、ということなのかもしれません。

それが、いみじくも、「バレて」しまったことの方が問題です。

米国としても、追従している日本としても、このまま経済制裁を続けて北朝鮮が音を上げるのを待てば良いからです。

そして、トランプ大統領にしても、普通の「誇りある」米国民からすると、大統領がわざわざ設けた席上、過大な要求を1on1のミーティングで行ってくるアジアの小規模暴力国家のことなど、本来なら意に介さないわけであり、北朝鮮のほぼ利益代弁者、となっている感のある現在の大韓民国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領ともども、なで斬りにした感じです。

さて、次の国際政治の動きはどのようなところから急速に動くのでしょうか。

いつの時代になっても、相手の心理を読んで先んじて手や策を打つ、孫子の兵法に書いていることそのままの生き馬の目を抜く国際政治の舞台を勝手に解釈してみました。

会談中、金正恩は相当緊張していたようで、視線および不自然な手の動きも見られました。

彼の方は彼の方で、それはそちらの事情では必死なのでしょう。

こちらからは以上です。

(2019年3月3日 日曜日)