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2019年3月12日

サービスや商品に付加価値をつけるとはどういうことか実例を挙げて論じます

イラストは焼き鳥ではなく牛すじの「おでん」です…。ご容赦ください。





おはようございます。

2019年3月の経済学士ではないない素人のビルメン王こと筆者の経済経営講座の記事です。

日本の企業は、製造業もサービス業の区別なく、2019年3月現在、さまざまなコストの高さに苦しんでいます。

借金が重く、人件費が重く、在庫が多いのでは、なかなか安定的な収益機会には恵まれません。

鳥貴族、という大阪発祥の安売り手軽な焼き鳥チェーンが、ひところ有名になり顧客の支持を得て急速にチェーン展開が広がりましたが、こちらも、実に28年ぶりの価格改定に踏み切ったところ、なんとこれまで鳥貴族を多く利用していた顧客はそれまでの支持を一転させ、他店や中食、自宅での食事に切り替えてしまったのでしょうか、客離れが加速して一転上場後初の赤字決算を計上する見込みとなってしまいました。

株式会社鳥貴族(大阪市浪速区、東証1部、証券コード3193)は2019年3月8日、2019年7月期中間決算と通期業績予想の修正を発表しました。

2019年7月通期業績は黒字予想から一転、当期利益を▲3億5600万円の赤字予想としています。

すなわち、

・売上高358億6400万円(前回予想比5.5%減)
・営業利益6億7800万円(同61.1%減)
・経常利益6億800万円(同63.0%減)
・当期利益▲3億5600万円(前回予想7億4700万円の黒字)

とのことです。

2019年2月末の店舗数は、直営433店舗、TCC (鳥貴族カムレードチェーン)245店舗の合計678店舗であり、これまで、2021年7月期に「3商圏1000店舗」の目標を掲げていましたが、人件費や材料費等のコスト増から2017年10月に28年ぶりの価格改定を実施した結果、客足が遠のき、赤字決算の見込みとなりました。

増設してきた店舗数の方も、リストラによる21店舗の閉鎖を予定し、中期経営計画「うぬぼれチャレンジ1000店舗・営業利益率8%」についても、「営業利益率8%」のみを残し、取り下げることも決議したようです。

これは、そもそも、手軽な価格の焼き鳥チェーン、という鳥貴族本来の顧客が望んでいた「価値」を経営側が「読み違え」、あくなき拡大路線と「鳥貴族」ブランドのラグジャリー化を進めてしまったことによる「失敗」であろうと思います。

勘違いした株主の要望や要求に屈して、お金を側溝に速攻で捨ててしまうような間違った経営を、わざわざわかっているのにやってしまう、というのはどの企業や組織にもあることで、こうした失敗の経験を経て、人間強くなっていくものでもあります。

ただ、価格(売価)を上げるということが一概に悪い、経営にとって良くないといえば、そうではありません。

コストダウンの追求ではなく、高くても売れるものづくり、サービス展開を追求することは、それはそれで大切なことなのです。

例えば、ヨーロッパのラグジャリーブランドである、エルメスとかカルティエ、といったブランドは、様々な商品展開をして貪欲に収益機会と顧客を求めて世界中にその販売網を広げて広告宣伝にも余念がありませんが、「何を」顧客に訴えるのか、そのストーリーは非常に明確です。

例えば、エルメスは、もともと1837年に創業された馬具屋です。

日本では幕末ですから、別にものすごい老舗というわけでもありません。

鞍などの馬具メーカーであったエルメスは、19世紀末には自動車の台頭を受け、馬車は自動車に取って代わられることを見越して、丈夫な馬具作りの技術を生かして自動車移動のおともにできる「鞄(カバン)」や小物を作り始めて、これが好評を博したのです。

ですので、馬具屋由来のエルメスは、今でもスカーフの柄などには馬を多用し、自社のルーツを明確に、強烈にアピールしており、丈夫で長持ちするラグジャリーブランドとしての地位を高めているのです。

顧客に商品やサービスを通じて何を提供する会社なのか、その自問が深い企業は、現在の急速に変わりゆく競争環境の中でも、しっかりと自社のストーリーを磨いて、顧客の支持を得て、持続的に発展していけるでしょう。

いずれも、己の戦い、己に恥じぬ戦いができたか、そのような哲学(フィロソフィー)に収斂していくのではないかと思います。

以上、筆者の師匠の受け売りがほとんどですが、経営談義を一旦終わりたいと思います。

自前ブログの顧客支持(PV、Page Viewなど)は全く上がってこない赤字覚悟の鳥貴族のお店にはまだ行ったことのない筆者からの嘆きは以上です。

(2019年3月12日 火曜日)

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