このブログを検索

2019年4月11日

世界の旅客航空業界(飛行機業界)の話を航空機機体の話から差し上げたいと思います






おはようございます。

2019年4月のビルメン王こと筆者提供の21世紀の世界の飛行機(旅客機)市場に関するブログ配信記事です。

米国ボーイング社の最新鋭中型機「B737 MAX 8」(200席規模)という機体が、2018年から2019年にかけて、インドネシアとエチオピアで立て続けに墜落事故を起こしたということで、世界の旅客機市場を震撼させております。

しかしながら、確かに双方の痛ましい事故ではありますが、機体および乗組員、旅客に対する補償はその大部分が保険会社を通じて行われる見通しであるとの報道もあります。

そうして、具体的な補償の責任分担については今後の調査や再使用に関する各国航空当局の判断にもよるでしょうが、概ね数ヶ月以内には、同型機体の飛行プログラム修正等の対策も行われたのち、再運行に向けたスケジュールを粛々となぞっていく形になるのであろうと思われます。

そもそも、この米国ボーイング社の最新鋭機「B737 MAX 8」という機体は、世界中のエアライン社(航空会社)が待ち望んだ、燃費性能に極めて優れた機体なのです。

直近の現行使用機体に比べても、+15%の燃費性能を誇ると言いますから、世界中の石油資源の採掘コストが上がる一方であり、原油価格の下落は今後期待し得ない情勢にあっては、世界中のエアライン(航空会社)としては何としてでも早く導入して、コスト競争力をつけたいという機体であるのです。

ですので、2度の墜落死亡事故を経ても、同型機のボーイングへの発注残は、実は4,000機以上でほとんど変更がない、という実情もあるのです。

いつものざっくり感(2019年4月ビルメン王調べ)で述べますが、世界である瞬間に存在する(飛んでいる、運行されている)飛行機は、2015年末時点で4万機と言われております。

これが、この20年後である2035年末には、倍の8万機になるであろうと「予測」されており、さらに、これだけの市場の拡大が見込まれている市場において、各国エアライン社同士の競争も激しくなり、より低燃費低コストであり、部品も少なく整備手間もかからない汎用機である「B737 MAX 8」のような主力中型機は、LCC(格安航空会社)やナショナルフラッグ(各国を代表する大手航空会社)の区別なく、その需要は高まる一方であるでしょう。

米国のボーイング社と仏国(とヨーロッパ)のエアバス社の事実上2社で独占されているこの航空旅客機製造市場ですが、これまで、日本、ロシア、中国といった各国も、自前の製造メーカーでの旅客機を開発してきています。

しかしながら、大きな流れ(メインストリーム)を覆すまでには至っていないのが現状です。

日本も、かつて敗戦によって失われた航空産業技術を、新幹線開発に転用させ生かしましたし、国産(プロペラ)旅客機YS-11の開発といった秘話もございましたが、戦前から一転して軍需産業と結びつき研究開発と圧倒的な使用実績のある両社(ボーイング社、エアバス社)の牙城は高く、世界中のエアライン(航空会社)もどうしても、整備、パイロット、システム全てを共通化していることからも、ジェット機についてはこの両社以外の機体を使うことを躊躇しているという状況です。

そんな中、かつて零式戦闘機といった(プロペラ)名機を送り出した日本の三菱重工業が、社運をかけて、MRJ(Mitsubishi Regional Jet)という、80席規模の中小型次世代リージョナルジェット機を開発中です。

世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えた機体と銘打っていますが、開発は難航しており、これまでに5度の納期延期を重ねる失態を演じています。

MRJの開発が発表された2008年当時は2013年に初号機を納入する計画だったのが、5度の延期を経て、5度目の正直の期限は、2020年半ばとなっております。

もし仮に2020年半ばまで、このブログが続いているのであれば、その際には検証記事をお送りしようと思いますが、これ以上の先送りは三菱重工にとっても大打撃でしょう。

低燃費の最新鋭機を先行投入するはずが、当初見込みから少なくとも7年も遅れることとなっているので、2強の米国ボーイング社やフランスのエアバス社はいうに及ばず、競合メーカーである新興ブラジルのエンブラエル社やカナダのボンバルディア社といったすでに完成機体の市場投入運行を行なっているメーカー、加えて国を挙げて航空機開発に取り組む中国やロシアにも追い抜かれるかもしれないのです。

かつて、太平洋を航空母艦6艦で数百機の爆撃機、戦闘機を運び、択捉島単冠湾から長駆太平洋を無線封鎖でハワイ沖まで移動し、その運動性能と航続距離を生かしたアウトレンジ戦法でアメリカ太平洋艦隊とハワイ基地に大打撃を与え、世界を震撼させた航空立国日本。

その時、日本の航空産業は、運用面も含めて、世界の先頭を確かに走っていたのです。

そんな3世代以上にわたる技術立国の誇りをかけた戦いでもあるのです。

旧日本海軍の宇佐海軍航空隊に所属し、零戦(零式艦上戦闘機、護衛や空中戦を主任務)や艦爆(艦上爆撃機、航空爆弾で相手艦や基地を攻撃)および艦攻(艦上攻撃機、航空魚雷で相手艦を攻撃)の整備兵として戦った祖父を持ちます筆者としては、当時世界最高峰の技術を駆使していたご先祖様を偲びますに感慨深いものがございます。

いつの時代も新知識や革新的技術が世界を引っ張る、そのようなことでありましょうか。

飛行機も好きですが、電車も好きな筆者からの本日の記事は以上です。

(2019年4月11日 木曜日)

▷▷次のページは

2019年3月米国航空機メーカー「ボーイング」新型機「737MAX」の運航停止を命ずる大統領令が出された話