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2019年5月18日

新司法試験の受験者が5,000人を割りますます予備試験の二階建て試験化していることについて






おはようございます。

2019年(令和元年)5月のビルメン王(@shinya_ueda)提供による現在の司法試験の傾向に関するブログ配信記事です。

今年の司法試験も、全国8会場でスタートしました。

法科大学院修了者らを対象とする司法試験が15日、全国7都市の8会場で始まった。受験者は4,466人(速報値)。合格率の低迷や経済的負担から法曹志望者の法科大学院離れが進んでおり、旧試験をやめて新試験に完全移行した2012年以降、初めて5,000人を割った。(毎日新聞より)

この現在の司法試験は、法科大学院修了者「ら」を対象として受験資格を与えているのですが、もうすでに数年前から、「法科大学院」の2年や3年という終了年限を待たずに、法科大学院の終了資格と同等の資格、すなわち司法試験の受験資格を得ることができる「予備試験」合格からの受験組が、司法試験合格者のメインストリームになっているという事情について報じる大手報道機関は非常に少ないです。

そもそも、筆者もかつて受験して見事に落ちた旧司法試験については、受験資格は大卒であれば与えられた(大卒でなくても短答式試験の前の1次試験から受けることができた)という、日本屈指の平等かつ最難関の資格試験として君臨しておりまして、合格者わずか500人から700人という枠に、最盛期は40,000人以上の受験生が挑戦し、多くは涙を飲んだというものでありました。

この試験一辺倒の試験制度を改革するという名目で、法的思考力を「要請」させる法科大学院の修了生のみに、「新」司法試験受験資格を与えるという試験制度改革が断行され、現在の司法試験のシステムとなったわけですが、あくまで「法曹」を目指す学生や社会人にとって、わざわざ試験資格を得るための「法科大学院」という期間や学費負担がただ課されただけに映り、あろうことか、「法曹」を目指す者(司法試験受験者)がみるみるうちに減少して、実務に耐えられない程度の「粗悪」な弁護士や裁判官、検察官が輩出されるようになってしまったという非常にその界隈では残念な評価が定着している制度でもあるのです。

そして、学生側としては、2年や3年といった修業年限をスキップして司法試験受検資格を得られる「予備試験」へ参入することとなり、平成30年の予備試験は、実に受験者数13,746人の中、合格者はわずか433人(合格率3.88%)と、かつての司法試験を彷彿とさせる、狭き門が「復活」しているのです。

この433人の「精鋭」たちが含まれた、上記4,466人の受験者の中から、政府(法務省)としては、1,500人弱の「最終合格者」を出して世の中に法曹三者(弁護士、裁判官、検察官)を送り出そうとしているわけですが、筆者としては、法科大学院を守るために予備試験の合格者枠を制限している今の現状は極めて競争市場を歪めており、むしろ法科大学院とは関係なく、全員に予備試験合格を課すほうがよほどスッキリするのではないかと考えております。

そうすれば、旧司法試験と同じ、完全な平等市場の復活であり、各法科大学院も、予備試験合格や最終合格のために真にどのような教育カリキュラムが必要か、本気で考えることになると思います。

法科大学院に進まずとも、どの時代にもある一定以上存在する、学部生やひょっとしたら高校生の段階で予備試験に合格してしまう秀才たち(筆者の周りにもいました)には、とっとと実務の世界に出てもらい大いに活躍してもらえれば良いと思っています。

(注)予備試験の受験資格について、現時点では年齢や学歴などの制限はなく、受験料を払えば誰でも予備試験の受験は可能ですので、実は、義務教育修了時点(要するに中卒)のまま、予備試験に合格(法科大学院卒業と同等の学力の認定がなされ、司法試験受検資格を得る)し、そのまま司法試験に最終合格すれば、かつての旧司法試験制度と同じく、中卒の弁護士の誕生となります。

全国の日本の法科大学院の関係各位におかれましては、自らの施し実践している法律的・論理的素養を滋養する教育カリキュラムに自信がおありだと思いますので、ぜひ当職のこの「制度改革」に賛同いただき、真に平等な資格制度の確立と、法曹三者の質の確保と向上に一役買っていただきたいと考えております。

従前の日本の司法制度は裁判期間の長さ、弁護士費用の高さ、裁判所の行政よりのスタンスなどの要因により、国家が国民に十分な法的解決を供給していなかったと言われていました。

しかしながら、裁判の効率化や法曹界の人員の拡充などが必要とされるとはいえ、そもそもそうした法務司法サービスを担う、特に弁護士に対する国民の信頼が担保されなければ、単に三百代言が増えただけで却って国民としては不幸です。

最後に、現在の司法試験の受験合格状況ですが、昨年の2018年は5,238人が受験し、1,525人が合格しています。

合格者を1500人以上とするのが政府(法務省)の目標はかろうじて超えましたが、絶対数としては3年連続の減少で、新試験完全移行後で最低、合格率は29.11%という結果でした。

本日の提言でした。

今後、「予備試験」への参戦をひそかに考えている法学部卒、三百代言の筆者からのコメントは以上です。

(2019年5月18日 日曜日)

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