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2019年10月4日

(2019/10/04)関西電力「2019金の延べ棒入り菓子箱事件」を題材に世界の中の日本経済界の課題を洗い出してみようという記事です

黒四(黒部第四ダム)建設記念碑(黒部ダム公式ページより)




おはようございます。

2019年10月の世界と日本経済のトピックを紹介しながら定点経済観測記事を行うという記事です。

徒然なるままに書いておきます。

中之島の関西電力旧本社の玄関に、かつてあった黒部第四ダム(黒四ダム)の現場をかたどったモニュメントがありました。

これは、関西電力がその総力をかけて取り組み、関西産業界への増大する電力供給を成し遂げた、黒四ダム建設を記念したモニュメントです。

キャタピラの轍(わだち)、作業靴の足跡、そこに投入された延べ1,000万人の工員たちの血と汗と涙の結晶です。

そんな尊敬するご先祖様と先達、先輩を持っているはずの現在の日本では「関電金貨まんじゅう(2019金の延べ棒入り菓子箱事件)」が話題となっておりますが、かの昔に「総会屋」として名を馳せた存在の最終ボス的な存在が、地方公共団体の助役として白日のもとに晒されたという感じがあり非常に味わい深いです。

どうして、関西経済界の最重鎮である関西電力の経営を預かるような方々が、このようなたかだか百万円〜数千万円程度のお金に転ぶのか、数千円のお小遣いの筆者にはわかりかねますが、本質的には日本のパワーエリート(Powerelite)層の報酬が安すぎるというところに根源的な問題があるのではないかと考えています。

関西電力という大組織にあっても、報酬レベルでは大したことのない取締役とか執行役員などが大量にいるボード(経営会議、取締役会、執行役員会議)である、やっている仕事には代わりはないのに、部長とか本部長とか担当執行役員とか担当常務執行役員とか、やたらめったらレイヤーが多く、中二階を積み上げながら、運動会では絶滅危惧種となった七段ピラミッドのようなミルクレープも驚きの重層組織構造を見せているのが日本のPowerエリート組織の特徴になっているという「説」です。

そして、能力というより、コネと毛並みとおべんちゃら、で、ところてんのような押し出しファイリング方式で順繰りに仲良くポジションをシェアしながら当該幹部社員は同じ会社内で「出世」していくので、最初に運良く(能力ではない)執行役員になれるのが、満年齢で実に53才程度という、もう大卒ストレートで入った22歳からでもざっと30年間を、おんなじ組織でぐるぐる回りながらゆっくり階段を登っていくわけですから、それはだいぶ感覚も「ズレ」ていく「おっさん」が出来上がっている、というのは間違いないところなのではないでしょうか。

そして、競争相手といえば、同期を中心としたプロパー社員の2〜3年レンジでどんぐりの背比べをするわけですが、本質的に大卒で集められた時に有意な教育上の差異がなく(東大とか京大とか出ていても所詮受験勉強が得意であったことが推定されるだけの所詮素人)、その後組織の中でのまともなビジネス教育や管理職という責任のある修羅場を経験することはほとんどないので、つまり能力や組織人としての実績で差異をつけることができずに、コネと毛並みと組織遊泳術だけが競争優位となった世界になってしまうわけです。

そんな中、それなりに剪定が進んだけれども、それでも無駄にうようよいる役員陣の中にまぎれこんだものの、そもそもの組織の収益性がそんなに高くないので、多すぎるマネジメント陣を満足させる報酬額を出すことができないのです。

流石に株主という外部の目もあります。

ここで、普通のグローバル組織であれば、例えば10人いる取締役を3人にして、その3人の報酬をそれぞれ3倍にすればいいだけなのですが、そして、その7人をリストラする基準は、当然に「業務遂行能力」ということになるのですが、日本のこうしたパワーエリート型上場企業においては、その肝心の業務遂行能力を測り、組織人全体に納得させるという仕組みや手段がないので、どうしても当然に行うべきそのようなスリム化ができず、官僚組織と同じく肥大化していく傾向があります。

これが、日本のパワーエリートの、報酬が安すぎる問題、の筆者なりの解説(仮説)です。

さて、このように、「不当に」報酬が低いと思っているマネジメント層、(自称)幹部社員は、簡単に天下りや渡りや袖の下に転ぶ傾向があります。

ここは、筆者も全面賛成するわけではありませんが、アメリカのように、現役のパワーエリートの報酬をある程度高くして、引退後は、天下りせずに現役時代の実績を売りに投資ファンドの経営なり事業支援という形でのコンサルティング(業務受託)をして、自力で稼ぐ仕組みにした方がはるかに健全です。

天下りではなく、それまで培ったネットワークや業務遂行能力、および責任を取る胆力といった機能才能に期待して採用されるのではなく、単に紐付きでの「渡り」ほど組織をないがしろにするものはないと思っています。

それなのに、東大も(筆者も出ている)京大も、日本市場でしか通用しないジリ貧のガラパゴス「既得権益」を握りしめたパワーエリート(自称)になることをやめず、かつて聞いていた戦前や高度成長期みたいな「旨み」なんかないじゃんか!と、いよいよ後戻りできない中年になってから気づいて、自らが唯一恃む偏差値にふさわしい?待遇を確保しようとして、焦って卑しい行為に転ぶのではないかと思うとたいへんに、それはもう、言葉に尽くせないほどにただ「哀れ」であります。

明治大正戦前や高度成長期のパワーエリートは、お国と国民のために頑張り、当然の結果として報われたという時代はあったと思うのですが、それを見て東大や京大に受験技術だけで押し寄せたベビーブームジュニアと言われた偏差値教育世代は、仕事の内容というより仕事上の地位ばかりに拘泥しており卑しく見えてきます。

筆者も、このような本質的な能力開発ができない日本の「固い」大企業、については23年前の大学後半時点でうっすらとそのようなことではないか、と思っていたのですが、入った長期信用銀行が5年で「3行統合」によりなくなる、100年の歴史に終止符を打つ、というシステム統合プロジェクトにめでたく採用され、そうして自ら入った銀行の勘定系基幹システムを自らの手で閉じるというとろこまでを実施し、多くの戦友と共に未曾有の2002年システムトラブル(人災)に立ち向かいましたが、日本経済におけるこうした既得権益崩壊は、銀行、証券、そうして電気事業法に守られた電力会社にもじっくりと着実に進んできたのではないかという感想を持っています。

目を世界に転じますと、時価総額5兆円(未上場ですが)ともてはやされたシェアオフィス最大手、Weworkの時価総額が、マスコミ得意の掌返しによるビジネスモデルへの不確実性の一斉の広がりによりCEOは事実上の更迭を受けてブランドが大きく毀損、そうして上場延期により時価総額が1/10以下の5000億円を切るといった観測記事が出ています。

わずか数週間前まで、9月中の上場ということで鼻息が荒かった世界の経済メディアの手のひら返しも含めて、非常に驚いて見ています。

今後、この組織が引き起こした問題は、同社だけにとどまらず、お金をたくさん必要とする不動産賃貸業の常として、早々に資金繰りショートを起こすようなことになれば、同社の金主である日本のソフトバンクとみずほ銀行とサウジアラビアの王子のファンドを道連れに、2008年リーマンショックに迫る世界金融危機の引き金を引くのかというところです。

日本の時価総額2位企業であるソフトバンクグループですが、ゾゾタウンという服飾オンラインショッピングのZOZOを買収したというニュースもつかの間、アメリカでのスプリントのTモバイルとの合併難航、アメリカカルフォルニア州でのウーバーのドライバーの従業員認定、ファーウェイの基地局使用禁止、アリババのアメリカ上場廃止などなど、もの凄い逆風が吹いているという状況です。

世界経済は大変な勢いで進んでいき、この観測の興味は尽きることがありません。

最後に、関電経営陣は、かつて関西経済界を救うため、黒四ダム建設に命を捧げた171人の犠牲者たちに、詫びてもらいたいです。

こういった「人間力」に関することこそ、今の、これからの「教育」できっちりとわかるまで子供たちに教えるべきことではないかと考えております。

そろそろ自分の仕事に戻りたいと思いました筆者からの昼休み記事は以上です。

(2019年10月4日 金曜日)

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