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2018年9月13日

2018年9月時点における筆者の世界経済と株式投資銘柄についての個人的見立てについて






おはようございます。

2018年9月の世界経済や投資環境に関する筆者の私見を述べるという定点観測配信記事です。

現在のアメリカのトランプ大統領の動きを俯瞰しますと、明らかに目的は中国政府が推し進める「中国製造2025」の阻止であることは明白です。

この戦略の是非はさておいて、当否として、世界の覇権を握り続けたいと念ずる米国戦略としては正しいと言わざるを得ません。

そして、この米国戦略の最大の標的は、アリババやテンセントといった、急成長を遂げた中国深センを根城とする中華系IT企業群であることは論を待ちません。

もちろん、中国4,000年の歴史の底力を見せて、このトランプ包囲網を跳ね返し、中国ITネット企業が成長を続けるという可能性もありますが、最近のアリババなりテンセントなり、中国株式指数なりを見るにどうもここは厳しい戦いになりそうです。

トランプの思惑に国益を重ねた、米国ウォール街の欧米金融機関が、トルコに行なったごとくの売り浴びせをかけた場合、その影響はトルコリラの下落など比較にならないものが予想される、というのは本来リスク回避的な動きをすべき投資家の共通認識として正しいと思います。

ここにいたって、2018年9月現在の米中関係は、単なる「経済」的な貿易摩擦というよりむしろ、「外交」「安全保障」といった軍事的な観点において語られるべきと思います。

つまり、少し前の米ソ冷戦のごとく、前回はソ連が崩壊し不戦勝に終わった米国が、新しく世界の覇権を目指し始めた中国に対し、きつい一発をかまして叩き落とそうとしているのであり、これが世界全体にとって不経済といくら経済学者や金融ジャーナリストが叫んだところで、そのような合理的な視点で解決する類のものではないと思うのです。

このように、中国ではアリババのジャック・マーも引退し、トランプは依然として大統領に居座り続け、2期目も伺いながら、アメリカファーストで世界中に経済戦争をしかける模様です。

彼にとっては、戦争も含めて経済は全て単なるビジネスであります。

このトランプ大統領の動きで最も得をするのが、残念ながら彼の最も嫌っているシリコンバレーの米IT企業でありその代表格の1兆ドル企業Amazonであろうというところが皮肉なのですが、それでも、トランプは嫌いなもののうちでも米国企業を優先しようとするでしょう。

現に、トルコといった新興国通貨と株価は、アメリカ株式市場以外は下落しており、中国株式市場はもとより欧州、日本も最近は一進一退の状況に陥りながら、ずるずると下落リスクを顕在化させているように見えます。

この状況の中、アメリカ株だけ独り勝ちなのは、別に世界経済が好調であるというわけではなく、トランプ大統領が世界中から利権をひっぺがえしてきていることが大きく、そして、トランプ大統領はあえて意図していないと思いますが、その経済楽園と化したアメリカの中の、さらにとりわけ自由なカルフォルニア、シリコンバレーに世界中からインド人や中華系、ヒスパニック系の移民がさらに集まり、経済ユートピアを建設していくのではないでしょうか。

そして、世界経済全体は、世界的な人口減少世紀の本格化を控えて、非常に停滞していくことになると思っています。

世界中で、通貨が刷られ、金融緩和は進み、人為的インフレを引き起こした国家財政再建を数十年単位で行うことになると思っています。

特に日本で行われていることが、いずれ世界中に渡るというわけです。

そんな停滞した世界の中、既にグーグルもマイクロソフトもトップはインド人IT技術者になった、そこにファンドで乗り込むウォーレン・バフェット先生や、最近では日系の孫正義氏のような人間も入り乱れて、ここから少なくとも10年はシリコンバレーがIT知能の中心として栄えるのではないかと思います。

なので、筆者のオススメする株式投資銘柄としては、やっぱり

・アップル(孫がiPhone持ってるバフェットも買いだした)
・アマゾン(小売業世界トップ、おそらくAppleを1年以内に時価総額で抜きそう)
・グーグル(世界最高の知能企業)
・マイクロソフト(今を振り返ること25年前からおじさんおばさんの知る唯一の世界標準OSと文書作成、表計算ソフトを提供しつづける世界のデファクトスタンダード企業)

という、いわゆる世界プラットフォーマー企業群となってしまいます。

この点、あの、あまり代わり映えのしないiPhoneの新機種リリースもほとんどバレているあのアップルに今更投資するのか、既に高値圏になってしまったアップルを今更買うのかよ、という向きもありますが、アップルがここから2倍(時価総額2兆ドル)になる可能性の方が、例えば中国ネット企業の代表格であるアリババやテンセントの株価や日本のどこかの企業が今から2倍になる可能性よりはるかに高そうに思います。

iPhoneシリーズに関して言えば、日本の普通のおじさんもすでにiPhoneを普通に持ってアプリ回しているという通常の光景こそが、新しもの好きが飛びつくガジェットから真にiPhone端末がレガシーな人種にも行きわたった通常デバイスに昇華したとも言えると思います。

最近のアップルは新規性がないとかいいますが、マイクロソフトも事実上のスタンダードにWinXPを据えて新規性がなくなったと言われたところからずっと利益をenjoyしているということを合わせて考えますと、新規性がなくなったところの金のなる木に投資するのも投資の王道ではないかということです。

現時点での見解は以上ですが、筆者の見立ては当たることが少ない点については、大いに割り引いて咀嚼いただければと思います。

明日には豹変しているかもしれないながら、現時点においての投資環境についての個人的見解については以上です。

(平成30年9月13日 木曜日)

2018年4月30日

朝鮮半島南北首脳会談で合意された朝鮮半島非核化というロジックに秘められた北朝鮮の真の意味について






おはようございます。

2018年4月最後の極東国際政治情勢に関する配信記事です。

その前に、本日をもって、30年を数えているわれわれの年号「平成」もあと1年ということになりました。

今上天皇陛下におかれましては、来年の4月30日をもって、「退位の礼」により天皇位を降りられ、平成31年4月30日をもって平成は終わり、次の年号(現時点で未発表)に移行し新天皇の即位となります。

非常に、感慨深いものがあります。

今上天皇陛下は、退位の礼において、国民に対してお礼のお言葉を述べられるとのことで、まことに畏れ多いことでございます。

国民側の我々も、そうしたお気持ちに応えられるように、しっかりその時に向かってやっていきたいと改めて思いました。

さて、北朝鮮の核問題に関する論考です。

朝鮮半島の南北首脳会談が行われ、それなりの進展があったかというような楽観的な報道がなされていますが、筆者のような懐疑論者にしてみれば、まんまと北朝鮮外交部のシナリオ通りにことが進んでいるように見えてなりません。

なぜならば、日本の大手マスコミも諸手をあげて大きく報じた「朝鮮半島の完全な非核化の実現」という言葉には、非常な困難、というよりありていに考えればほぼ不可能なことであることが明らかなことが含まれているからです。

端的に申し上げますと、北朝鮮は、勝手に開発した自身の「チンケな」核兵器をもって、それを放棄する代わりに、「在韓米軍が持っている「世界一強烈な」核兵器も当然に韓国から除去するよね?」と突きつけてきているだけなのです。

そんなこと、米軍および韓国政府の首脳からすれば、安全保障上どだい無理な話だと思います。

北朝鮮のすぐ後ろには、中華人民共和国(台湾に事実上遷移した中華民国を除く)およびロシア共和国という、世界でも有数の核保有国が控えておりまして、その二国に対する抑止力という意味で、韓国の米軍および韓国軍、合わせて沖縄の米軍、日本の自衛隊というのは非常に重要になっているわけであり、この原則を無視して韓国政府が米軍に対して核兵器を撤去してくれなどと「要望」するような状況は、日本にとっては悪夢でしかないという厳然たる国際政治の状況認識があるわけです。

北朝鮮のもっているチンケな核開発施設と核兵器と、在韓米軍の核兵器の同時撤去、こんなものは明らかにバランスを失していますし、さらに勝手に開発した核兵器の撤去の見返りとして要求するレベルのものではないというのが、日米韓の政治トップの共通認識であるべきだと筆者のような素人でも思うのですが、どうも現在の韓国大統領周辺あたりには「北朝鮮による朝鮮半島の統一」すら望んでいるのではないかとも思われる言動が目立つようで、控えめに申し上げましても危なっかしくて仕方がない、という印象です。

国際政治は魑魅魍魎(ちみもうりょう)の巣です。

健全な批判的精神をもって、ことに当たっていただきたいと願います。

大学の国際政治学の講義の成績はかろうじて「可」でありました筆者からの記事は以上です。

(平成30年4月30日 月曜日)

2018年4月17日

昼食夕食と喫茶との中間の軽食をターゲットにした豆皿中華店がオープン(地域の話題)







おはようございます。

2018年4月の中華料理に関する配信記事です。

中華料理は筆者も大好きですが、例えば1人で中華料理屋に行きますと、青椒肉絲(チンジャオロースー)なりエビチリなりチャーハン(炒飯)といったメニューにいろいろと舌鼓を打ちたいところですが、残念ながら1品か2品で断念しなければなりません。

これは、中華料理が大皿で複数人で取り分けて食べるということを割と前提としていることから生じる葛藤なのかもしれません。

そこで、次は皿うどんを食べようかな、と思って今回その店を出たとしても、また時間をおいてその店に来た時には、やっぱり定番のチャーハンか餃子、という感じで、いつ同じシングルループの同じところを回っているということになりかねません。

したがって、このような一般の中華料理屋でメニューの冒険をしてみたいと思った場合、筆者としては勇気を振り絞ってたくさんの人を飲み会なりに誘って、大人数で乗り込めば、かなりメニューの幅が広がります。

しかしながら、いろいろな中華料理を食べたかったから大勢の口(人)を呼んだということでは、手間もかかるしそもそも人それぞれメニューの思考も千差万別なわけですので、これが最適なる解ではありません。

そんな問題点をうっすら認識したところで、ちょうど良さげな店が近所にオープンしたのでご紹介します。




福岡市の六本松に「豆皿中華Q」がオープン




筆者の地元の福岡市中央区六本松(六本木ではありません、ろっぽんまつです)にできた「豆皿中華Q」というお店です。

中華料理はいろいろな種類があるのに、普通のお店は大皿だから一品くらいしか食べられない、もっとちょこちょこいろいろな食材やメニューを楽しみたいよね、というコンセプトから生まれたこのお店、大皿から小皿を通り越しての豆皿メニューです。

まるで駄菓子屋のように、ちょこちょこした単価のメニューが並びます。

頼むのが面倒な人向けには、最初にとりあえず頼んだらいい豆皿9種が1プレートに載った「Qセット」をオススメします。

店長をやっているという、通称Qちゃんである「Q」と「9」を掛けてるんだろうと思うのですが、これで、9品の中華料理を小鉢で食べる感覚で楽しめます。

日本料理屋で出てくる付け出しが9種類、そんな感じですが、料理はいずれも小ポーションで安価ながら、味はしっかり研究されています。

この店ではお酒も量り売りで出しておりまして、小さいワイングラスになみなみと、ロゼワインなんかを注いでくれます。

文字通り、豆皿を下に敷いて、なみなみとついでわざと下の皿にこぼす、日本酒を升に入れたグラスに注ぐような感じで、なんだかお得な感じがするのは筆者だけでしょうか。

さて、オープン間もないところでしたので、追加でチャーハンの豆皿と、あとトマトと卵をざっと炒めたやつをいただいて、今回は早々に退散しました。

思えば、外食どころというのはランチやディナーを提供するところ、深夜までやっている飲み屋に加えては、それ以外の時間帯での喫茶という業態しかなかったところ、ちょっとした本当の意味での軽食、というジャンルはなかなかなかったなあと思い、飽和していると勝手に思っていた外食業界にもどうして進化の余地はあったのだなあなどと思った夜でした。

巷の喫茶店には軽食コーナーもありますが、これは、軽食というより朝食もしくは昼食を食べそびれた人が少し口にするといった性格のもの、もしくはランチそのものの場合であることも多く、本当の意味での小腹が空いたので少しつまむ、という外食業態は、この豆皿中華のような形として結構流行ってくるのではないかと思います。

バルウォーク、といういろんな店のいろんなメニューを少しずつ楽しむという食のイベントも、そこかしこで行われるようになりました。

我々の社会はまだまだ進化していく余地がありそうで楽しみです。

一緒に食べにいく友達が少ない筆者からの論考は以上です。

(平成30年4月17日 火曜日)

2018年4月15日

ドイツと日本の大きな歴史の類似点についてざっくりとした見解を述べておきます






おはようございます。

国際派とは到底言えない筆者からの2018年4月の国際関係に関する教養的配信記事です。

ドイツと日本、先の第二次世界大戦で日独伊軍事同盟を結び共に敗戦国として辛酸をなめたという近現代史を持っておりますが、それ以外にも、共に勤勉な国民性といったところや経済活動がうまい、または組織で動くと力を発揮するといった似たような国民性を持っているように感じます。

こうした類似性がどこに由来するのか、それはもしかしたら両国の歴史的背景が意外に似たようなものであるからかもしれないと思いまして筆をとりました。

ドイツは、かつて神聖ローマ帝国が支配した国でした。

しかし国土は森に覆われ、あまり領土内での人の行き来がしにくい土地柄であったことから、どうしても地方政権たる「領主」の力が強いままで推移したという歴史があります。

隣のイギリスやフランスが、早くから統一王朝をもって相互に大きな政治的パワーでぶつかった、といったような歴史を持たなかったのです。

そうして、神聖ローマ帝国の皇帝位のハプスブルグ家による事実上の「世襲」が始まると、オーストリアを地盤とするハプスブルグ家になびき、これまでの旧教(カトリック)を奉じる取り巻きの領主たちと、ルターによる宗教革命を経て新教(プロテスタント)を奉じる独立した領主たちによる領地がそれぞれに、独立した領主による宗教的政治的支配を高める一方になっていきます。

こうして、事実上神聖ローマ帝国はただのお飾りとなり、まさに日本における戦国時代、室町将軍の地位がほぼ名目上のものとなってしまったことと同じような状況になっていくのです。

しかも、日本の戦国時代においては、まだ宗教対立というものは世界的レベルで言えばそんなでもなかったところ、ドイツにおいては、同じキリスト教でも旧教と新教という、お互い異端としていがみ合う間柄でありますことから、より先鋭的に、おのおのの領主は、まさに他国の国王並みの権力(政治的にも宗教的にも)を事実上保持することとなっていくのです。

こうした作用が働き、さらに神聖ローマ帝国(神聖ローマ皇帝)は実のない、名目だけのものとなっていくのです。

そんな中、なんと神聖ローマ帝国に皇帝が立てられなかったという大空位時代といった時代も出現し、最終的に、この新教旧教の対立の局地として、ヨーロッパ最大かつ最後の宗教戦争である三十年戦争というのが起こります。

そうしてその三十年戦争の講和条約が締結されます。

ウェストファリア条約といいます。

世界最初の近代的な国際条約とされておりまして、ウェストファリアは、ネーデルラントに接したドイツ西部の地方の名前です。

神聖ローマ皇帝、ドイツの66の諸侯、フランス、スウェーデン、スペイン、オランダなどの代表が参加した、世界で最初であると言える大規模な国際会議を経て、1648年にようやくウェストファリア条約が締結され、三十年戦争は終結したのです。

これにより、ドイツの66にも及ぶ諸侯は、ほぼ「国」としての存在と同一視できる程度の宗教的政治的力を認められることとなり、神聖ローマ帝国はこれをもって事実上終焉するということになります。

こうして、領主とか諸侯と呼ばれたドイツのこれらの「国々」は、以後名実ともに「領邦国家」と呼ばれることとなり、それからさらに200年以上、それぞれ「独立国」としての事実上の体裁を保つことになるのです。

日本においては、ちょうど明治維新による国家統一(1868年)の前、それまでで最強の徳川幕府による事実上の全国支配が始まったものの、あくまで日本全国は諸藩による政治裁判権に服しており、統一国家とはみなせなかったわけですが、ドイツにおいては、ウエストファリア条約によって、より領邦国家の地位が強固に「確認」されたことから、戦国時代を経て幕藩体制に取り込まれていった日本の三百諸侯(藩)よりもより先鋭的に、各地方の独立色が強く、近代統一国民国家の成立には、それから共に200余年を必要としたという意味で、非常に似通った近代史を持っているのです。

ドイツの近代国民国家としての統一は、日本より遅れて1871年、ドイツ人がホーエンツォレルン朝プロイセン王国の国王ヴィルヘルム1世を「全ドイツ帝国の皇帝」として戴くことを決め、ドイツ人の統一国家を成立させるまで待たなければなりませんでした。

その後の、近代国民国家を後発ながら成立させた両国は、これまた同じような国家発展と対外主義を持ち、そうして第二次世界大戦のヨーロッパおよび極東のそれぞれの枢軸国の盟主として、世界の連合軍相手に戦い、そしてアメリカイギリスフランスといった西側諸国に加えて、ソヴィエト・ロシアによる侵攻(ドイツにとっては一旦ロシアに攻め入っているので逆襲)を経験し戦後を迎えてその後の経済発展を行ったというざっくりとした歴史認識になるわけです。

非常に面白い観点であろうと思います。

さらに遠い昔、そもそもドイツのゲルマン民族を最初に民族移動に駆り立てたのは、遠く東アジアの北方からシルクロードやステップロードを超えてきたこちら側の騎馬民族の動きであることからも、日本とドイツには何かと縁深いものがありそうな気がします。

ここまで延々と書きましたが、ドイツはもとよりヨーロッパには行ったことがございませんので、知っているドイツ人(超人?)といえばブロッケンJr.とカール・ハインツ・シュナイダーくらいという、そんな程度の筆者からのつぶやきは以上です。

(平成30年4月15日 日曜日)

2018年4月14日

アメリカがイギリスフランスと共同してシリアを空爆した報に日本はどう声明するか






おはようございます。

2018年4月の国際政治に関する配信記事です。

ついに、シリアへの米国英国仏国の共同の空爆攻撃が行われた模様です。

シリアへの空爆については、2017年4月にも行われていますが、さて日本は本件に対してどのように対応するか、非常に微妙かつ双方にとって良い顔をした、有り体に言えばこうもり的な対応に終始するはずであるという予測をしますので披瀝します。

まず、前回の空爆に対する声明は、以下にあります。

【前回の声明】
https://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201704/07kaiken.html

政府公式見解ですので、全文を引用いたします。

***

 平成29年4月7日、安倍総理は、総理大臣官邸で会見を行いました。

 総理は、シリア・アラブ共和国の情勢について次のように述べました。

「シリアにおいて再び化学兵器によって何の罪もない多くの一般人が犠牲となりました。幼い子供たちもが犠牲となった惨状を目の当たりにして、国際社会は大きな衝撃を受けています。極めて非人道的であり、国連決議にも反します。
 化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を日本政府は支持いたします。その上で、今回の米国の行動はこれ以上の事態の深刻化を防ぐための措置と理解しています。
 そして、東アジアでも大量破壊兵器の脅威は深刻さを増しています。その中で、国際秩序の維持と同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを日本は高く評価します。
 今後、米国を始め国際社会と連携をしながら、世界の平和と安定のために日本は果たすべき役割をしっかりと果たしてまいります。」
シリアへの米英仏の空爆が行われたようです。前回(昨年4月)同様、日本は微妙な対応をするでしょう。

***

さて、ここに書いてあることは非常に勇ましいのですが、ここに敢えて書いていない(言えない)部分があります。

シリアに空爆したという米国ほかの国としての行為に対して、いいとも悪いとも何も評価を加えていないのです。

あくまで、米国の一般的な「化学兵器と拡散と使用」「国際秩序と世界の平和と安全に対するトランプ大統領率いる米国の強いコミットメント」については高い評価を手放しで与えて支持しているのにすぎません。

空爆そのものを国際法上正当化するのは難しいという、平和国家日本を彷彿とさせる態度をとっている、というのは早計です。

より直接的には、シリアの背後にいるロシアに対して、どのように対応するのか日本国としてスタンスが決まっていない、もしくは曖昧であるためこの点については触れたくないのです。

ロシアからは四島を取り返したいし、そのために決定的にロシアと断絶するのは得策ではない、という意見もあれば、どうせ返す気のない四島にこだわって弱腰外交(共同投資という名の経済支援)を続けていても実ることはない、実力行使を行えといった意見までいろいろあるので、統括する外務省や外務大臣としても、首相に対して空爆そのものの評価については棚上げしておくしかない、ということなのです。

ですので、空爆そのものを支持評価できない後ろめたさから、勢い他の部分では一生懸命言葉を尽くして言辞を弄して粉飾、お化粧したコメントとなっている、このように筆者のような者には映るわけです。

さて、これを読んだ海外のメディアは、そんな日本人の国際社会に向けた「忖度」など全く普通に理解しませんので、即日米同盟にのっとって「日本が空爆を支持(Japan supports airstrikes)」と報じます。

そして、こう書いてくれるのは、実は日本の外交当局(外務省とか外務大臣とか)にとっては、むしろありがたい勘違いということもあるのです。

さて、今回はどのような声明がなされるのでしょうか。

国際社会を渡り合っていくには、いろいろと勉強する必要がありそうです。

こうした事例に多く触れていけば、日本が置かれた立場や方針に沿った、対外的な声明の発し方や読み方が深まることだと思います。

日本には、言葉に宿る霊的な力が信じられており、それは言霊(ことだま)として一般にも知られています。

聖書にもはじめに言葉ありき、と記されていることからも、何を言うのかその背景を考えることは、このテクノロジー全盛の時代においてもとても大切だと思います。

語彙がなかなか増えない筆者からは以上です。

(平成30年4月14日 土曜日)

2018年4月2日

配車シェアリングサービスのUberが東南アジアも現地業者に任せて撤退とのこと






おはようございます。

2018年4月の世界的企業買収に関する配信記事です。

米国発の配車サービス世界大手のUberの世界展開にさらに大きな変化が起こっています。

Uberが、その直営事業としての展開を、ロシアおよび中国ではすでに諦めて一旦撤退していますが、このたび、東南アジアの事業についても撤退を決めたとのことです。

Uberは米国時間2018年3月26日、東南アジアの事業を、同地域で競合するGrabに売却することで合意したと発表したのです。

その声明によると、Grabはカンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムという広い地域で展開されているUberの全事業を引き継ぐことになります。

これには配車サービス、食料品宅配(Uber eats)、決済、附帯する金融サービスなどが含まれます。

しかしながら、Uberはこの撤退によって全てを失うのではありません。

逆に言い換えれば、名を捨ててしっかりと実を取ったとも言えるのです。

なぜなら、Uberはこの巨大な事業売却に伴い、対価としてGrab自身の株式の27.5%を取得し、大株主としてUberの最高経営責任者(CEO)であるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏がGrabの取締役会に役員として加わることになるからです。

UberとGrab、双方の大株主である日本のソフトバンクグループが黒子役を演じたとも言われています。

Grab側の最高経営者であるAnthony Tan(アンソニー・タン)氏は、声明を出しました。

「統合後の事業は、プラットフォームとコスト効率の面で同地域を主導するものになる。Uberと統合することで、顧客が求める以上のサービスを提供するというわれわれの約束を果たす上で、さらに適切な体制が整うことになる」

「この買収は新しい時代の幕開けだ」

一方、名を捨てて実を取った形のUberの最高経営責任者のDara Khosrowshahi氏もインタビューに答えました。

「この事業売却はこれまで5年間の同地域全域にわたるUberの成長の「証」」

「われわれは、地球上における顧客体験を創造するための自社製品と技術に力を入れ、成長に向けた計画を強化することができる」

Uberとしては、Grabの株式の多くを取得したと強弁したいところですが、どうも勢いとしては、どちらが買収してどちらが買収されたのかよくわからないように見えるのは筆者の東南アジア側への贔屓目でしょうか。

シンガポールでは現地運転手に見間違われ、フィリピンのセブ島では海の素潜りがうまいと「彼はどこのポリネシアンか」とお褒めの言葉をいただいた、おそらく遠いご先祖は東南アジアに縁があるのかと思われる筆者からは以上です。

(平成30年4月2日 月曜日)

2018年3月29日

デザインの力は世界に通用する貴重な技術であると改めて思った話です






おはようございます。

2018年3月の海外渡航に関する配信記事です。

日本の福岡国際空港から、セブ島に向かっております

以前に海外渡航した時より、明らかに訪日外国人が多く、空港カウンターは人々でごった返しております。

筆者の海外渡航はこれで通算9回め、

釜山、ソウル、台北、シンガポール、シンガポール、シンガポール、クアラルンプール、ハワイ、そして今回のフィリピンのセブ島となります。

いずれも、日本人が過去国家として到達したことがある地点であるということが共通点ということで、何らかの縁を感じざるを得ないわけですけれども、今回は日本を出てすぐに感じたデザインの力について少し書いておきたいと思います。

過去の海外旅行や日本における訪日外国人に対するいろいろな情報提供は、これまではやはり「文字情報」が主だったように思います。

たとえば、同じことでも、日英韓中の4ヶ国語で表示するとか、そういうことですけれども、これでは同じ情報を違う言語ツールという手段で4回繰り返しているだけなので、なかなか情報量を載せられません。

その点、最近思うのは、こういう情報のやりとりに、フラットでシンプルなデザインが非常に多く使われるようになったということです。

たとえば、日本における観光資源である「食事」について、ごはん(丼もの)やうどん、ラーメンなどをこのように数個の共通のイラストで表示するといった具合です。

小さいことですが、これはものすごいセンスだと思います。

こうしたセンスが要求されるのがデザインの力であり、言語情報を超えた、デザインで一瞬で伝えるという力です。

このような世界に通用するイラストやアニメの力を持つ日本の誇るべき技術は、電子機械技術のほかにもあるのではないかと思いました。

何でも好きなアニメの話に持っていこうとしてしまう筆者からの論評は以上です。

では行ってきます。

(平成30年3月29日 木曜日)

2018年3月25日

国際政治をやっていく上で必要なインテリジェンスについて例をあげて説明します






おはようございます。

2018年3月の国際政治に関する配信記事です。

日本政府は、国内問題を抱える中、外交での成果を政権浮揚の一手としたい模様で、これまで強硬一辺倒だったいわゆる北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国と名乗っている一派)に対する対話を行う非公式ルートを通じた打診を行なっているとの観測が流れています。

国内での問題を抱えた政権が、外交での勝負に打って出るのはなにも昔のことだけではないようですが、ここで想起されるのは、今を遡ること十数年前、2004年7月に北朝鮮の拉致被害者であった曽我ひとみさんが夫のジェンキンスさん(米国籍)と再会して一家で日本の佐渡島に移り住むというお膳立てを日本政府が行なったときのことです。

この時も、参議院議員選挙を控えた日本政府は、拉致被害者の曽我ひとみさんが家族で日本で暮らすことができるようにと、夫のジェンキンスさんと二人の娘を北朝鮮から呼び寄せるという勝負に出ます。

再会は、第三国であるインドネシアの首都ジャカルタのホテル、曽我ひとみさんは2004年7月8日に日本を民間機で出発し、ジェンキンスさんと2人の娘は日本政府がチャーター機で7月9日に平壌まで出迎え、北朝鮮を出国させました。

そして、双方がジャカルタのインターコンチネンタルホテルにて再会し、2003年10月に曽我さんが拉致された北朝鮮から無事に母国日本に帰国して以来、実に1年9カ月ぶりに一家は再会し、そうして曽我ひとみさんの説得によりジェンキンスさんとその娘2人は母の母国の日本に永住することになったのです。

さて、なぜインドネシアが選ばれたのかと言いますと、(1)日朝両政府の大使館があり、警備もしやすい(2)医療施設が整っており、体調面で不安があるとされるジェンキンスさんが安心できる、といった一見もっともな理由が取りざたされましたが、そうではありません。

それは、もともと在韓米軍を脱走して北朝鮮にやってきたジェンキンスさんの特殊な事情があったわけです。

つまり、犯罪者をその所属する国に引き渡す条約が米国となされていない、それに加えて北朝鮮と国交がある、という国を探すことが必要だったわけです。

そうして、日本政府(外務省の官僚のみなさん)が頭をひねって調べて考えて、そうして、ちょうど上記の2点を満たすインドネシアを選定して現地政府と交渉して、ことを運んだというわけです。

日本に住んでいると、どうしても世界の国際情勢に疎くなってしまうようですが、このように諸外国との交渉ごとは日々状況の変化に対応して打つ手が変わっていくというわけです。

アメリカ本土にもヨーロッパにも、未だ足を踏み入れたことのない国際音痴の筆者からの解説は以上です。

(平成30年3月25日 日曜日)

2018年3月22日

憲法学徒の端くれとして現代中国の終身国家主席に謹んで意見しておきます






おはようございます。

2018年3月の独裁政治に関する考察記事です。

日本の主要メディアも報じておりましたが(遅まきながら当零細報道機関でも言及しますが)、中国(中華人民共和国、以下特に断らない限り同国を指し、1911年建国の中華民国政権が事実上統治している台湾については除きます)が憲法で現在2期10年までと定めている国家主席の任期に関する規定を削除しました。

ということで、これは、2018年現在の習近平政権がずっと続いていく、ということになります。

ロシアの最高権力者、プーチン氏も、大統領に関するロシア憲法の規定に一応従い、一旦首相に「降りて」、再度大統領に再任されたという経歴を持っていますが、それを上回るレベルの、憲法から変えて自身の終身独裁制を完成させたという、憲法学徒の端くれとしてはまことに末恐ろしい事態となりました。

一体、世界は進歩したのかどうか、甚だ疑問です。

中国で、何と言っても一番の権力基盤は中国共産党です。

中国の最高権力者、習近平氏の代表的な役職は3つあります。

共産党中央委員会総書記(日本においては最大与党自民党の総裁のパワーアップ版のようなもの)
国家主席(超強力な内閣総理大臣のようなもの)
共産党中央軍事委員会主席(超絶強力な防衛大臣のようなもの)

今回、対外的にも国の顔である国家主席の任期が無期限となったということは、その権力の源泉である共産党を抑えている習近平にとっては、そのまま習近平独裁の完成ということになります。

ちなみに、共産党総書記の任期は1期5年ですが、再任が可能であるため、これも要するに自動更新契約のように、習近平が生きている限りほぼオートマチックに再任されるということになるのでしょう。

次は、始皇帝に習って(倣うという漢字をあえて使わない)不老不死でもやりますか?というレベルに達しました。

いや、この世も進歩してきていると思っていたのですが、こんなわかりやすい、第二次世界大戦前夜のヒトラーの総統就任からのワイマール憲法停止のコンボを超える歴史事象を生きたこの目で見ることができるとは思えませんでした。

国家主席ポストは1954年に設置され初代に毛沢東氏が就任しました。

要するに毛沢東独裁の色の濃い、毛沢東主義そのままの制度だったので、彼の、彼による、彼のための文化大革命(共産党内の権力闘争)の中国人民大量虐殺の反省を受けて1975年にいったん廃止されました。

しかし1982年、より時代に即した「まともな」指導者と目される鄧小平時代に復活しました。

ただし独裁者に極度に権力を集中させないために憲法上の制約として任期とその制限が設けられたのです。

以来、国家主席につく人間は、この権力への縛りを守ってきました。

しかし、毛沢東時代の再来を夢見る習近平にはただのうるさい制度にしか過ぎないのでしょう。

絶対権力は絶対に腐敗します。

このような制度を許す人民の民度にこそ真の問題があると思います。

現代の独裁政治を現出させた全人代(全国人民代表大会)の「賛成2,958票」のみなさん、よほど後の世の歴史家や国民に厳しく指弾される覚悟がおありと見えます。

「反対2票、棄権3票」を投じた方々、名前は存じませんがわが零細メディアは全力であなたたちを支持支援したいと思います。

大学でもたいして勉強してきませんでしたが、絶対権力は絶対に腐敗するという英国アクトン卿の言葉だけはきちんと教わった筆者から以上です。

(2018年3月22日 木曜日)

2018年3月19日

絶対権力は絶対に腐敗するという古今東西の公理を改めて述べておきたい話です






おはようございます。

2018年3月の国際政治経済に関する配信記事です。

お隣の国中国(あえて中華人民共和国とは書きません。1911年に建国された中華民国の正当後継である政府が台湾にいる以上、そこに部外者が立ち入るのはよしとしないスタンスです)における権力闘争は激化の一方ですが、その政府の挙動が世界政治経済に無視できないレベルに達しつつあるのは衆目の一致するところです。

現在、中国において暗闘を繰り広げているのは太子党と共青団という略称で呼ばれる2つの大きな派閥です。

太子党とは中国共産党の元老たちの子弟で構成される緩やかなギルド的派閥です。

太子とは言葉の通り「プリンス」の意味で、親の権力と人脈、ネットワークによって強い地位につきます。

現在の代表は明らかに習近平国家主席であり、その父は習仲勲(元国務院副総理、つまり副首相)です。

親の地位を子が超えることが稀ですが、たまにこのようなことがあると、親子二代に渡って周王朝(間違えました「習」です)のような状況を呈してきます。

今回、中国憲法が「改正」され、国家主席の任期は2期8年であったのが、「無期限」となったことも、現在の習近平国家主席および彼の率いる太子党の権力が、かつての日本の藤原氏や平家を彷彿とされるレベルに達したことの証左でありましょう。

太子党の面々が崇拝するのは、建国の父である毛沢東です。

一方、中国共産党のエリートテクノクラートの養成機関の側面を大きく持つ、党の下部組織である共産主義青年団(共青団)は党の青年組織として、こちらも多大な力を持っています。

出自に関わらず、有能かつ他に推挙されうる人格と個性、人徳を持つ人物が自然と推戴されていきます。

全国家主席の胡錦濤、および現在の国務院総理(首相)である李克強といったメンバーが、青年団の代表です。

この二派に、実は政治的思考の違いはそんなにありません。

単に出身母体の違いというだけであるというところも面白いところです。

さて、中国の国家統治のあり方としては、国家主席と国務院総理(首相)の二重権力状態として相互に牽制監視させるというのが少なくとも制御装置として機能してきたようですが、この国家主席の無期限化によって、大きくその構造は「終身独裁」に舵を切ったように思われます。

世界最大の人口を擁する国、未だインターネットの書き込みが明確に監視されている国、不思議な大国の動向に世界が直接影響を受ける、そのような時代に我々は生きているのです。

台湾には行ったことがありますが、実は中国本土には行ったことがない筆者からは以上です。

(平成30年3月19日 月曜日)

2017年11月4日

文化の日(11月3日)がどのようにして祝日になったか知っておくべきという話





おはようございます。

2017年11月の記事です。

さて、毎年11月3日は日本では祝日となっております。

「文化の日」ということで、現在の祝日法には、文化の日の意義としては、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨となっております。

確かに、文化の日として例えば文化勲章の授与が行われたりと、祝日ムードが定着しているとは言えます。

しかしながら、そもそものこの11月3日になぜ文化の日というよく考えれば曖昧模糊とした祝日が定められているのか、真の意味を知っている方は少ないと思いますので、本日はこのようなブログ記事でもひとつくらい賢くなってもらいたいと願って書いておくものです。


11月3日文化の日は戦前の明治節で明治時代は天長節(天皇誕生日)


はい、いきなり解答を題字にして乗っけておりますが、まどろっこしいことは嫌いな性分なのでお許しください。

もともと、近代日本においては天皇誕生日は祝日でした。

その時代における一世一代の天皇陛下の誕生日を、天長節と称して、祝日にしていたわけです。

つまり、明治時代の今上天皇陛下のお誕生日である11月3日を、明治時代その当時の天長節として祝っておったわけです。

明治天皇が崩御され、時代が大正昭和と変わりゆく中で、明治神宮の創建など明治天皇への崇敬から明治天皇記念祝日制定の請願運動が起こり全国から署名が集められ、衆議院と貴族院に提出されました。

こうした国民の運動の結果、時の加藤高明内閣において明治天皇記念祝日の制定が建議され、大正天皇崩御後の1927年(昭和2年)3月3日、「明治節制定ノ詔書」により11月2日は明治節という祝日になったというわけです。

そのまま1945年(昭和20年)の終戦により新憲法公布、施行という大行事を控えることになりました。


新憲法(今の日本国憲法)の公布前夜の攻防


敗戦、そしてGHQの支配の中で、日本は新しい国の再興を自らの手で行なっていくこととなります。

そうして、新しい国会議員を決める総選挙を行い、新憲法の枠組みを決定し、その公布および施行するところまでこぎつけました。

あとは、公布するのみです。

憲法の施行については、当時の社会情勢から今までの大日本帝国憲法と大きく異なる日本国憲法の周知期間に半年(6ヵ月)しか使わないというのは驚きでしたが、それでも私たちの先輩たちはそれでよいと、いよいよ公布に望むことになったわけです。

ちなみに、日本国憲法第100条は、

「この憲法は、公布の日から起算して6箇月を経過した日から、これを施行する。」

と定めています。

この日本国憲法公布前夜において、当時の内閣法制局長官であった入江俊郎さんという人が、後にこの経緯について記しているので筆を借りようと思います。

曰く(ここから引用します)、

新憲法は昭和二十一年十一月三日に公布された。
この公布の日については二十一年十月二十九日の閣議でいろいろ論議があつた。
公布の日は結局施行の日を確定することになるが、一体何日から新憲法を施行することがよかろうかというので、大体五月一日とすれば十一月一日に公布することになる。
併し五月一日はメーデーであつて、新憲法施行をこの日にえらぶことは実際上面白くない。
では五月五日はどうか。
これは節句の日で、日本人には覚えやすい日であるが、これは男子の節句で女子の節句でないということ、男女平等の新憲法としてはどうか。
それとたんごの節句は武のまつりのいみがあるので戦争放棄の新憲法としてはどうであろうか。
それでは五月三日ということにして、公布を十一月三日にしたらどうか、公布を十一月三日にするということは、閣議でも吉田総理、幣原国務相、木村法相、一松逓相等は賛成のようであつたが、明治節に公布するということ自体、司令部の思惑はどうかという一抹の不安もないでもなかつた。
併し、結局施行日が五月一日も五月五日も適当でないということになれば、五月三日として、公布は自然十一月三日となるということで、ゆく方針がきめられた。
公布の上諭文は十月二十九日の閣議で決定、十月三十一日の昼に吉田総理より上奏御裁可を得た。
— 入江俊郎『日本国憲法成立の経緯原稿5』、入江俊郎文書
とあります。

内閣法制局長官といえば、内閣の直下で法制についての事務を行う機関の長であり、内閣法制局による法令解釈は各法令ごとの齟齬や調和を限界まで緻密に組み上げているといえ、その判断は非常に高い権威を持ち官庁の中の官庁として畏怖された機関です。

そうしたギリギリの司令部(GHQ)との交渉の中で、なんとか明治節にあたる11月3日を憲法公布、そして半年後の5月3日を憲法施行日とすることになったわけです。

その後、衆議院参議院のすり合わせやGHQの意向も絡み、この11月3日を憲法記念日にすることはできなかったけれども(施行日の5月3日を憲法記念日にすることが先に事実上決定することで11月3日の目が消えた)、その代わりとして、なんらかの祝日として11月3日も決定して良いというGHQからの「意向」もあり、こうしてようやく11月3日を「文化の日」として戦後の祝日体系の列になぞらえることはできることになった、というわけなのです。

先人や先輩たちの数々の悩みと貢献あって、この11月3日は祝日として祝うことができる日となったわけです。

ですので、ぜひ11月3日については、昭和22年までは明治節、明治時代は天長節、そして11月3日は憲法「公布」の日として文化の日になった、と覚えていただければと思うのです。

国家公務員1種(総合職)試験は受けておりませんが、代わりに国会議員政策担当秘書試験は受験し合格資格を保有しております法令解釈おたくの筆者からは以上です。

(平成29年11月4日 日曜日)

2017年9月6日

北朝鮮に対する国連の経済制裁決議について(2017年8月5日時点)




おはようございます。

2017年9月の記事です。

既報の通り、北朝鮮が通算6回目の地下核実験を行なったと日本政府が断定した2017年9月3日(日)以降、国連安全保障理事会において新たな北朝鮮に対する制裁内容が激しく協議されています。

この状況に到るまでの、すでになされている経済制裁として最も厳しいものは、2017年8月5日に採択された第2371号と呼ばれる決議で、石炭、鉄鉱石、鉄、方鉛鉱、鉛、海産物などの北朝鮮への各国からの輸出を止め、合わせて北朝鮮の労働者が国外で働くことや合弁会社の設立を禁止したものです。

北朝鮮の輸入に関する制裁の合計金額は、10億ドルと試算され、2016年の北朝鮮の輸出総額の3分の1に当たる規模です。

また、労働者の国外派遣の禁止については、これは非常に効果的であると見積もられておりまして、北朝鮮がミサイルや核開発を行う上での外貨獲得のため、海外での北朝鮮労働者の派遣が非常に重要な役割を占めているのです。

ざっと、国外派遣者合計23万人・年間5億ドルの給与所得の本国還流とも言われています。

つまり、北朝鮮人に外国に働きに行かせて、その給料のほとんどを本国に送らせるという仕組みで、実質的な外貨獲得手段として、全くの法律の抜け穴状態となっていると思われます。



それでも6回目の核実験を強行した北朝鮮



しかし、この決議のわずか1ヵ月後、北朝鮮はこれまでで最も大規模で威力の高い地下核実験を強行したのです。

上記の制裁を持ってすら、北朝鮮の暴走を止められない、その理由の一つが「石油の禁輸」というカードを切っていない、ということが挙げられます。

あの昭和16年時、我が国の大東亜共栄圏構想に対するアメリカイギリス中国オランダの、いわゆる石油禁輸を軸にしたABCD包囲網に対し、しびれを切らした形でわが国はアメリカイギリスに対して開戦、真珠湾攻撃を行うということになりましたが、これほど石油の禁輸は自国経済に与えるダメージが大きいのです。



それでも、中国次第



結局、石油の禁輸までは踏み切れなかった理由は、対北朝鮮貿易で9割以上を占める、陸続きの大国中国の意向だからです。

中国が、この経済制裁を厳格に履行せず、例えば石油のついでに禁輸品もこっそりと国境付近で流してしまえば基本的に他の国連加盟国ではわからないということになってしまうのです。

中国に、現在ある経済制裁を厳格に履行させ、かつ石油の全面禁輸を行なったところで、北朝鮮は真に自国の置かれている状況がわかるのかもしれません。

ちなみに、2017年8月5日の国連決議を受け、早速翌日の8月6日に、国の王外相は北朝鮮の李外相と会談をして、安保理決議について通告し(石油の禁輸は見逃したと恩を売り)、ミサイル発射や核実験を自制するように求めたようですが、その中国の面子も潰れた形になりました。

中国としても、2017年秋の一党独裁の中国共産党大会を控え、北朝鮮すら従わせられないという外交上の失点をこれ以上広げたくないかもしれませんが、依然北朝鮮問題に対しては原則不介入としたいという「希望」を隠しません。

しかしながら、中国の強烈な反対によって2017年8月の国連安保理決議に入れることはできなかった、原油の輸出禁止などミサイル開発に直接関わる事項について決定し、その運用も厳格に、禁輸の運営も厳しく監視する必要があります。

もちろん北朝鮮労働者の海外(特に中国東北部)での労働についてもです。

残念ながら、これだけの状況に至った北朝鮮に対して対話を求めても、過去のように時間稼ぎをされた挙句、ミサイルや核開発のための資金を流すだけの結果に終わるのは目に見えています。

そもそも、ミサイルは韓国やロシア、中国の領空領海ではなく、わが国日本に向けて放たれております。

韓国なら米軍がついているので怖い、でも日本なら何もしない、と大いに舐められて高をくくっているわけです。

緊張感をます北朝鮮情勢、次は日本列島を超えるミサイル発射、もしくは核実験を断行してもおかしくないフェーズにあります。

このことについては引き続き論じていこうと思います。

とりあえず、今回は以上です。

(平成29年9月6日 水曜日)

2017年9月3日

北朝鮮が6回目の核実験を強行したと日本政府が断定(2017年9月3日(日曜日)14時)




おはようございます。

北朝鮮の核実験場があると断定されているプンゲリという都市を震源地とするマグニチュード6.1の地震波を日本の気象庁が観測し、2016年9月以来6回目の核実験を強行したと政府が断定しました。

前回のマグニチュードレベルをはるかに上回る大きさの地震を引き起こしていることからも、また北朝鮮が核弾頭を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を繰り返し、先日は日本領空を侵犯して三陸沖に落下させていることからしても、アメリカを含む同盟国に対し、あくまで対話でなく核ミサイルという力で対抗しようとした暴挙です。

ただちに、国連安保理事会の開催を要請するということになりますが、北朝鮮はこれで、国際社会と対話をする意思がないことを明確にし、後ろ盾になっている中国の党大会前に面子を潰す動きをしたことになります。

核弾頭の開発とそれを的確に地球の裏側に「届ける」弾道ミサイルの開発により、北朝鮮にとってはそれこそが何よりも欲しい力ですが、いい加減にしてもらいたいものです。




弾道ミサイルは日本に向けて発射された





特に、弾道ミサイルの「実験」では、津軽海峡を通して太平洋上に落下するルートを意図的に取っておりますが、これは、他の方向だと中国、ロシア、そしてアメリカと同盟している韓国の「領土」の上を通ってしまい即戦争になることから日本上空に向けて撃たねばならず、その日本の中でも最も影響が少ない津軽海峡を通して襟裳岬沖に着水させたわけです。

あくまで向こう(北朝鮮)側の勝手な論理です。

随分と国としてなめられたもので、日本国民の生命財産を脅かす重大事案であることは間違いありません。

日本としては、諸外国と連携して〜の定番フレーズにとどまらず、日本に向けて撃って来たことに加え大規模核実験を強行したことを重くみて、厳正なる処置を行ってもらい、我々国民の生命財産を保護してもらうようお願いしたいところです。

取り急ぎ速報は以上です。

(平成29年9月3日 日曜日)

2017年9月2日

北朝鮮はなぜわが国日本を挑発する瀬戸際外交をやらざるを得ないのかを考えた






おはようございます。

2017年9月の記事です。

北朝鮮の核・ミサイル問題が世界中を賑わせています。

なぜ、北朝鮮はわが国を挑発する瀬戸際外交をやらざるを得ないのでしょうか。

なぜ北が日米をあからさまに挑発し続けて、自国の事態により深く関与させようとして必死になっているのか、一見全く理解し得ないことではあります。

しかし、物事の本質を見極めるためには、相手の立場になって考えてみるということも大切です。

相手の身になって(相手のことを慮るのではなく単に立場を変えて)考えてみたいと思います。

中国とロシアという極めて独裁的で恐ろしい、いわゆる「大国」に隣接する弱小国家勢力は、その「大国」による併呑(両国による分割統治や信託委任統治、自治区設立を含む)を回避するためにどのように振る舞うのが得策でしょうか。

当然、自勢力だけでその「大国」に抗し果せる事はできないので、その大国に匹敵する以上の別カテゴリの「大国」が、自勢力の存廃に関わる事態に関与せざるを得ないように段取りして、要するに巻き込んでいって、その挙句、「大国」と「大国」同士の牽制によって、自勢力がどの大国にも結局併呑されないように立ち振る舞い、その自勢力を統治する金王朝一派の安泰と存続を図るというのが、北朝鮮政府(金王朝一派)の根本戦略であるとみることができます。

具体的に書きますと、関係諸大国間のけん制(中国・ロシアと日本アメリカ韓国)によって、自力で立つことのできない北朝鮮という国家の体を為していない勢力が、どの大国にも併呑されないように立ち回る他ないという状況が現にあるわけです。

そして、北朝鮮という弱小勢力(国と呼ぶことすら疑わしいレベル)が、日米などの諸大国を自国に引き寄せ、このままでは中国とロシアの食い物になり解体されることが確実である自分の国(とまだ自分では思いたい)を中国やロシアから一定以上自由な状態の、独立した勢力として認知させ存続を許されるような「立場」に封じてもらうことが一番大切なのです。

そうすれば、いわゆる北朝鮮という自治政府の皮の下で、実質的には金王朝一派による専制独裁体制が大きな後ろ盾の下存続を許されるというハッピーな結末になります。

日米の力は単なる中露に対する当て馬です。

日米の外交高官も、もちろん中露の外交エリートも、当然こうした「構図」については熟知しておりまして、金王朝の策には乗らないと思っているのですが、手をこまねいているうちに北朝鮮の跳ね返りはますますエスカレートし、もはや本当に戦争したいのかというレベルにまで到達してしまったというわけです。

北朝鮮の領土と人民を、これまで通り、これまで以上に金王朝一派の食い物として捧げ続けるために、利用できるものは何でも、日米の軍事力すら最大限利用しようとしている、それが北朝鮮の瀬戸際外交の本質です。

単に、金銭的な援助や支援物質が必要ならば、より合理的で穏便で有効な他の手段があるはずですがそうはしません。

また、真に現在飢餓で苛まれて死んでいく気の毒な人民に対しては、もともと金一派からみれば、唾棄すべき旧華族や地主階級、知識階級でありもともと敵対分子であった層であるわけですので、飢えて死んでも何ら問題ないわけです。

手間が省ける、というくらいの感想です。




金王朝存続が唯一の目標





金王朝一派にとっては、自分たちに貢納し得ない状態にまで窮乏した自国民など、死んでもらっても構わない存在なのです。

それは、現に人道的観点で諸外国からなされた支援物資の受領を北朝鮮政府が拒否した事にも、端的に示されております。

残念ながら、金王朝一派の望みはただ一つ、自分たちが食い物にしつづけてきた北朝鮮の領土と人民が、丸ごと中国なりロシアなりに併呑もしくは分割統治されることを防ぎ、自勢力の存続可能性を少しでも増すこと、そのことに尽きます。

そういう訳ですので、日本の心ある市民階級の方々におかれましては、決して裏で中国が糸を引いているといった謀略論に惑わされることなく、諸外国ときちんと連携して立場を明確にして、暴発する北朝鮮に対して石油禁輸、人員交流全面禁止と着実な履行を求め、北朝鮮内部での市民革命や体制変更を待つ、という気長な対応が実は望ましいということを知っておいてもらいたいと思います。

北朝鮮の首脳らとしては、北朝鮮の頭上で、中露と日米韓がぶつかるくらいまで国際情勢を混乱させ、双方に対して距離を取りつつ自勢力の維持を図るというのが望ましく、その他に自国を特に中国の支配から逃れさせられる手段がないと任じているのかもしれません。

なお、本論は筆者の仮説で中国の本音は別のところにあり、かような貧乏勢力の面倒をこれ以上みるのはまっぴら御免、というものであるかもしれないので、念のためご了承ください。

かつて大学時代、何となく華やかな、国際政治学のゼミに入りそびれたおたく学生だった筆者からは以上です。

(平成29年9月2日 土曜日)

2017年8月17日

2017年8月時点で世界最短の飛行機の定期便路線をご紹介します






おはようございます。

2017年8月の記事です。

飛行機の発明から100年あまり、今では地球の裏側でもノンストップで18時間、実に一日の4分の3を使ってニューヨークからシンガポールまで一気に行くことができるようになりましたが、そんな最長不倒の距離と時間を誇る定期国際便のかたわらで、世界最短の国内定期便路線もありますので本日はそのご紹介をしたいと思います。

The Finacial Times, The Economist等の海外新聞雑誌によりますと、国内線の最短フライト時間は2分ということです。

それは、イギリス連合王国のスコットランド北部のウェストレイ島にあるウェストレイ空港と隣のパパウェストレイ島にあるパパウェストレイ空港を結ぶローガンエアーという航空会社の便だそうです。

フライト動画もインターネット上に掲載されているようですが、確かに、離陸後あっという間に着陸する感じです。

距離は1.7マイル(2.7㎞)、定員8名で機長1名のみで運航する、ワンマン航空便です。

陸路と海路を使っていけば、1時間を超える時間がかかるということで、警察官や消防士、教師やビジネスマンなど、小規模ながらも旺盛な需要があり、実に路線開通は1967年といいますから、実に50年間、この世界最短の定期航空便は続いているということになります。

そして、2017年9月1日からは大手航空のフランチャイズから完全独立採算の独自航空会社として新しいスタートを切るということです。

小さな航空会社の短い定期航路にこれからも栄光あらんことを願います。




日本で一番短い定期航空便は沖縄の東にあります





さて日本で最も短い定期航空便は、沖縄本島から約350km東に位置するふたつの離島である、南大東島と北大東島の間の15㎞を結ぶ定期便です。

飛行時間は15分とのことで、運航するのは琉球エアーコミューター(RAC)という航空会社になります。

死ぬまでに一度乗りに行ってみたいものです。

離島についてはマニア的に興味を持っております島流し志望の筆者からは以上です。

(平成29年8月17日 木曜日)

2017年5月18日

世界株式市場の時価総額上位企業が固定化されてきたように感じる理由







おはようございます。

2017年5月の五月晴れの日の記事です。

世界の投資市場、特に株式市場が好調です。

そうした中、人はわかりやすい銘柄の価格を押し上げるのか、ついに世界中の株式時価総額のトップファイブ、すなわち五人衆がおそらく誰でも聞いたことのある会社で占められるようになりました。

すなわち、時価総額で80兆円から40兆円くらいの間で(数字は適当です)、

①アップル(80兆円くらい)
②グーグル(65兆円くらい)
③マイクロソフト(55兆円くらい)
④アマゾン(45兆円くらい)
⑤フェイスブック(40兆円くらい)

の5社がこれからの世界を牛耳っていき、6位以下との差を急速に引き離しにかかった、そんな感じがしているのです。




第二集団との距離は更に離れつつある




6位以下には、世界最大の運用会社であるバークシャー・ハサウェイや世界最大の石油会社のエクソンモービル、世界最大の消費財メーカーであるジョンソン・&・ジョンソン、世界最大の銀行グループのJPモルガン・チェース、そして中国のテンセント・ホールディングスやアリババといった巨大企業が続いていますが、正直このグループは二番手グループとして、上記の5人組寡占グループを脅かす存在にはなりにくいのではないかと感じるのです。

毎日使っている知っている会社が強い

筆者も、アップルのモバイル端末を使ってグーグルでブログを書き、マイクロソフトのオフィスで会社の業務をこなし、アマゾン定期便で買い物をしてフェイスブックのメッセージで連絡を取り合うという生活で、この5社との接触抜きには生活が成り立たなくなるくらい取り込まれてしまっています。

なかなか、この気持ちの良い軛(くびき)から逃れるすべはないようで、そうすると、やはりこの5社が最もダイレクトに消費者である筆者のようないたいけな市民に近くサービスを提供しているということになりそうです。

こうした会社の存在は、既にある意味国家を超えた力を持つようになってきているとすら感じています。

ここに投資している数限りない個人投資家の運命も多く担っているということになるわけで、国レベルの社会的責任を負っているといっても過言ではありません。

そんなことを感じながら投資に関しては素人の筆者からは以上です。

(平成29年5月18日 木曜日)

2017年5月1日

漫画のマザーシップかアップルの新本社アップルパークがついに完成す






おはようございます。

2017年5月最初の記事として、アップルの新本社の完成をお伝えする配信記事です。

昔読んだ手塚治虫の火の鳥宇宙編に出てくるような未来型スペースシップといいますか、映画インディペンデンスデイに出てくる超巨大な宇宙船マザーシップといいますか、そのようなものを現実の社屋として完成させるというプロジェクトがぶち上げられて、しばらくみない間についに現実のものになるというニュースが入ってきました。

米国の世界最強時価総額企業(執筆時点70兆円以上)、アップルの新しい本社ビル「アップルパーク」の完成です。

立派な本社ビルを作る会社は傾く、と嘯く筆者などの余計な心配など何のその、アップルパークと呼ばれる宇宙船マザーシップ型の新しい本社は、総工費50億ドル、つまり6,000億円もの巨額投資です。

敷地の広さは70万平方メートルで、これは米国国防総省、通称ペンタゴンよりずっと大きいとのことです。

いち民間企業が国家のみならず世界軍事の総本山を上回り、彼を軽く凌駕する情報量と研究開発機能を有するに至ったということの証左でしょう。




建物の延床も敷地も駐車場も桁違い




建物の広さも想定外です。

新本社のビルは、約28万平方メートルの延床面積を占め、イギリス建築界の頂点に君臨するノーマン・フォスターの設計です。

丸いバウムクーヘンのような社屋に曲面ガラスを駆使して、屋内と屋外をつなぎ、エコとコラボを追求した快適な職住一体の想像空間を実現しようとしております。

なんとなく、機動戦士ガンダムのサイド7のような気分がしてくるのは筆者くらいのものでしょうか。

最初のこれを構想したのは今は亡きアップルのカリスマ、スティーブ・ジョブズだそうです。

外装をアップルストアのようにガラスで覆い、全てを曲線とし、平らなガラスが全くないという贅を尽くしたつくりです。

この一つの巨大な「街」の中で、さまざまな異文化に触れた特長あるチームごとが適宜適所で打ち合わせや開発や販売促進の作戦を立て、そして迅速に意思決定していき世界中に指令を下す、時にはマスコミを引き入れて新商品サービスのプレゼンテーションを最適なタイミングで行うといった、巨額投資に見合った成果と果実が得られると自信満々なのでしょう。

ここに集うアップルの従業員や委託者、派遣社員等を全て含めると1万3000人とのことです。

ちなみに、駐車場だけで広さ約30万平方メートルであり、車両1万1000台の収容が可能となるとのことですが、筆者のようなどこに停めたかわからない人間にとっては、駐車場から自分の車を見つけることから慣れないといけないと思いました。

世界は驚きに満ちています。

車庫入れは非常に下手な筆者からは以上です。

(平成29年5月1日 月曜日)

2017年4月30日

人々の時間を取り込むビジネスが世界を制覇しつつあるというお話です






おはようございます。

2017年4月最後のビジネスに関する配信記事を投げ込みます。

ビジネスの国境はますます低くなり、世界的な企業が世界中のそこかしこでビジネスを展開する世の中になりました。

つまり、消費者の行動にもっとも寄り添っているビジネスがますます強くなっているということかもしれません。

アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック

いち消費者である筆者も振り返ってみますと、この5社が提供するサービスなり製品を手に取ったり使ったり目にしたりすることがない毎日です。

そもそもこのブログ記事はMACのコンピュータで打ち込んでいますし、テザリングはiPhoneシリーズ、フェイスブックのメッセージで同僚や知り合いとやり取りをしながらワードファイルを開いたり閉じたりしながらgmailを使います。

子供会のドッチボールのチームのコーチをすることになりましたので、体育館用シューズが必要となったので、その合間にアマゾンでポチってしまいました。

翌日には届くようで驚きです。

この5社の時価総額は、2017年4月時点で全て40兆円を軽く超えており文字通り世界5強です。

実はこの中にウォーレン・バフェットという世界最強の投資爺ちゃんが率いるバークシャー・ハサウェイという投資会社も入っているのですが、この会社は「会社に投資する会社」であり最終ビジネスを行なっているわけではなく、またこの会社自体も上記5社の大株主でもあるということから、事実上この5社が世界のビジネス界におけるビッグファイブといって過言ではないでしょう。




レガシー大企業は6位以下




6位にだいぶ離されて、世界最大の石油会社であるエクソン・モービルが続きます。

もともと超大企業だったエクソンとモービルの同業が、独占禁止法の批判を受けながらも実現した超大型合併をもってしても、ただの同窓会掲示サイトとして始まったフェイスブックに時価総額でかなわないという、ここに冷徹な事実があると思います。

少し前、重厚長大から軽薄短小にビジネス世界はシフトするなどと言われました。

今や、もっとも手軽に消費者や利用者を囲い込んでいる会社が、超上流の重厚産業を支配できる力を持つ時代になりました。

アマゾンは世界でもっとも配送会社に優位なレートで運ばせる能力を持っているにもかかわらず、自前で配送部門を保有しようとしておりますし、グーグルも携帯端末会社へのソフトやOS提供にとどまらず自社の製造部門や自動運転車の製造ラインも持とうとしているようです。

そのうち、フェイスブックの人工知能によって選別されたメンバー間でのオフ会の招待がフェイスブックからもたらされるようになるのかもしれません。

ますます、世界の進化は加速するのでしょうか。

日々我々が活動する結果が、このような結果を招いているという事実に改めて気付かされます。

今後も、こうした大きな流れをウオッチしていきたいと思います。

こちらからは以上です。

(平成29年4月30日 日曜日)

2017年4月24日

(速報)2017年4月フランス大統領選挙(第1回目投票)結果分析





おはようございます。

2017年4月の国際政治に関する速報配信記事です。

注目されておりました2017年フランス大統領選挙の第1回目の投票で、中道で無所属のマクロン前経済相と極右のルペン国民戦線党首の決選投票への進出が確実になったということです。

フランスの公共放送である「フランス2」が報じました。

選挙管理を行うフランス内務省の85%開票段階の暫定集計でもマクロン前経済相が23%程度、ルペン国民戦線党首は22%程度の得票を確保し、首位を並んでいるということです。

これまでの、英国のブレグジット支持や米国トランプ大統領選出で、ずいぶん信頼感が落ちたいわゆる既存の世論調査ですが、このフランス大統領選挙においては、第1回目の投票においてマクロン前経済相とルペン国民戦線党首が決選投票へ進出する本命とされてきましたので、この点では予想通りということになります。

しかしながら、この第1回目の投票において、この2候補者と支持率が僅差であったフィヨン元首相とメランション氏を含めた四つ巴ともいうべき選挙戦で、この4氏のそれぞれの戦い方と相互作用によっては、この2候補者が勝利せず次の決選投票に進めないのではないかという懸念も強くあり、特に金融市場ではそうしたリスク回避の動きで円高に振れたり神経質な展開でした。




決選投票は2017年5月7日(日)です




第1回目の投票での上位2名による決選投票は5月7日に行われます。

ここでの「予想」に即すれば、これまでの世論調査の結果を合わせれば、ルペン候補以外を支持した有権者が消去法的にマクロン候補を選択する可能性が高いと言われております。

もちろん、隠れルペン支持といった層もあると思いますが、ここから全包囲されている感のあるルペン候補が決選投票を勝ち抜くのはなかなか厳しいかもしれません。

事実、第1回投票で敗北した、四つ巴のうちの2候補者であるフィヨン元首相とアモン前教育相は敗北宣言を行い、そこで明確にルペン国民戦線党首の当選を回避するためにマクロン前経済相を支持すると表明しました。




そもそもこの2者の主張の対立軸は何か




さて改めて振り返り、この決戦投票へ向かうと2人の候補者の主張を述べておきます。

きわめて筆者の理解として単純に申し上げますと、

マクロン前経済相は 親EU、EUの中のフランス、歳出削減、成長重視、親移民
ルペン国民戦線党首は 反EU、フランス第一主義、歳出拡大、保護主義、反移民

となります。

ここで、改めて教科書的に申し上げますと、既存の社会でよいものとされてきた枠組みであるEUや通貨であるユーロの信任という意味では、マクロン候補の方が望ましく、世界の投資市場や通貨市場もそれを求めている感があります。

しかし、人々の本音は別のところにあり、建前をぶっとばし本音で行動した結果がブレグジットでありトランプ当選であったことを考えますと、そうとばかりは言っていられません。

世界は想像以上に面白いものです。

選挙大好きな筆者の素人分析は以上です。

(平成29年4月24日 月曜日)

2017年4月14日

トップの権限を2人以上で負担し合うという組織運営の進化を論じます





おはようございます。

2017年4月の組織のトップに関する配信記事です。

現在の今上天皇の譲位の意向を受けた政府が慎重に有識者会議を開いて、必要な法整備や政令の準備を行なっていましたが、ようやくその最終方針がまとまり政府に対して最終答申を行うというニュースが流れて来ました。

これで、ようやく今上帝が譲位できる制度的担保が進みそうです。

そして、譲位後の天皇陛下をどう呼称するか、についても、「上皇陛下」ということで一致したということです。

皇位継承第一位となる秋篠宮は「皇嗣殿下」と呼ばれるとのことです。

何にせよ、組織のトップが変わるということは非常に大変なものです。



会長と社長のダブル統治体制




翻って庶民が運営する会社組織形態におきましても、昭和の昔は社長職一本だったのが、最近は組織運営の高度化から会長や取締役会議長といった「別の」お目付的な地位を置くことが増えて来ました。

課長島耕作で始まったシリーズ主人公も、ついに会長になってさらに経団連の中での出世階段を登っていく、昭和のサラリーマンというものは常に上昇志向があるものですが、最近の平成の世の中ではこうしたスタイルも相対化されて来ている感はあります。

筆者が大事にしております経済小説の名作に「小説日本興業銀行」というのがありますが、この主人公の戦後興銀の第2代頭取である中山素平という人は、頭取職を去る時に後輩たちに特に慰留されて「会長」に就任します。

それまで、大銀行のトップといえども頭取一本だったのです。

副頭取も1人しかいませんでした。

中山素平は2年だけだという約束通り2年で会長職も退きますが、その後の日本経済社会においては会長職が一般的となり、ついには人事権など社長より権限が大きくなるといった状況になるに至り、輸入呼称であるCEOという呼び名を社長や会長の前につけて、結局どちらがトップなのか、といったことを示すようになったりしております。

会長と社長の間には副会長を数名、社長の下には副社長や副頭取を数名置くようなスタイルが一般的になってきています。

もちろん大組織を束ねるにはそれなりの人数は必要かもしれませんが、昔とくらべて明らかに頭取や副頭取といった単体の地位が軽くなったように思うのは筆者だけでしょうか。

脱線ついでに書きますと、1998(平成10)年の年頭に、当時の日本興業銀行の西村頭取が全役職員に向けて送った内部向け書簡は、これこそ総合企画部あたりの社内官僚ではなくトップの頭取自らが書いたに違いない迫力に満ちたものでありまして、当時新人であった筆者などは衝撃を受けたのを覚えています。

ですので筆者の中で頭取、といえばこの西村頭取のイメージが物凄く強いわけです。

それから時代は流れ、代表取締役会長兼社長CEO、という一見わけのわからない肩書きも出現しています。




古代ローマの皇帝とはどのような地位の集合体だったのか




この点、古代ローマで皇帝が誕生した時、その皇帝という地位がどのような称号で呼ばれて総体として皇帝という地位や権限を有していたのかとを比較すると面白いです。

古代のローマ皇帝は、少なくともこれから列挙する4つの称号を同時に保有する主体として皇帝と通称されたのです。

1つめは、「アウグストゥス」という称号で、初代皇帝オクタヴィアヌスが元老院から送られた尊厳者を意味する称号です。

2つめは、「インペラトール」という称号で、もともと最高司令官を意味する言葉です。英語のエンペラー(皇帝)の語源です。

3つめは、「カエサル」という称号で、これはカエサル家の棟梁である初代終身独裁官であり事実上第0代皇帝ともいえるユリウス・カエサルの正当な後継者という意味です。ちなみにこれが英語になってなまってシーザーになり、ドイツ語でのカイザー(皇帝)の語源になります。

4つめは、「プリンケプス」という称号で、これはアウグストゥスの尊号が贈られる前にオクタヴィアヌスが使用していた「第一人者」という称号です。これは、元老院の中の一員ながら、最初に発言する権利があるという権利を示すものでした。

あとは、国家の父とか祭祀を主催する称号とかいろいろありますが、とにかく最重要な尊称として、この4つは必ず歴代皇帝につけられたというわけです。

今後の21世紀の日本においても、会長、社長のほかにも、今後取締役会議長とか監査役会首席とか、報酬委員会委員長とか、いろいろと実質的なトップを呼称する地位が生まれてくるのかもしれません。

夜の帝王やカラオケでの大統領を僭称しながら実質は夜の中洲のパトロール巡回に留まっている筆者からは以上です。

(平成29年4月14日 金曜日)